一般に「懐メロ」と呼ばれる所以は、久しく耳にしなかった当該曲がおのれの記憶を甦らせ、懐かしい感情を呼び覚ますからであろう。しかし、曲自体が懐かしいわけでもないのに、聴く者をして過ぎ去りし頃へと遡らせてくれる歌もある。
個人的な思い込みで恐縮だが、一つは中島みゆき『時代』、もう一つが井上陽水『少年時代』。ともにシンガーソングライターの自作自演であるところが興味深い。どうでもいいけど、本稿執筆に当たって、「時代」をネット検索してみたところ、目的外の韓国アイドルグループ“少女時代”が上位を独占してしまう。まったく、迷惑なこと甚だしい。
本題に無関係な *ご参考*
デビュー曲『다시만난세계(また巡り逢えた世界)』(2007年)
by 소녀시대(少女時代)
う~む、歌は学芸会レベルだし、私奴好みとは対極にある感じですなぁ。いったい何処が好くて、アジア圏限定ながら人気を博すのだろう。メンバー中、윤아(ユナ)さん=四番目に歌う人=だけは、韓流ドラマ『シンデレラマン』(2009年)に出演していたから、まんざら知らないわけじゃないけれど・・・。
本題に戻って、まずは『時代』から。'75年(昭和50年)の曲だが、リアルタイムで聴いたとの記憶はない。この曲を知ったのは、某テレビ番組のBGMに使われていたから。今となっては、番組名すら忘却してしまったので調べようがなく、時期を特定できずにもどかしい。憶えているのは、関口宏司会で、戦前の古い写真と現在(当時)の様子を対照する内容だった。歌のないメロディだけのBGMだったが、曲名が知りたくて調べてみたはず。
時代(1975年)
by 中島みゆき
試聴サイト(同一音源を含む8種バージョンあり)
シンガーソングライターなのだから、三段目のギター弾き語り版こそオリジナルなのだろう。シンプル・イズ・ベスト。虚飾を排したサウンドがしみじみとした情感を醸しだし、聴く者の心に迫り来る。でも個人的には、二段目のフルオーケストラ伴奏版が件の放送BGMに最も近く(と言っても別物だが)、その意味で気に入っている。
続く『少年時代』は、'90年(平成2年)の曲。最新ヒット曲には興味をなくし、既に「懐メロ」に奔っていた頃なので、“流行歌”としての関心はまったくなかった。が、この曲も懐古番組でよく用いられるため、その方面から知った次第。
少年時代(1990年)
by 井上陽水
同世代の同県人という誼はあるものの、曲自体を別にして私奴の趣味に必ずしも適合するわけではない。今の今まで知らなかったが、藤子不二雄の漫画を原作とする映画『少年時代』(1990年)の主題歌なのだとか。
*ご参考*
映画『少年時代』予告篇
ところで、BS-NHKで原田知世主演『時をかける少女』(1983年)を放送していたので録画しておいた。宣伝効果もあって映画も主題歌も大ヒットしたが、映画自体は長らく未見だった。人気作品とみえて、映画、テレビ、漫画にと、たびたびリメイクされており、自分は内田有紀主演のフジテレビ版(1994年)を視た記憶がある。SF(サイエンスフィクション)物お得意の過去と未来を駆け巡る物語である。
*ご参考*
時をかける少女(1983年)
by 原田知世
うへぇ~。失礼ながら、こんな下手クソな歌い方で、よくもヒットしたものだと思う。まぁ、ファンにとっては、そこが却って初々しく映り、堪らなく愛おしく感じるのでしょうね。
【追記】
件の《番組名》が判明
テレビあっとランダム(1984~90年)の「らんだむ写真館」コーナー
コメント