台湾の馬英九前総統、双十節の式典欠席へ
現政権の「台湾独立路線」に抗議
10/2(月) 18:14配信/産経新聞電子版
【台北=矢板明夫】台湾の最大野党、中国国民党に所属する馬英九前総統は2日、建国記念日に相当する10日の「双十節」を祝う式典に出席しないことを明らかにした。蔡英文政権が同式典の英語表記を「Taiwan national day」に変えたことに抗議するためだという。多くの国民党関係者が追随するとみられる。来年1月に総統選を控え、台湾の将来を巡る政治的対立が再燃した形だ。
馬氏は2日早朝、「沈痛な気持ちで、今年の式典に出席しないことを発表する」などとする長文を交流サイト(SNS)に投稿した。馬氏によれば、これまでの40年間、式典を欠席したことがなく、出席するのを誇りに思っていたという。しかし「私たちの『中華民国』(台湾当局の公称)はいつの間にか『台湾』に変えられた。明らかな台湾独立路線だ」と主張し、「台湾の安全のため、これに反対しなければならない」としている。
双十節を祝う式典の英語表記を蔡政権が変更したのは2年前。与党、民主進歩党支持者らによる「(表記に)台湾の要素を入れてほしい」との要望を受けた措置とみられる。
これに対し、馬氏は「台湾は国家ではない」として蔡政権に新たな表記をやめるように申し入れたが、式典には「前総統」として出席していた。今年、欠席を決めたのは、総統選まで3カ月余りとなり、与野党の対立が激化していることが背景にあるとみられる。
馬氏の欠席表明に対し、複数の国民党幹部が「支持する」との考えを示しており、多くの同党関係者が式典を欠席するとみられる。
馬氏は3月から4月にかけて中国を訪問し、中国側から厚遇を受けるなど「親中派」とみなされている。
今年の双十節を祝う式典には、東京農大二高(群馬県高崎市)の吹奏楽部が台湾側から招待され、マーチングのパフォーマンスを行う予定だ。日本の高校の吹奏楽部が同式典に招かれるのは、昨年の京都橘高に続き2年連続となる。
コメント総数;38件
一、国民党こそが台湾の独立を主張しなければならないのに。台湾の人たちの幸福を願っていないように思える。中国利権目当ての政党とその支持者って構図じゃないの。実質台湾は中国ではないのだから今更「独立反対」って意味が分からない。日本にも国のトップになった奴でも「狂った発言」するから、どこにでも変なのがいるようだ。
二、台湾内の国民党などチャイナの走狗もわざわざ泥舟のチャイナ本土に乗ろうなんて愚かとしか思えないです。やっぱり本土との間で黒い疑惑があるんでしょうかね。
三、総統選の苦戦を受けて、事を荒立てるギャンブルに出たのでしょう。
ただ、国民党のやり方では、香港と同じになるのは火を見るより明らか。
国民党が勝つ可能性は低いと思います。
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馬英九氏、国慶日祝賀式典出席拒否を表明
「Taiwan National Day」表記に不満
2023/10/02 17:32配信/フォーカス台湾(中央通訊社)日本語電子版
(台北中央社)馬英九前総統は2日、10日の国慶日(中華民国の国家の日)に開かれる祝賀式典への出席を拒否するとフェイスブックで表明した。蔡英文政権が近年、国慶日の英語名称を「Taiwan National Day」(台湾の国家の日)としていることに対し、再度式典に出席すれば「遠回しで、不正に紛れ込む『台湾独立』路線を裏書きするのと同じだ」と批判した。
今年の国慶日のメインビジュアルは「民主台湾 堅韌永続」(民主主義の台湾 強固で粘り強く永続)のテーマの下に「2023 TAIWAN NATIONAL DAY」の文字があしらわれている。
馬氏は投稿で、蔡政権は2021年から国慶日の英語名称を「Taiwan National Day」に変更していると指摘。「いつからわれわれの国名は中華民国から台湾に変わったのか」と疑問を呈した。その上で「これは紛れもない『台湾独立』路線だ」とし、中華民国憲法を順守していないだけでなく、蔡総統が16年と20年の総統就任時に誓った「憲法順守」の約束に反しており、台湾海峡の安全に危害を与えるものだと非難した。
馬氏は、国慶式典では引き続き「中華民国国慶日」(Republic of China National Day)の表記を用いるべきだとの立場を表明。昨年、蔡総統と国慶式典準備委員会主任委員を務める游錫堃立法院長(国会議長)に対し、「Taiwan National Day」の呼称を今後使用しないよう呼びかけていたことに触れ、「蔡政権は聞く耳を持たず、今年も何も変わらなかった」と失望をあらわにした。また、台湾の安全や子孫の福祉のためには断固として台湾独立路線とたもとを分かち、台湾独立に固く反対すべきだと訴えた。
これに対し、陳建仁行政院長(首相)は2日、報道陣の取材に応じ、国慶日の英語表記は近年は一貫して「Taiwan National Day」としており、馬氏も例年は出席していたと指摘した上で、なぜ今年は出席しないのか理解できないと述べた。
(王承中、劉千綾/編集:名切千絵)
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中国と台湾は、お互いに相容れない背景があることを物語るニュースだ。馬英九(中国国民党)氏は台湾生まれなのに、〝我是台湾人″の自覚などまるでなく、おそらく"我是中國人″という認識なのであろう。喩えは悪いが、嘗て植民地化征服戦争に明け暮れた西洋帝国主義列強と同じ征服者の心理状態と言わねばなるまい。
『論語』に「(君子は)和して同ぜず、(小人は)同じて和せず。」との句がでてくる。優れた人物は協調はするが、主体性を失うことなくむやみに同調したりしない。つまらない人物は安易に同調するが、心から親しくなることはない。という意味なのだとか。つまり、馬氏は孔子様が仰せになられた「つまらない人」に過ぎないということ。
中国共産党も中国国民党も根が同じ穴の狢だから、『論語』に照らせば君子ならぬ小人たる所以の、ともに人道を逸脱した外道の所業と言えよう。日本では、「和して同ぜず」を是とするなら、「同じて和せず」には懐疑的か不知というのが一般国民のスタンスではなかろうか。台湾人とて似た考え方と推察している。
【外道】-げどう-
① 仏教用語。仏教の信者からみて、仏教以外の教え。また、それを信じる者。
② 道理に背く考え。また、その考えをもつ者。邪道。
③ 災いをなすもの。悪魔。また、邪悪な相をした仮面。
④ 心のひねくれた人、邪悪な人をののしっていう語。
人間関係力学の観点から、これまでも「利己」と「利他」について考察してきた。
【利他】
① 他人に利益となるように図ること。自分のことより他人の幸福を願うこと。
② 仏教用語。人々に功徳・利益を施して救済すること。
特に、阿弥陀仏の救いの働きをいう。
【利己】
自分の利益だけを考え、他人のことは顧みないこと。
「利己」は早い話、我儘勝手と同義だから、嫌われこそすれ他人を惹き付ける魅力など皆無に等しい。「利他」は仏教的人間救済という意味もあるわけで、人心が集まるのも道理である。
ついでながら、「帰化」と「同化」について観てみよう。
【帰化】-きか-
① 他国の国籍を得て、その国民となること。
② 生物が原産地から他地域に運ばれ、新しい環境に適応して生存・繁殖すること。
【同化】-どうか-
① 異なる性質・態度・思想などを、感化して同じにさせること。
② 知識などを取り込んで、完全に自分のものにすること。
「帰化」が自分に無関係な純然たる他人(外来者)ごとであるのに対し、「同化」は利己的(自分本位)な野心を伴った作為を想起させる。ゆゑに自らの意志で後天的に日本人となった元外国人を「帰化人」と呼び、「同化人」なる珍奇な日本語は存在しない。なお、台湾が日本領だった1895-1952年4月(1945年10月中華民国へ返還とする説は虚偽)の間、台湾人は国際法上の日本人だったわけたが、国内的には台湾人のまま日本人とも支那人(現称;中国人)とも区別されたらしい。台湾人の意志に関係なく強制的に日本人とされたわけで、当たり前だが「帰化人」には該当しない。、
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