「大いに危うい」岸田外交、中露と「脅威の認識」でズレ
アジア版NATOめぐる誤解で思わぬ危機も 日本の「救い」は岸防衛相か1
7/23 10:00配信/夕刊フジWEB版
政府は22日、参院選の街頭演説中に凶弾に倒れた安倍晋三元首相の「国葬」(国葬儀)について、9月27日に東京・北の丸公園の日本武道館で実施すると閣議決定した。葬儀委員長を務める岸田文雄首相は、事件直後、「安倍元首相の遺志を継ぎ、日米同盟のさらなる強化に努めたい」と、アントニー・ブリンケン米国務長官に覚悟を伝えた。日本を取り巻く外交・安全保障環境が悪化するなか、岸田首相の手腕が注目されるが、ジャーナリストの長谷川幸洋氏は「大いに危うい」と喝破した。
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安倍元首相の「国葬」には、世界各国の要人が来日し、G7(先進7カ国)首脳会議を上回る弔問外交が繰り広げられそうだ。
だが、岸田政権の下で、肝心の日本は大丈夫なのか。
結論を先に言えば、私は「大いに危うい」と懸念している。中国とロシアは、日本を「事実上の敵国」と見て、挑発行動を本気で軍事レベルに引き上げているにもかかわらず、岸田政権は従来通り、平時の「遺憾砲」を放つにとどまっているからだ。
双方が相手に対して感じている「脅威の認識」が、中露と日本の間でズレているのだ。これは非常に危ない。一歩間違えれば、重大事態に発展するリスクがある。少し、ていねいに説明しよう。
まず、中国は日本をどう見ているか。
それは、中国共産党系新聞「環球時報」の英語版「グローバルタイムズ」の一連の記事に示されている。
例えば、6月26日付の記事は「日本は、米国とNATO(北大西洋条約機構)をアジア太平洋地域に引き込むのに懸命だ。岸田首相は『拡大版NATOが不可欠』という立場を固めているように見える」と指摘した。
安倍元首相が亡くなった後の7月12日付社説でも、「日本の右翼勢力は平和憲法を時代遅れと主張し、NATOをインド太平洋に拡大しようとしている」と主張した。
要するに、「日本はアジア版NATOをつくろうとしている」と見ているのだ。中国にとって、これは日本が思う以上に大変な脅威である。
なぜなら、それは軍事的な「中国包囲網の完成」であり、日本を攻撃すれば、アジア太平洋の同盟国が一丸となって反撃する体制が出来上がることを意味するからだ。そうなったら、中国は結局、敗北するかもしれず、うかつに手を出せなくなる。
その証拠に、6月26日付の記事は「中国には、NATOのどんな挑発にも断固として対抗する十分な防衛能力がある」と記した。これは国内向けであると同時に、彼らの「恐怖心の裏返し」にほかならない。
中国は何としても、日本によるアジア版NATOの企(たくら)みを阻止したい。そのために、ロシアを仲間に引き入れて、「そんな包囲網づくりを企てたら、その前に潰すぞ」と脅しているのだ。
ところが、岸田政権は「相手がそんなに怖がっている」とは露ほども思わず、遺憾砲を放つだけだ。脅威認識のズレが、相手の出方に対する誤解を生んで、思わぬ危機を招きかねない。いまは、そんな危うい局面なのだ。
ロシアによるウクライナ侵攻は、ウラジーミル・プーチン大統領がNATO拡大に大きな脅威を感じていた一方、NATOの側はプーチン氏の恐怖を軽視して、拡大を推し進めたことが、1つの要因になった。
ブリンケン米国務長官が、いち早く安倍元首相の弔問に駆けつけたのも、「岸田政権の危うさ」を感じとって、「日本の後ろには米国がいるんだぞ」と中露に示す狙いがあった、とみるべきだ。同時に、「日本はもっと、シャンとしろ」と激を飛ばす意味もあったに違いない。
日本の救いは、岸信夫防衛相が、ロイド・オースティン米国防長官と緊密に連携している点だ。近い将来の内閣改造で、もしも岸氏が外されるような事態になれば、いよいよ日本は危うくなる。
■長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ) ジャーナリスト。1953年、千葉県生まれ。慶大経済卒、ジョンズホプキンス大学大学院(SAIS)修了。政治や経済、外交・安全保障の問題について、独自情報に基づく解説に定評がある。政府の規制改革会議委員などの公職も務めた。著書『日本国の正体 政治家・官僚・メディア―本当の権力者は誰か』(講談社)で山本七平賞受賞。ユーチューブで「長谷川幸洋と高橋洋一のNEWSチャンネル」配信中。
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自民・高市氏、「安倍氏の遺志引き継ぐ」日台関係強化に意欲
7/24(日) 15:34配信/産経新聞WEB版
自民党の高市早苗政調会長は24日、東京都内で講演し、日台関係に関し「安倍晋三元首相なくして、現在の日台関係なしと思う。安倍氏のご遺志を多くの同志議員とともにしっかりと引き継いで、台湾と一層強固な関係を構築したい」と述べた。
今年は日本が1972(昭和47)年に中国と国交を樹立し、台湾と断交してから50年目の節目にあたる。高市氏は「日台は断交後も親密な関係を保ち、むしろ絆は一層強固になりつつある」との認識を示した。
その上で、高市氏は「自民党の政調会としても(台湾との)友情に加えて、政策面でも連携を強めていかなければ互いに守り合えないと強く意識している」と説明。2020年に反政府的言論を取り締まる香港国家安全維持法(国安法)が施行され、高度の自治を保障するとされた「一国二制度」が事実上崩壊した香港に言及し、「台湾を第二の香港にしてはいけない」と強調した。
コメント総数;306件
一、台湾が中国化したら
①日本のエネルギー輸送経路が中国に握られる。
②台湾基地化は陸地から戦闘機を飛ばせるようになり、数が圧倒的な中国は沖縄を侵攻しやすくなる。
③沖縄を侵攻することは、九州、本土の侵攻が容易となる。
台湾は絶対死守しなければならない地域であり、台湾と日本に基地が存在する以上、米国の後ろ盾あれば、簡単には侵略できない。そこに豪の海軍が加わったクワッドはほんとに大きなこと。安倍さんが締結した功績は大きい。台湾を他国の出来事として考える日本人が多いことは、ほんとヤバい。日本人が死守するか?しないのかで中国侵攻の出方は大きく変わる。ここは明確に台湾を統一することは許さない。台湾有事は米国含め、日豪の共通有事であり、即日本も参加する意志を示せば、中国は手を引くはずだ!
米中対決で中国はひかない!日台豪含め、G7も共通認識として宣言してほしい!
二、非常に正しい方策だ。
台湾との関係強化は、沖縄の防衛にも直結するだろう。
日米台の更なる強固な関係の構築を強く望む。
高市さんは安倍路線を強く継承することで、今後、女性初の総理大臣への道を切り開いていくだろう。外交での存在感は総理になるための重要な要素なので、この調子で頑張っていただきたい。
三、日本は今のままで他国に攻められた時に自国で国を護る事が出来ません。
憲法改正をするだけでは無く同盟国を増やし抑止力を高めなければ成らない、それには同盟国が侵攻された時は日本もその国を護る為に戦う約束が
無ければ相手の国に信頼されません。
高市さんには期待しますが米国を唯一の同盟国とし自らは護られる中で護ろうとするのではなく、日本の状況を正しく判断し何をしなければならないのか自民党の保守派でまともな人達と連携し考えて頂きたい。
ウクライナの状況で長年中立国だった国が何故早急にNATOへ加入申請したのか考えどんどん手を打たないと危な過ぎます。
安倍元首相が亡くなって自民党がかなり不安です。
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現代の国際的対立軸を東西冷戦期に准えて西側民主主義対東側全体主義(独裁体制)という構図で観る向きが巷間の大勢を占めるが、果たしてそうだろうか? 皇室に繋がる血筋を有する竹田恒泰氏によると、〝民主主義″の語源たる〝(西洋)デモクラシー″とは似て非なる別物なのだとか。
一例として、〝大正デモクラシー″が挙げられる。歴史上の固有名詞という理由だけでなく、決して「大正民主主義」と言い換えられることはない。なぜか? 邦訳された〝民主主義″よりも、限りなく西洋デモクラシー(democracy)に近い運動体だからだ。そもそもデモクラシーの語源は、(王族・貴族が独占する)権力を民衆が奪い取る、という意味らしい。ところが、〝民主主義″にはそういう好戦的語感が消え、リンカーンが発した〝人民の人民による人民のための政治″を指す言葉へ変質している。但し、リンカーンの言った人民に黒人奴隷は含まれていない、奴隷制を知らない我ら日本人の思考から欠落した西洋思想のウラの部分である。
従い、自分は民主主義対全体主義論に与しない。本を糺せば、民主主義(democracy)も全体主義(totakitarianism)も西洋思想だからだ、我らには西洋白人が逆立ちしても理解不能な『記紀』がある。即ち、『古事記』由来のシラスとウシハクである。
【シラス】-知らす・治らす・統らす-
万物(人類含む)を自然界全体の共有物とする考え方
【ウシハク】-主履く-
万物(人類含む)を主(あるじ=支配者)の所有物(私有物)とする考え方
シラス・ウシハク思想に照らすと、我国を除き、大半の外国がウシハクに属する。その典型が特亜三国(中国・北朝鮮・韓国)なのだ。西洋思想の根幹を成す基督教圏欧米列強国も同類である。強いてシラスを理解する国があるとすれば、台湾であり、パラオかもしれない。皮肉にも戦前は日本統治下にあった国である。パラオに至っては、ドイツ→日本→米国の支配を受けて現在独立しているが、未だに日本信奉者が多い親日国である。第5代(在位1993-2001年)大統領クニオ・ナカムラ(中村國雄)氏は、その名の通り日系二世である。
シラス・ウシハクなどと、たいそう小難しい思想に感じるかもしれないが、単純化すると意外に分かり易い。シラスが「利他=公(おほやけ)」思想とすれば、ウシハクは究極の「利己=私(わたくし)=欲得」思想である。実は、基督教(新約聖書)も仏教(釈迦牟尼)も、ともに「利他」を説いた宗教であることに着目すべきだろう。敬虔なクリスチャンほど反戦論者が多いし、仏教の根幹には殺生への禁忌があるのもそのためだ。
欧米諸国の間に我国に対する関心が深まっているのは、単なる物見遊山からではない。本来、神仏しか具備し得ない高邁な利他精神を、一般庶民でさえ普通に備えていることに対する驚愕と畏怖である。徐々にではあるが、我国の気高き国民性が理解され、共感を呼び覚ましつつある。
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