《 第64話 》 「山本は何処へ」
【 あらすじ 】 いつの間にか月光仮面はあや子の部屋から姿を消し、部屋には盗まれたオルゴールが戻っていた。外では、祝の指示を受けた山本記者がとみを見張っていた。お由が捕まったことを知ったとみはどくろ仮面に相談するためアジトへ戻ろうとしていた。
柳木博士邸。山本からの電話連絡をみんなが待っている。
祝 「遅い。」
節子 「兄に何か?」
祝 「いや、無理をしない限り・・・。」
そこへ電話が。
あや子(電) 「もしもし、柳木でございますが。えっ、山本さん?」
黒覆面(電) 「ええ、そうです。僕、山本です。ちょっと柳木先生を出していただけませんか。」
あや子(電) 「お父様を? ちょっとお待ちになってね。」
博士 「私に電話かね。」
あや子 「お父様に山本さんからよ。あっ、ちょっとお待ちになって。本当の山本さんかどうか、よく確かめてみないと。」
博士 「ほっ、わかった。」と電話を手に。
博士(電) 「もしもし、私、柳木ですが。新聞社の山本さんですね。」
黒覆面(電) 「えっ、そうです。東都タイムズの山本です。折り入ってご相談したいことがあるんですが、ちょっとお伺いしてよろしいでしょうか。は、えっ? 妹の節子がお宅に待っている? それは知りませんでした。」
とみ 「祝のことを訊いてみてごらん。」
黒覆面(電) 「もしもし、とにかく祝探偵ともぜひ連絡したいことがあるんですが。」
博士(電) 「いや、わかりました。しかし、祝君は爆死したはずでしょう。貴男がその記事を書いたご当人じゃありませんか。」
黒覆面(電) あわてふためき 「いや、これは迂闊でした。ではまた。」
博士 「あや子、お前の第六感もたいしたもんだね。確かに今の電話は、どくろの一味だ。」
あや子 「だけど、どうして山本さんの名前を使ったりしたのかしら。」
博士 「うむ。ちょっと気にかかるな。こりゃ確かに・・。」
節子 「じゃ、兄は?」
祝 「節子さん、ひょっとすると山本君は、どくろ仮面の一味に掠われたかもしれませんよ。」
あや子さんも、さんざん騙され、煮え湯を飲まされ続けただけに、だんだん学習したようですね。人を信じるも疑うも、極端に走ってはいけない、という教訓でしょう。
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