《 第63話 》 「名探偵活躍す」
【 あらすじ 】 とみは柳木邸に向かう。その車に飛び付く祝。柳木邸を訪れた節子は、指示に従いあや子と会話を交わす。節子とあや子が部屋を出たあと、お由はあや子が大事な物を入れていると言っていた小箱に手を伸ばす。そこに月光仮面が現われ、お由を捕らえる。
柳木博士邸。節子とあや子の話を扉越しに盗み聞きするお由。
あや子 「ええ、この小箱の中に、父の秘密を隠しているのよ。」
節子 「だったら、もっと人目につかないところに隠しておおきになったら?」
あや子 「でも、そんなことしたら、却ってどくろ仮面の一味に探し出されてしまうわ。」 ノック音 「婆や?」
お由 「(節子に)いらっしゃいませ。」 紅茶を出して退室。
節子 「じゃ、あたし、これで・・。」
あや子 「またお遊びにいらしてね。」
二人の退室後、お由が件の小箱に触手。
月光 「はっはっはっはっは。ふはっはっはっは。」
お由 目を丸くして 「おっ、月光仮面。」
月光 「さすがはバテレンお由だけあって、立派な化けっぷりだ。しかし、その小箱に手を出したのは拙かった。」
お由 「をっ?」
月光 「それは、ただの小箱だ。ジョー発爆弾とは何の関係もない。」
お由 「何だっ?」
月光 「はっはっは。悪びれずに、正体をさらけだしたな。」
お由 「へん。バレりゃ元々だよ。さあ、撃ってくれ。」
月光 「いや、私はやむを得ない場合の外は、人をみだりに傷つけぬという信念を持っている。松田さん、入ってください。」
松田 「やあ、お世話さまです。」
月光 「さ、お渡しします。」
松田 「(お由に)おい、観念しろ。」
お由 手錠をはめられ 「わかってますよ。早く何処へでも連れて行くがいいや。」
松田 「(月光に)じゃ、本署まで連行します。」
お由 「(月光に)やい、今にどくろの手で殺してやるからね。」
月光 「はっはっはっはっは。今にどくろの手で殺すか。はっはっは。」
お由 「(あや子に)やい、巧く人を落とし込んで。そのうち御礼にあがるからね。」
松田 「おい、静かにせんか。あ、お嬢さん、ご心配なく。じゃ。」
あや子 恐怖に戦きながら 「あっ、お父様。」
博士 「驚いたね。あの婆やがどくろの一味だなんて。」
化けの皮が剥がされた悪婆の面目躍如といったところですね。それにしても、化けるのは「人を落とし込む」ことにはならないのかな。バテレンお由さん。
コメントを投稿
コメントは記事の投稿者が承認してから表示されます。
アカウント情報
(名前とメールアドレスは必須です。メールアドレスは公開されません。)
コメント