本日はプミポン国王陛下のお誕生日。当然、タイの祝日なので学校や銀行、官公庁はお休み。ただ、天皇誕生日と決定的に違うのは、法律に基づき“禁酒日”に指定されていること。今日に限っては酒屋も飲み屋も一斉閉店してしまう。自分は超下戸だから痛くも痒くもないけど、呑兵衛どもはノドを掻き毟って悶絶しそう。ゐひひ、いい気味・・・などとは言うまい。たばこに関して、逆襲されかねませんからね。
日本では祝事に酒は付き物と考えるのが大方の常識だが、当地では違うらしい。尤も、タイは仏教国だから、仏教五戒(不殺生戒、不偸盜戒、不邪淫戒、不妄言戒、不飲酒戒)を固く守る意味合いがあるのだろう。日本の僧家だって、敢えて“般若湯”と隠語で呼ぶのも、本来はタブーであることを知っているからに相違ない。
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さて、《タイ音楽評》の続きは、《7.(MP3) ต้นตำรับลูกทุ่งไทย 2》を採り上げる。実はこのMP3、6月のタイの懐メロで書いたMP3の続篇なんですね。曲目はダブってないものの、歌手の顔ぶれはほとんど同じ。これもオリジナル盤を集めたものではなさそうだが、初訪泰時の頃が盛りだった歌手も含まれているので、結構聴ける。
それに、聴き憶えのある曲は一つもないが、総じてスローバラード調かつ日本の歌謡曲を思わせる編曲になっていて、妙に心が和む。ただし、いつも明るく陽気なタイ人気質からすると、これらはどことなく“よそ行きの歌”のような感じがしてならない。
では、ล้นเกล้าเผ่าไทย(溢れるタイ民族の丁髷頭)という時代がかった大げさな曲から聴いてみよう。
49 ล้นเกล้าเผ่าไทย
by สายัณห์ สัญญา(サヤン・サンヤー)
買ったのはMP3だから映像はないが、期せずして本日(国王誕生日)にふさわしい曲のようですね。
*ご参考* オリジナル盤
2011年12月12日、本動画投稿者のコメントを以下に邦訳。
私はこの曲が大好き。
全てのタイ王国の恵みに感謝するため、アップしました。
国王陛下のご長寿を心より祈念申し上げます。
13 แบ่งบุญให้พี่บ้าง(おバカな自分が徳を分け与える)
by เสรี รุ่งสว่าง(セリー・ルンサワン)
曲名にある喜劇性には目もくれず、きわめて真面目に歌っているところがむしろコミカルでさえある。
26 ซากรักบึงพระราม(プララム沼遺跡)
by โรม ศรีธรรมราช(ロム・スリタマラート)
*ご参考* オリジナル盤
同じ歌手の同曲異演。再録音のほうはVCDのせいか、歌と伴奏が左右に分かれて聴きづらいが、音質はよいし声の衰えも気にならず整然と歌ってる感じ。対するオリジナル盤では、歌い出しの“アユタヤ”部分をトチってしまっている。オリジナル盤ならではのハプニングで、歌手の緊張感がそうさせたのだろう。こんなことが再録音で起こる可能性は、まずない。初回の歌唱ミスを教訓に、同じ失敗を繰り返さぬよう学習するからである。
27 ตอไม้ที่ตายแล้ว(朽ち果てた切り株)
by รังษี เสรีชัย(ランシー・セリチャイ)
何ですか、歌とは無関係の映像は。映像の美女を責めるわけではないが、せっかくの抒情的佳曲がぶちこわされた感じ。「懐メロ」に映像なんか求めると、必ずと言っていいほどこういう“憂き目”に遭遇するんですよ。
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