5年ほど前、CS放送で観たときの所感。
昭和29年東映制作の児童映画で、上映時間45分。昭和25年の広島および瀬戸内海の小島が舞台。主演は神田隆。
あらすじ;
戦争で孤児となった徳さん(中学生か?)と呼ばれる少年がパンを盗んで捕まるが、通りかかった全寮制学校の校長に助けられてその学校で生活することになる。幼くして孤児になったため読み書きが出来ず、“のろまな徳さん”と呼ばれて悪童たちにいじめられる。なぜか火焚きが上手という一面に目を付けた校長に勧められ、徳さんは寮の“ふろたき大将”に任命される。
“ふろたき大将”は入浴に関する一切の権限を与えられる代わりに、入浴の順番、経費の計算なども任されるため、読み書きできなければ何もできないことがわかる。そこで、必死に勉強して悪童たちからも尊敬されるようになり、誰も就職口がないなかで、徳さんだけは評判を聞いた工場からふろたき人としての依頼が来る。そして、生き別れになっていた母親も見つかる。というお話。
小学校低学年の時、学校の講堂で観た記憶があるが、その時は主人公になりきって観ていた。大人の今は、校長先生の立場で観ている。同じ映画を観ても印象が違った。
いじめは昔からあった、という事実。子供時分は、単に仲が悪いだけとしか思わなかった。
自分もつぎあて服を着ていた貧しい時代があったことを再認識した。豊かさと引き替えに、失ったものの大きさに気づいた。
・人情‥‥困ったときにはお互いに助け合う心があった。
・創意工夫‥‥与えられた遊びでなく、自分たちで遊び方を創造していた。
東南アジアの貧困地帯では、今もそれがある。
2006年2月15日(水)の記事
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