【全文】岸田文雄新総裁があいさつ
選挙見据え団結呼びかける
2021年9月29日 18時07分配信/大紀元時報日本語版
29日、自民党総裁選で自民党の新しい総裁として選出された岸田文雄氏は当選後、会場であいさつを行った。その中では、コロナ禍において政府を率いた菅義偉首相を慰労し、ともに総裁選で競い合った3候補の健闘をたたえた。そして間近に控える衆議院選挙と来年夏に予定されている参議院選挙を見据え、自民党として一致団結して臨まなければならないと強調した。
ただいま自由民主党総裁に選出を頂きました岸田文雄でございます。
まずこの総裁選挙にあたり、全国の党員・党友の皆様、そして全国の党組織の皆様方、また、党本部の職員の皆様に心から御礼を申し上げたいと存じます。
コロナ禍において、自民党総裁選挙、この大切な選挙を行うことができたこと、本当に多くの皆様のご努力があったことと存じます。心から感謝を申し上げます。
そして、ともに総裁選挙を戦っていただきました河野太郎さん、高市早苗さん、野田聖子さん。この三人の総裁候補の皆さん、そしてそれぞれの総裁候補を支えられたそれぞれのチームの皆さん。皆さんのおかげで、大変有意義な政策論争をすることができました。皆様のご努力に心から敬意を表し申し上げたいと思います。
そして、なによりもコロナ禍の中、コロナ対策をはじめ、様々の我が国の難題・課題に対して、最前線でご努力を続けられてきた菅総理総裁に心から感謝と敬意を表し上げたいと存じます。誠にありがとうございました。
私は今からひと月ほど前、8月26日、総裁選挙に立候補を表明致しました。多くの国民の皆さんが、政治に国民の声が届かない、あるいは政治が信じられない、そうした切実な声を挙げておられました。
私は、今や我が国の民主主義の危機にある、こうした強い危機感を感じ、わが身をかえりみず、誰よりも早く総裁選挙に立候補表明させていただきました。
総裁候補それぞれが、国民の皆さんに寄り添って、国民の声に耳を澄まし、建設的な政策論争を行うことによって、自民党が国民政党であり、国民にしっかり向き合い、自由活発な政党であると示すことができたと考えています。
私たちはこれから衆議院総選挙、参議院選挙に臨んでいかなければなりません。私たちは生まれ変わった自民党をしっかり国民の皆さんに示し、支持を訴えていかなければなりません。
総裁選挙は終わりました。ノーサイドです。全員野球で自民党が一丸となって、衆議院選挙そして参議院選挙に臨んでいこうではありませんか。
足元においては、引き続き我が国の国難が続きます。コロナ対策、必死の覚悟で努力を続けていかなければいけません。また、数十兆規模の経済対策、年末までにしっかりと作り上げなければいけません。そしてその先には、新しい資本主義、自由で開かれたインド太平洋の実現、少子化対策など、わが国の未来に関わる、重要な課題が山積しています。
私は早速、今日から全力で走り始めます。全国の党員の皆さん、そして国会議員の皆さん、ぜひ一緒に走っていただきたいと思います。
岸田文雄の特技は、人の話をしっかり聞くことであります。ぜひ皆さんと一緒に、開かれた自民党、そして明るい日本の未来を目指して努力をする覚悟であります。
皆様のご指導とお力添え、心からお願い申し上げましてごあいさつとさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
(王文亮)
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橋下徹氏 選挙での岸田新総裁誕生に
「日本に住んでいて本当に良かった」
9/30(木) 10:06配信/デイリースポーツWEB版
元大阪市長で弁護士の橋下徹氏が30日、フジテレビ系「めざまし8」で、自民党総裁選で岸田文雄氏が当選したことに「こういう形で権力が作られることに、日本に住んでいて本当に良かったと思える」としみじみ語った。
番組では前日に行われた自民党総裁選の模様を伝えた。岸田氏は1回目の投票から1位となり、決選投票では河野太郎氏を大きく突き放し、総裁に選出された。
自民党議員、党員、党友による選挙で選ばれた岸田新総裁の誕生の風景に、橋下氏は「こういう形で権力が作られることに、日本に住んでいて本当に良かったと思う」としみじみ。「地域や時代によっては内戦状態で、国民の命がどんどん奪われて権力が作られるところがある」とも語り、選挙での選出に「日本は民主的な国家だなと思った」と改めて感じ入った。
自民党員、議員が岸田氏を選んだことには「自民党員は安定を求められた」ともコメント。「僕みたいにひっちゃかめっちゃかやるタイプは、一時期、ある状態では選ばれるかもしれないが、国民全体が次の衆議院選挙でどちらを選ぶかにも注目している」と語っていた。
コメント総数;206
一、見出しがちょっとニュアンス違いだな。岸田氏の総裁選出に良かったと言っているのではなく、選出過程がオープンで、党員以外も関心を持ち、総選挙にも参考になり、総理大臣と言うトップを選んでいく過程が国民注視のもと行われ、武器により制圧されるような国家ではなく、日本に住んでいて良かったということで、それは私も良かったと思います。
二、昨日から今日にかけて、日本のどこにも選挙をめぐるデモ、破壊活動など、暴力行為が無い。確かに政権交代がこんなに平和に行われるのは日本くらいだ。野党が暴言を吐いてるがそれは民主主義の表れだし。
三、数年前、地方選挙や国政選挙が続けてあった時に「また選挙かよ」と呟いたら、隣の中国人の同僚から「選挙あるだけいいじゃないか」と返された。面倒だなと思う時もあるが、民主的な選挙権が当たり前にあることは、世界的には当たり前ではないということを気付かされました。
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大紀元時報は、法輪功系亡命中国人が運営するニュースサイトで、日本を含む世界各地にネットワークを持つ。当然ながら、反中国共産党色が鮮明である。岸田自民党新総裁の挨拶を、そのまま起こしただけのジャーナルなので、そうした政治色はない。ただ、見出しに「団結」という岸田氏当人が用ゐていない左翼用語を遣っているところが如何にも元中国人(?)らしい。日本人なら「力を合わせて」とか「結束して」とか別の表現がある。コメント「一」の指摘通り、デイリースポーツの見出しも酷い。
さて、自分は、「世の中は役割分担」というのが持論である。それを端的に言い表しているのが、戦前の国語読本教科書(朝鮮総督府)である。
■ 第十四課 胃の腑と身體
或る時、手・足・目・口・耳などが不平を起こし、一同申し合わせて、胃の腑に向って、
「吾々は毎日忙しく働いて、お前に食物を送ってやるのに、
お前は何もしないで、ただすわって食べてばかり居て、吾々
に何一つ役に立つことをしてくれない。あまりばかばかしい
から、吾々は一同申し合わせて、今日から働かないことにし
た。そう承知してもらいたい。」
と言いました。
それからして後は、皆が何もしません。耳は食事の知らせを聞いても、聞かぬ風をして居るし、目は食物を見ても、見ぬふりをして居ます。手も食物を口に入れないし、足も食物をする場所え行きません。
こんなにして二三日たつと、耳は鳴り始める、目は暗む、手足は動けなくなる、皮膚の色まで青ざめて來て、身體は全く衰えました。そこで胃の腑は、一同に向って、次の樣に言いました。
「皆さんは、私がたゞすわって食べて居ると思うが、それは
まちがいです。私は食物を消化する役目を務めて居るのです。
若し私が食物を消化しなかったならば、此の體を養う血は、
どうして出來ましょうか。
皆さんは私を苦しめようと思って、此の程は少しも食物を送っ
てくれない。それだから新しい血が出來ないで、體が弱り、
皆さんは、却って、そんなに自分で苦しんで居るのです。
これで皆さんも、考えちがいをして居たことが分ったでし
ょう。皆さんは、私に食物を送るために、働いたに相違ない
が、私も亦、皆さんを養うために、働いて居たのです。これ
からは互に助け合って、睦しく暮らしたい。世の中はすべて
相持です。」
之を聞いて、手足などは皆一同になるほどと感心して、それからは不平を起さないようになりました。
(「朝鮮総督府の教育(9)」:2009年1月16日付記事より)
世の中(社会)の仕組も、この喩え話とそっくり同じになっている。大袈裟に言えば国際社会も同様である。要するに、人類全体が世の中を支えているのであって、国家や組織のトップだけが動かしているわけではない。そういう意味で、自民党新総裁に就任した岸田文雄氏は、典型的な意見調整タイプと推察する。とかくリーダーシップ云々が取り沙汰されるが、人間はみんな集団生活を営んでいる以上、総てはチームプレーなのだ。
名監督・コーチが率いるチームといえども、全試合勝てるわけがない。プレーするのは選手だからだ。しかも、失策すれば、ケガもする。如何に優秀な教師に学ぼうと、生徒がみんな成功するとは限らない。自分は、リーダーシップ(統率力)の根幹は、頼れる存在か否かに尽きると思う。『攻撃は最大の防御なり』という言葉があるが、平世は守りでもいいが、乱世は攻めるリーダーでなくては務まらないと思っている。
『葉隠聞書』には、三種の神器に准えて、
知=人の話をよく聞く
仁=人が望むことをしてやる
勇=歯を食いしばって我慢する
とある。岸田新総裁の言葉から、「知」と「仁」は具備されていると観る。疑問符が付くのが「勇」である。岸田派(宏池会)は御公家集団と揶揄されるように育ちが良い分、雑草のような打たれ強さに欠けるのではないか。少なくとも攻めるタイプではない。攻撃型なら、河野太郎候補、高市早苗候補がこれに当たる。総理になったらおのれの欠点を補う意味で、こういう人材を重要ポストに就けて、攻めの布陣を敷いてもらいたいものだ。まあ、無理だろうなあ、気が弱そうだから。
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