東京五輪が開催された年。かといって、それと結びついて記憶しているポピュラー曲はない。強いて挙げれば、『東京五輪音頭』(三波春夫)と『東京の灯よいつまでも』(新川二朗)ぐらいかな。しかし、両方とも歌謡曲だし、前者は前年(昭和38年)のヒット曲ですからねぇ。
☆ ブルージーンと皮ジャンパー by 内田裕也(昭和39年)
ネット上に音源なし。
☆ オリジナル盤
En Blue Jeans Et Blouson D'Cuir by Salvatore Adamo
日本でのみ流行った曲。内田裕也は何度も警察沙汰の事件を起こしたりしてダーティなイメージがあるが、ロカビリー後のグループサウンズブームに火を点けた一人である。この曲が日本でのみヒットした理由の一端は、彼に因るところが大きいかも知れない。実際、自作曲を歌うアダモという人、当時歌手としては本拠地欧州での注目度は今ひとつ。なぜか日本での人気ばかりが先行していたように思う。
☆ サン・トワ・マミー by 越路吹雪(昭和39年)
☆ オリジナル盤
Sans toi ma mie by Salvatore Adamo(昭和38年)
日本シャンソン界の大御所越路吹雪姐御は、宝塚歌劇団の男役で生らした人。そのせいもあってかドスの効いた(?)歌声が、美空ひばりとは別の意味で、大物歌手の雰囲気を醸し出していた。この曲は姉御がオリジナルではないかと錯覚するほど、原作者のアダモを喰ってしまっている。
☆ 花はどこへ行った by 園まり(昭和39年)
花はどこへ行った 園まり 投稿者 showauploader3000
☆ オリジナル盤
Where have all the flowers gone by Pete Seeger(昭和31年)
Where have all the flowers gone by PPM(昭和37年)
昭和31年に作者ピート・シーガー自身が録音した盤がオリジナルだが、日本で知られるようになったのは、ピーター、ポール&マリー盤によって。「反戦歌」として日本では、ベトナム戦争反対運動や後の学園紛争時によく歌われた。
「反戦歌」の性格上、日本語カバー盤はフォーククルセダーズやザ・リガニーズ盤のほうが有名だし、園まり盤は特異な存在とも言えるが、件のフジテレビ『ザヒットパレード』の番組で歌う姿を目撃(?)している。そういえば、BSフジで放送中の『鬼平犯科帳'80(萬屋錦之介版)』の“掻堀のおけい”役を演じていた。この歌声から16年後の映像ということになるが、すっかりイメージが壊れてしまった。
☆ ロシアより愛をこめて by 鹿内タカシ(昭和39年)
ネット上に音源なし。
☆ オリジナル盤
From Russia with Love by Matt Monro(昭和38年)
昭和39年4月日本公開の映画『007危機一発』の主題歌。邦題を本来の“一髪”でなく、音(おん)に引っかけて銃弾の“一発”としたところがミソ。確かこれは、鹿内タカシ(孝)のデビュー曲だったと思う。奇縁というか、この人も『鬼平犯科帳'80』の第12作“さむらい松五郎”に出ていた。
☆ 砂に消えた涙 by 弘田三枝子(昭和39年)
☆ オリジナル盤
Un Buco Nella Sabbia by Mina(昭和39年)
歌そのものより、伴奏が気に入っていた曲。今聴くと、何だかサウンドが違うみたい。おそらく、原因はステレオ録音にあるのかもしれない。当時レコード盤は所有しておらず、主として耳にしていたのがモノラル音声のテレビやラジオだったから。
* ご参考 *
コメント