単に部品を組み合わせただけの安易な韓流ドラマは、どれもこれも似たような三流作品ばかりで、もういい加減に飽きた。ここへ来て、『ショムニ』『イタズラなKiss』『王様の家』といった新しい日本のドラマも視るようになって感じるのは、映像技術面はともかく、物語内容において歴然たる差があるということ。
『イタズラなKiss』は、多田かおるの少女漫画が原作で、未見なるも台湾や韓国でもリメイクされているらしい。他の二作品が説教調の大人向けドラマとすれば、こちらは未成年、とりわけ少女向けということになろう。それでも、「近頃の若いヤツらは」と思いつつも、ジジイの私奴が視ても、いちおう観賞に堪えうる。想像するに、世代は違えどどこか共感できるところがあるからだろう。
その点、韓流ドラマは実に“えげつない”。総じてバイオレンス(暴力)に満ち溢れている。時代劇では決まって拷問シーンが登場するし、現代劇だと女を巡る男同士の殴り合い、男を奪い合う女同士の頭髪毟りに張り手の応酬といったありさま。とにかく、禽獣同然のプリミティブなシーンの連続に、つい目を背けたくなってしまう。
ところが、音楽となると話は別である。『王様の家』の主題歌を歌っているのは今時の男性歌手と思いきや、何と和田アキ子だった。韓流の場合、囁き甘え媚びるような歌声が苦手な自分は、クラシック調の純音樂風楽曲を好む。韓国人演奏家と言えば、バイオリンの鄭京和(チョン・キョンファ)、指揮者の鄭明勲(チョン・ミョンフン)姉弟が居る。
韓流ドラマ見始めの頃、《황금사과(黄金のりんご)》(KBS-TV 2005年)というのがあった。物語自体はかなり陰惨で、濡れ衣を着せられ獄死した父親の冤罪を晴らすため、姉弟+養妹の四人が周囲の蔑みに耐えながら助け合って生きるという内容。
とにかく、歌よりも器楽演奏が素晴らしかった。
☆ 22.Main Title
タイトルバックに流れる曲。
☆ 01.꿈꾸는 카사비앙카(夢見るカサビアンカ)
エンディング曲。パク・ソルミ演じる主人公金京淑(キム・ギョンスク)の事実上の主題歌。
☆ 06.들꽃소녀(野花の少女)
☆ 08.들꽃소녀-String Ver.
☆ 13.들꽃소녀-Violin Ver.
☆ 16.들꽃소녀-Bell Ver.
歌よりも器楽演奏版のほうが好み。イ・イネが演じるホンヨンをイメージした曲か。
☆ 09.어린시절(子供の頃)-String Ver.
☆ 15.어린시절-Violin Ver.
逆境にめげず明るくふるまう子供たちの映像にマッチしていて、好きですねえこの曲。
☆ 12.마지막 잎새(最後の一葉)
子供の頃を回想するシーンに使われていた。
☆ 19.그대 떠난 후(君去りし後)-Violin Ver.
これもホンヨンに纏わる曲。イ・イネという女優さんは、ホ・ヨンランとどこか通じるものがあって“か弱き女”が似合います。
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