タイのkaraokeVCDは、ボーカル(歌声)が右チャンネルだけに入っていて、カラオケでなく音楽鑑賞を目的とした場合、バランスが悪くて頗る聴きづらい。とりわけヘッドフォンで、となるとディスクを叩き割りたくなるほど不快感が増幅する。ゆゑに動画編集ソフトを使って、もともとの音楽観賞用であるCD等の音源と差し替える手間をかけるわけです。
いつもはそれで何の不都合もないのですが、このたび買って帰ったプムプアン・ドァンチャンのVCDには困ってしまった。映像と差し替えた音声がズレて同期してくれないのである。karaokeVCDは、概ねCDと同じ音源なるも歌声部分を分離しているだけ(と思う)。従って、妙な手を加えない限り完全同期しなければ理論的に可笑しい。
ここでハタと気がついた。彼女が亡くなったのは1992年。最晩年(といっても30歳で夭折)の映像でも約20年前になる。タイの音楽メディアはカセットテープ全盛期。思い起こせば初訪泰の1989年、露店の小母さんの勧めで買ったプムプアンさんのアルバムがカセットテープでした。彼女を知ったのはずっと後年で、このテープは永らく眠ったままでした。また、映像メディアもビデオテープが席捲していました。つまり、CDやDVDのデジタルメディア登場前のアナログ時代だったんですね。
デジタル化されたVCDではあっても、よ~く観察すると経年劣化と思われるアナログ特有の飛びや乱れがあって、明らかにソースがビデオテープであることが判る。アナログテープはVTRの機械的送り動作に再生時間が左右される。厳密に言えば毎回一定とは限らない。開始点を合わせたデジタル音声のほうが早く終わることから、本来のアナログ音声の再生速度が規定値より若干遅いのでしょうね。
映像の速度を変えるとスローモーションになったり、コマ落とし風になって具合が悪いので、デジタル音声の再生速度を遅めに変更してみたのですが、今度は中間が合わなくなってしまうんですねえ。いったい、どうなっているんだろう。
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