日本は今、台風接近の影響か或いは梅雨時という季節柄のせいか、全国的に雨模様らしい。しかし、当地チェンマイは雨季にも拘らず、ここ二週間ほど雨が降ってない。着いた日の夜と翌5日には激しいスコールに遭ったのがウソのよう。外出の際には用心のため、毎回折りたたみ傘を携行しているが、日傘としてならともかく、女じゃない身には余計なお荷物でしかない。雨に遭わないのはよいが、街中が埃っぽいうえ、路面の反射熱がきつくて適わない。
てなこと書いて、午後から買い出しに出かけたら、スコールに遭っちゃった。前触れは怪し気な一陣の風。もうわかってるもんね。無風が日常なのに、突如風が出てきたら要注意。とっさに民家の軒先へ避難して難を逃れた。南国特有のスコールは半端でない。台風並みの暴風雨を覚悟せねばならない。ところが半時ほど経てば、ケロッとして青空が広がる気まぐれぶり。《女心と秋の空》というけれど、それよりか凄い。
さて、《タイの懐メロ》の続きです。前稿のMP3-9とMP3-10の内容的な違いは、前者がタイのオリジナル曲であるのに対し、後者は主に外国発祥曲のタイバージョンみたい。
今回は、ROSEレーベルの残る一枚、11.หนุ่มเว้าสาววอน(若い男女の相聞)を採り上げよう。アルバム名の邦訳は、かなり勝手な意訳に他ならないが、ハート・マークに♂♀の学術記号を絡み合わせたジャケットデザインが意訳の根拠である。事実、全てではないものの、同一メロディ曲(ただし、曲名が微妙に異なる)を男と女がそれぞれ別々に歌った都合二曲で一対になっている。
こういう相聞歌形式の歌は、日本では万葉集などの和歌にはあれど、歌謡曲には余り例がないように思う。僅かに平岡精二作曲の「爪」(ペギー葉山)と「あいつ」(旗照夫)が挙げらよう。外国でも、キャロル・キング《おゝ!ニール》(1959年)への返歌として、ニール・セダカ《おゝ!キャロル》(1959年)がある程度。
どんな案配か、実際に聴いてみよう。
11-7.น้ำค้างเดือนหก(六月の露)
- สุรชัย สมบัติเจริญ(スラチャイ・ソムバッチャルン)
聴き憶えのある曲だと思ったら、タイ映画《わすれな歌》(2002年)の挿入曲だったのですね。手持ちのものとは音源が違うものの、同じ歌手が歌ってる。しかしこの曲、スラポン・ソムバッチャルンの持ち歌だと思うけど、芸名とはいえ名前が似てるしどんな関係なのだろう。
11-8.น้ำฝนเดือนเจ๊ด(七月の雨)
- ผ่องศรี วรนุช(ポンスリー・ウォラヌット)
モノラル音声のYouTube版がオリジナルなのだろう。手持ちのMP3はステレオで音はよいが、何だかオバサンが歌ってるようで、《若い男女の相聞》という看板に偽りあり、の感を否めない。まあ、“懐メロ物”だから仕方ないか。
11-15.สัญญาเมื่อสายัณห์(夕暮れ時の約束)
- สัญญา พรนารายณ์(サンヤー・ポンナラーイ)
11-16.สัญญารักปากช่อง(口約束)
- น้ำอ้อย พรวิเชียร(ナムオーイ・ポンウィチェン)
う~む、YouTubeのオリジナル盤を聴いてしまうと、買ったMP3はステレオ録音で音はよいけど、何だか爺さん婆さんの歌声を聴かされるようで幻滅ですわ。
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