安倍氏死去/頼副総統、安倍元首相の弔問で訪日
=断交後最高位/台湾
7/11(月) 16:52配信/フォーカス台湾(中央通訊社)日本語版
(東京中央社)頼清德(らいせいとく)副総統が11日、安倍晋三元首相の死去を受け、弔問のために訪日した。台湾から日本を訪れる当局者としては、1972年に中華民国(台湾)と日本が断交して以来、最高位となる。
与党・民進党の郭国文(かくこくぶん)立法委員(国会議員)が明らかにした。郭氏によれば、頼氏は蔡英文(さいえいぶん)総統の命を受けて訪日した。
総統府の張惇涵(ちょうじゅんかん)報道官は同日、頼氏は安倍氏やその親族と長年来の友人だと説明。安倍氏の遺族を尊重し、総統府としては頼氏の関連のスケジュールについてコメントや説明はしないと述べた。
日本側は頼氏の訪日について、私人としての訪問だとしている。
頼氏は12日に都内で行われる葬儀に出席する予定。
(葉素萍、温貴香/編集:名切千絵)
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・野嶋剛(ジャーナリスト/作家/大東文化大学特任教授)
今年は日台断交50年という節目。私人というステイタスとはいえ、副総統の訪日実現は台湾にとって大きなブレークスルーであり、訪日を受け入れた日本政府の決定を評価したい。ただ、安倍元首相の弔問という理由での訪日実現というのはなんとも残念なところだ。私の知り得たところでは、日本側が頼清徳副総統の訪日にゴーサインを出したのは昨晩遅く。頼副総統と個人的関係があった安倍元首相の家族の希望、安倍元首相の死去に格別に哀悼の意を示している台湾への感謝、近年非常に良好な日台関係への配慮など、いろいろな要素を検討し、異例の訪日を受け入れることになったようだ。中国も抗議はするだろうが、弔問という理由もあり、そこまで強くは言えないだろう。頼副総統は次の台湾総統の最有力候補。この機会にさらに日本側も関係を深めておく意義も大きいはずだ。
イ.日台「断交」後、最も高位の台湾政治家の訪日だろう。しかも、ポスト蔡総統と注目される人物であり、この機に日本の政界と強いパイプを構築してほしい。安倍氏自身も日台関係強化にもっとも尽力した方であった。
この日本政府による頼副総統の来日許可は、政府首脳による政治的判断に違いない。その点で、選挙への影響を考えたのだろう。岸田内閣も多少は気骨ある判断であったとみて良いだろう。
ロ.台湾では藍緑関係なく、矢継ぎ早に次々と要人からの追悼コメントが出され、立派な献花台はもちろんのこと、大きな追悼メッセージボードが市民の感謝の言葉で既に埋め尽くされており、その上からさらにたくさん付箋が貼られている状況。
こういう時の行動の速さ。ひとまず検討してから、落ち着いてから、手順を踏んでから、必要な事務手続きとか、そんなこと考える前にまず人の為にダイレクトに行動を起こす台湾の人々。
これまで個人的にも台湾人と様々な付き合いがありますが、今の日本人は彼らに学ぶことがあり過ぎるとつくづく思う。
ハ.日本は今回の選挙で躍進した自民、維新連合で先ずは中露北に対して有事の際には断固闘うと宣言しつつ、日本の領土の維持回復には武力を持って当たる可能性を見せつけないと舐められる。
余計な血を流す必要は無いが、憲法で自国領の防衛奪還の為には自衛隊の出動を正当化すれば周辺諸国の嘲りも減るし、無駄なスクランブルも減って装備や国庫、隊員達にも優しくて素晴らしいと思うんですが。
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外国要人の来日、弔問相次ぐ 安倍氏死去で通夜、自宅に
7/11(月) 22:09配信/KYODO(共同通信社)WEB版
銃撃事件で死去した安倍晋三元首相の通夜が営まれた11日、外国要人による来日と弔問の動きが相次いだ。ブリンケン米国務長官は同日午前、岸田文雄首相を官邸に表敬訪問し、安倍氏への弔意を伝達。日本政府関係者によると、バイデン米大統領から安倍氏の遺族に宛てた手紙が事務方を通じて遺族に渡された。
台湾メディアによると、台湾の頼清徳副総統は11日、安倍氏の自宅を訪れた。1972年の日台断交後、現職の副総統が訪日するのは85年の故李登輝副総統(当時)が台湾への帰途に立ち寄って以来で最高位と並ぶ。
トランプ前米大統領は10日までに、葬儀参列を検討していると明らかにした。
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・石川智久(日本綜合研究所上席主任研究員)
ある経済学者によると、日本は最近、TPPのように自らルールを作り出せる国になったと指摘しています。日本は明治以来、海外のルールに振り回されることが多く、ルール作りに乗り出せませんでしたが、安倍外交においてはルールを生み出す国に変貌できました。G7やG20においても、首相が頻繁に変わる時代は日本の存在感は小さかったですが、安倍総理時代は存在感を発揮していました。このような記事をみても安倍外交は歴史的な意義が大きかったと言えるでしょう。また、アベノミクスは世界のエコノミストも認識する言葉でもありました。世界的な流行語を生み出したという点でも稀有な存在であったと思います。改めてご冥福をお祈り致します。
一、これだけ世界の首脳達から哀悼の意を表されそして要人達が来日して直接最期の別れを告げトランプに至っては来日して参列を検討していると言う。日本は本当に世界に冠たる大政治家を失ったんだなと痛感する、そしてこれだけの大宰相は今後現れないんだろうなと言う思いが強烈にする。さぞや無念の死であったろうと思う。安倍さんの遺志を岸田さんを始めとする岸田内閣、そして与党の方々は決して無にしないで欲しい。
二、安倍さんの全ての政策に全日本国民が賛成する事など有り得ないだろう。安倍さん以外の総理もこれからも同じだと思う。
ただ言える事は、少なくとも考えられる未来に日本が平和で安定、安心な国で有り続ける事を目指して、安倍さんは外交を進めてくれたんだな…と素直に思う。世界と言わなくても、関連する地域の平和も念頭に置いていたからこそ、これだけ認められ、各国の要人から信頼されたんだと思う。
森友…色々有ったのも事実かもしれないが、圧倒的に良い影響の方が多かった。安倍さんの海外での姿は、日本人にとって誇らしかった。日本にとって大事な人を失ったと思う。せめて後10年、道筋が出来るまで政界で影響力を発揮して欲しかった。
お会いした事はないが、何となく安心感を与えてくれ、日本人として自信を持たせて貰っていたんだな…と思う。
心からの感謝と、ご冥福をお祈りします。
三、各国の反応、ならびに素早い要職の方々の派遣を鑑みるに、外交面で安倍氏が作り上げたものは、なかなか大きかったのだと、今さらながら感じさせられます。「支援団体を引き連れて世界中を訪問し、国民の血税をばらまいた結果を日本に大きく貢献したと言うなら、もっと良い税金の使い方があったんじゃないか」などと言う人もあるようですが、お金だけの関係ではこうなることはまずないでしょう。現職の宰相ではないのですから。台湾の頼清徳副総統が、蔡英文総統から直接の命を受け、弔問のためお見えになりました。中華民国との断交以降で最高位の方、しかもナンバー2の地位に収まり、次期総統との呼び声が高い頼副総統が見えられたということで、こんなときにこう言ってはなんですが、ある意味で「既成事実化」を推し進めても構わないのでは、と思います。
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卑劣な凶弾に倒れた安倍元総理だが、〝敗戦国(=悪い国)″とのレッテル貼りされた所謂「戦後レジーム(GHQによる自虐史観)」からの脱却のきっかけになるかもしれない。安倍氏は、祖父岸信介以来の親台派と見做されてきた。だが、終戦直後の混乱期とは国際情勢が大きく異なる。
終戦直後、日本軍の武装解除を名目に日本領台湾に進駐した中国国民党軍が、国共内戦に敗れて台湾に逃れた蒋介石が亡命政府(中華民国)を宣言したのが昭和24年(1949年)である。国際法上、当時の台湾は未だ日本領。つまり台湾が蒋介石ら中国国民党に乗っ取られたわけだ。岸元総理の頃(昭和30年代)は、昭和27年のサンフランシスコ講和条約で帰属先未定のまま台湾の領有権を放棄させられていた。依って、岸元総理は親台派というより、その実〝親中(中華民国を指す)派″だったのだ。米国をはじめ多くの西側諸国が「中国」として中華人民共和国ではなく、未だ日本領だった台湾を盗んだ中華民国(蒋介石中国国民党政権)を承認していた国際事情にもよる。因みに、中学生時分(昭和35~38年)の社会科地図帳を憶えているが、大陸側は「中共(中華人民共和国)=国家として未承認」、台湾側は「国府(中華民国)=実質的な「中国」を意味していた」と表記されていた。
安倍元総理の場合、もっと踏み込んだ真の親台派と言える。台湾の現政権は本来ならば外国人でしかない戦後渡来した中国国民党関係者(=中国人)ではなく、土着政党たる民主進歩党(=台湾人)が奪還している。つまり、安倍元総理が描く未来像は〝台湾人による台湾人のための政治(民族自決の原則)″であろうことは想像に難くない。現代日台国民レベルは、互助互恵・共存共栄を旨とする堅い「絆」で結ばれている。
どうでもいいけど、【絆】を訓読み(大和言葉)すると〝きずな″だが、音読み〝ハン・バン″だと「繋ぎ止める」という意味を持つ。即ち、漢詩に出て来る【羈絆(きはん)】は、「足手まとい」とか「足枷」といった意味になり、我国での遣われ方とは真逆の意味になる。
戦闘には負けたものの、欧米列強植民地からのアジア解放を大義名分にした大東亜戦争(アメリカ側から観た「太平洋戦争」ではない)は、戦後まもなく、殆どのアジア諸国(日本統治から解放された南北朝鮮を含む)が独立(民族自決)を果たしている。この事実から、実質的に勝利したのは欧米列強ではなく、我が日本であることが御理解いただけよう。
この流れに逆らっているのが、チベット・東トルキスタン(ウイグル)・南モンゴル・満洲を盗んだ中国共産党と台湾を盗んだ中国国民党であり、北方領土を盗んだロシア(旧ソ連)であり日本人を拉致して還さない北朝鮮であり、竹島を盗んだ韓国なのである。
【大東亜共栄圏】
大東亜戦争を背景に、第2次近衛内閣(1940年)から終戦(1945年)まで唱えられた日本の共存共栄・互助互恵を目的とする対アジア政策構想である。〝八紘爲宇″はそのスローガン。
参加国・・・満洲国・中華民国(汪兆銘南京政府)・フランス領インドシナ(現ベトナム・ラオス・カンボジア)・タイ・イギリス領ビルマ(現ミャンマー)・イギリス領マラヤ(現マレーシア・シンガポール・ブルネイ)・オランダ領東インド(現インドネシア・東チモール)・フィリピン・イギリス領インド(現インド・パキスタン・スリランカ・バングラディッシュ)
【八紘爲宇】
「天下を一つの家のようにすること」、「全世界を一つの家にすること」を意味する語句であり、「天皇総帝論」、「唯一の思想的原動力」等ともいう。『日本書紀』の「八紘(あめのした)を掩(おお)ひて宇(いえ)にせむ」を、全世界を一つの家のようにすると解釈したもの。
安倍元総理が提唱した〝自由で開かれたインド太平洋構想″を、恰も単なる対中包囲網であるかの如く矮小化して捉える向きが多いが、戦中の「大東亜共栄圏構想」に匹敵する壮大なビジョンだったのではないかと思う。当然ながら、戦中の構想にはなかった台湾や太平洋島嶼国が含まれるし、中共に盗まれたチベット・ウイグル・南モンゴル・満洲や英国との約束を反故にされた香港の解放も視野にあったことは間違いあるまい。
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