タイ北部の山岳地帯は、ラオスやミャンマーと国境を接している。故に、中世以来、骨肉の争いを繰り返してきた。ミャンマー側は、未だに「けし」が大量に栽培されており、悪名高い麻薬供給地区でもある。最近は、タイ政府が厳しく取り締まっているため、ブツは南下せず、中国雲南省を経由するらしい。旅行中、タイの国境警備隊に、何度も検問を受けた。タイ・シンガポール・マレーシアなどは、麻薬犯罪に神経を尖らせており、最高死刑の重い刑罰が科せられる。まあ、われわれ一般旅行者は、裏世界には決して近寄らないことだ。
昨日、チェンマイ北東部160キロのドイアンカンという、ミャンマーと国境を接する山へ行ってきた。といっても、登ったわけではなく、ジープでドライブしただけのことである。ここは、避暑リゾートで、暑さをしのぐ人々が訪れる。平地より気温が10度は低いであろう。涼しいとまで言えないが、暑くも感じない。王室のロイヤルプロジェクトがあって、コーヒー、茶、果物、植木などの山地物品開発に余念がない。いたるところがお花畑で、目を楽しませてくれる。売店は、中国系や山岳民族の経営が多い。ガラクタも売っている。当然、何も買う気にならない。宿泊のためのバンガローは、1泊800~1200バーツ(2400円~3600円)だそうだ。現在泊まっている市内のホテル(RoyalPeninsulaHotel)が、1泊朝食付3100円(JHCで予約)だから、やや高めの感がある。相対的に、タイでの宿泊費は、非常に安い。日本の皇室も利用する、あのチェンマイオーキッドホテルでさえ、1泊4000円程度で泊まれるのが驚きである。
話がそれてしまった。ミャンマーとの国境にも行ってみた。タイ国境警備隊キャンプには、長い塹壕が掘ってあり、まるで砦のようだ。ものものしい雰囲気とは裏腹に、兵士はのんびり寝っころ返っている。向こう側の山頂には、ミャンマー国旗が翻って、ちょうどこっちと睨み合う構図になる。2ヶ月ほど前、ここで、カレン族独立軍との銃撃戦があったという。くわばら、くわばら。
2006年3月16日(木)の記事
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