以前、CS放送(チャンネル銀河)の児童劇『中国古典名作選』(中国/2017~18年)を話題にしたことがある。「三国志」「水滸伝」「紅楼夢」「包青天」の四大古典を子役が演じているわけだが、最後の『包青天』のエンディングテーマだけが、初見のはずにも拘わらず何故か聴き憶えがある。妙に思って調べてみたら、意外な事実が判明した。
つまり、オリジナルは台湾のテレビドラマで、上記児童劇はそのパクリなのだ。尤も、我国では無名に等しいが、華字圏で『包青天(包丞)』と言えば、知らぬ人がないほど超有名な歴史上(北宋時代)の人物である。要するに、賄賂社会の支那(現中国)に於いて、清廉潔白で常に庶民(弱者)に味方する判官とあっては、人心を集めないほうがおかしい。
中華電視台(台湾)時代劇『包青天』(1993年)
片尾曲(エンディングソング)『新鴛鴦胡蝶夢』
作詞・作曲・主唱/黄安
昨日像那東流水(昨日は流水のように)
離我遠去不可留(遠ざかり留まらない)
今日乱我心多煩憂(今日は我が心を乱し悩ます)
抽刀断水水更流(流水を切ろうと刀を抜けど、水はさらに流れる)
挙杯消愁愁更愁(愁いを消そうと杯をくめど、愁いはさらに増す)
明朝清風四飄流(明朝清風四飄流)
由来只有新人笑(新しい者の笑い声だけが聞こえる)
有誰聴到旧人哭(古い者の泣き声など誰が知るだろう)
愛情両個字好辛苦(愛情という二文字はつらいもの)
是要問一個明白(はっきり問うべきだろうか)
還是要装作糊塗(あるいは愚か者を装うべきだろうか)
知多知少難知足(どれほど知っても満ちたりることはない)
看似個鴛鴦蝴蝶(鴛鴦胡蝶のような)
不応該的年代(あってはならない時代)
可是誰又能擺脱(でも誰が免れ得るだろうか)
人世間的悲哀(人の世にあることの悲しみを)
花花世界鴛鴦蝴蝶(花花世界鴛鴦胡蝶)
在人間已是癲(この世に住むは既に狂気の沙汰)
何苦要上青天(何故ことさらに空へ上ろうとするのか)
不如温柔同眠(優しい人と暮らすに如かず)
引用元URL→http://asiatique.cocolog-nifty.com/world_music/2014/05/post-7858.html
当該ドラマを台湾旅行中に視たような気もするが、歌の記憶は、土産に買った費玉清(フェイ・ユイチン)CDのお蔭だ。チャイナメロディが異国情緒を弥増す名曲と言えよう。費さんはこうした大陸風味の歌を得意とし、オリジナルの黄安より余程好きである。
費玉清《新鴛鴦蝴蝶夢》official Lyric Video
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