前稿でチラッと触れた『イタズラなKiss』(2013年;BSフジ)は、平日毎朝八時半から連続再放送されている。リタイアしてぐうたらな性格がモロに出て、早起き(?)が辛いので留守録したものを視ている。主題歌は自分の好みとは相容れない今風な曲だが、毎回聴かされるうちに意外にも耳に付いて離れなくなってしまった。
☆ 主題歌『アップデート』 - Sabão(シャボン)
☆ エンド曲『たからもの』 - Tama(Sabão)
Sabão(シャボン)とかいう歌手のことは全く知らなかった。公式サイトを見ると、男女デュオなるも歌うはTamaちゃん(♀)のほうだけで、女性歌手かと思い違いをしていた。歌詞も悪くないが、何より少女っぽさを隠さず歌っているのが好ましい。
多田かおる(♀)の少女漫画が原作のこのドラマ、初出ではない。オリジナル漫画連載中の1999年、作者自身が引っ越し先のテーブルに頭をぶつけて落命しているから、未完の遺作ということになる。1996年、佐藤藍子主演でテレビ朝日が初ドラマ化。作者存命中はこの一作だけ。2005~7年に台湾(惡作劇之吻)で続篇を含めて二作、2010年には韓国(장난스런 키스)でリメイクされており、本作は今年2013年の最新リメイク版である。
その昔(昭和33年)、同じ少女漫画原作の『あんみつ姫』(中原美紗緒主演)というハチャメチャなTVドラマがあったが、お姫様の恋愛などお呼びでなかったように思う。原作こそ違えど少女向けドラマも、時代とともにずいぶん大人びた内容になったものである。
* ご参考 * あんみつ姫 - 中原美紗緒
なお、原作漫画はおろか最新版しか視てないので、比較論評自体に無理があるが、虾米音乐网(しゃみぃいんゆぇわん)で各々のサウンドトラック盤なら聴くことができる。聴き比べてみることにしよう。
☆ 1996年テレビ朝日版『STEADY』 - SPEED
う~む。当時の流行りだったのかも知れないが、詞も曲も完全にアメリカナイズされていて、どうも性に合いませんな。歌ってる女四人組の歌手名ぐらいは辛うじて知ってたけど、最新版に比べてよりラップ風で妙に大人びた歌い方が気に入らず、がっかり。
☆ 台湾版『惡作劇(いたずら)』 - 王蓝茵(わん・らんいん)
伴奏に楊琴など入れて中華風味を出してます。というより、コメディを逸脱したやや翳りある歌い方が、如何にも台湾の歌手らしい。しかも、日本と違って、歌詞に「恋」とか「愛」とかストレートな言葉が出てくる。現代と雖も日本人にとって、こういう直接的表現は恥ずかしくて苦手なようで、実生活でもドラマでも歌詞でも、あまり遣われることはない。せいぜい「好き」の語で代用するのが実態ではなかろうか。
☆ 韓国版『키스해줄래(キスしてくれる?)』 - G.NA(崔智娜)
この韓国版でも사랑해(さらんげ;愛してる)の語が頻出する。有り得ない話だが、時代遅れの自分にとって、こんな積極的な女に言い寄られたら逆に逃げ出したくなってしまう。
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