イヤホン(ヘッドフォン)の聴き比べに熱中していて、1ヶ月以上も更新を怠けてしまった。このままだと今月(3月)のアーカイヴが無くなってしまい、ぐうたらな性格をさらけ出すようで甚だ具合が悪い。姑息なアリバイ作りと誹られようが、とにかく何でもいいから書いておこう。
韓流ドラマはもう飽きた。画一的なテーマとストーリー、様式化された演技など、どれも似たり寄ったりで変わり映えがしない。単に「部品」を取り替えただけとしか思えない三流作品ばかりでは、再度観たくなるようなドラマは皆無に等しく、ちっとも感動しない。とはいえ、好きな出演者もあるから、今なおレンタルDVDやネット配信をこっそり視ている。
御贔屓の一人として、昨年2月23日付と11月2日付の二度にわたってイ・ジェウン(이재은;李在銀)さんを採り上げた。しかし、好対照なホ・ヨンラン(허영란;許英蘭)さんを逸するわけにはいかない。両者の共通点と言えば、今年で33歳の同年齢という以外、失礼ながらどちらも取り立てての美人とは言い難い点ぐらい。前者の魅力が、ウソを言おうが悪態つこうが、何処か憎めない小悪魔的なところとすれば、後者はその対極にあって、朴訥で地味な昔気質の“か弱き女”がよく似合う。“泣かせる女”“助けたくなる女”とも言えよう。
韓流ドラマへの違和感の一つに、“逞しい女”ばかりが登場し過ぎる嫌いがある。歴史的な「男社会」への反動だろうか。それだけに逆説的な言い方になるが、“か弱き女”がほとんど登場しない韓流ドラマでは、ホ・ヨンランさんみたいに地味なタレントほど、却って目立つ。
☆ ホ・ヨンラン(YouTube映像)
服装やロケ地からしてかなり古い映像みたい。韓国語はカタコトしか解せないし、題名も会話の内容も判然としないが、表情や立ち居振る舞いなどから、何が起こったかの想像に難くはない。もっと優しく言えないのかと、つい相手役の男優に突っ込みを入れたくなる。男をしてそう思わせる不思議な力を持った女優ではなかろうか。飽くまでドラマ上のことで、実生活は知らないし興味もないけれど・・・。
そう言えば、以前採り上げた『薯童謡(ソドンヨ)』(2005年SBS-TV)に、百済王族優永公主(ウヨン姫)役で出演していた。ドラマの主人公薯童(ソドン)と新羅王族善花公主(ソンファ姫)との間に割って入る謂わば恋敵役。まあ、悪いけど恵まれたお姫様役は似合わない。それでも、宿敵であるはずの身分卑しきソドンに片思いし、手傷を負いながら彼の官服を手縫いしたり、身の危険を案じて防剣服を贈ったりするところは、乙女心が滲み出て如何にも彼女らしい。それを邪険にする主人公には、本気で腹が立った。
目下、珍しく主役を演じた『ドキドキ My Love』(2011年KBS-TV)を視ている。ラブコメディとの触れ込みだが、「臓器移植」「未婚の母」など、かなり重いテーマである。なお、利益社会(ゲゼルシャフト)と共同体社会(ゲマインシャフト)に見立てると、なかなか面白い。上流層(財閥家族)が利益社会とすれば、庶民層(主人公家族)が共同体社会と言った具合。それで以て、上流層より庶民層を肯定的に描かれている点に注目したい。文化は違えど、何処の国でも「欲得」よりは「人情」なのである。
☆ ドキドキ My Love 予告篇
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