民進党が馬前総統に疑念の目
「中国が介入」=野党候補一本化で
11/15(水) 18:28配信/フォーカス台湾(中央通訊社)日本語電子版
(台北中央社)来年1月の総統選に向け共闘を目指す最大野党・国民党と野党第2党・民衆党は15日、世論調査の結果を基に候補者を一本化することで合意したと発表した。与党・民進党陣営は同日、報道資料を出し、今回の協議に立ち会った国民党の馬英九(ばえいきゅう)前総統の背後に中国の存在があるとの見方を示し、馬氏の事務所が果たした役割に疑念の目を向けた。
総統選で野党共闘を模索してきた国民党と民衆党。だが候補者の一本化の方法に関してすり合わせが難航。国民党は野党共闘を支持する有権者を対象に予備選挙を行うことで候補者を選出する方法を主張する一方で、民衆党は複数の世論調査の結果の平均値を基に選ぶ方法の採用にこだわっていた。両党は15日、馬氏の立ち会いの下で協議を開き、今月7日から17日までに公表された世論調査の結果などを基に統一候補を決めることで合意した。
候補の選出方法を巡り、馬氏は10日、世論調査の結果を用いる方式への支持を表明していた。台湾の週刊誌、鏡週刊は15日、馬氏の基金会で執行長(CEO)を務める蕭旭岑氏が2日から5日にかけて中国・北京を訪れていたと報じた。
民進党の公認候補として出馬予定の頼清徳(らいせいとく)副総統の選挙事務所で広報を担当する陳世凱氏は15日、報道資料で、またしても中国が選挙に介入した事例であることは明らかであり、馬氏の心にあるのは一貫して中国の利益であり、台湾の人々の福祉ではないことの表れだと指摘。「中国から指令が届けば、馬氏の事務所はすぐに実行する」と批判した。また、頼氏が繰り返し述べてきた「全世界で最も民進党を引きずり降ろしたいのは中国共産党だ」との主張が決して出任せではないことが今回の件から見て取れると強調した。
民進党の広報担当者、張志豪氏は報道資料を通じ、今回の件を「天衣無縫の計画」だと皮肉交じりに形容。蕭氏が指示を受けて北京で命令を聞き、馬氏が命令を受け取ってから言いつけ通りに実行したとの見方を示した上で、馬氏は両党間の2度目の協議を速やかに実現させただけでなく、自ら指揮を執り、世論調査方式で合意するよう両党に求めたと批判した。また、いかなる方式による中国の選挙介入にも反対する民進党の立場を改めて示した。
(葉素萍/編集:名切千絵)
コメント総数;5件
一、
今朝のニュースで馬英九氏が「必ず一本化する」と言っていたので、高い確率で合意の見込みがあるのだろうとは推測しました。
ただ、侯友宜氏ではなく、柯文哲氏を持ち上げる事で合意すると私は思っていたので、どちらかと言えば侯氏に有利な合意は意外でした。私が考えるほど単純ではなかったようです。
民進党報道官の「馬氏が(北京からの)命令を受け取ってから言いつけ通りに実行した」とは、これも単純化しすぎた主張で、現実にはもっと複雑でしょう。
最大の疑問点は、柯文哲氏が立候補を取り下げる手前にまで踏み込む理由だと思います。
彼の支持層を考えても、ここで立候補しないという選択肢を取るには、よほど明確な理由・動機(公表されないとしても)がなければできないはずです。
北京政府にそんな動機を提供できるようには思えないのですけど…
二、
国民党と民衆党が統一候補を立てることがそもそも目茶苦茶。支持母体が全く異なる層の人々。また、いざ一本化となったときに、どちらも譲らず紛糾するのは明らか。
中国共産党は民進党を引きずり降ろしたいし、馬英九が大陸に義理立てしたいのもわかる。
しかし、そう簡単に事は運ばないと思う。結果として、民進党を利することになるのではないか。
三、
熱心な民進党の支持者で馬英九氏が嫌いな台湾人の知人によると、
馬氏にも一つだけ功績があるそうです。
それはパンダを台北に「国内移送」したこと。
もちろん馬氏が中国との関係を重んじたから中国政府がパンダをくれたのだとわかっているけど、台湾人は可愛いものが大好きなので仕方ないと言っていました。
パンダおそるべし。
******************************
【野合】-やがふ-
共通するものもないばらばらの集団が、まとまりなく集まること。
まさに野合の見本みたいな合意と言わざるを得ない。因みに「野合」という熟語は日本起源なので中文(漢文)では意味を成さない。何故そう考えるのか? そもそも両党が協議に入って1か月余り、お互いの主張を繰り返すだけで纏まりそうにもなかったものが、馬英九元総統(中国国民党)の肝煎りで急転直下合意するなど有り得ないからである。初めから何らかの裏取引があっての茶番劇か、或いは馬氏が中共の意を介した民衆党優遇策で懐柔した可能性を疑わざるを得ない。
美麗島電子報最新世論調査(11月6日付)によると、頼清徳(民進党)35.6%、侯友宜(国民党)22.2%、柯文哲(民衆党)16.9%、郭台銘(無所属/国民党)6.9%とある。単純に足し算するなら22.2+16.9=39.1%となって頼氏を3.5ポイント上回るが、思惑通りコトが運ぶほど世の中は甘くはない。聞くところでは、親中派と目される郭氏の中国内工場に対し、中共政府が捜査に乗り出したそうだから、「選挙戦から降りろ」とのシグナルであろう。
斯くの如く中共の裏工作が見え隠れする中、国民党・民衆党の野合を潔しとせぬ両党支持者票が、頼氏や郭氏に逃げる可能性も高い。そこが選挙戦の面白さなのだが、飽くまで不正がなく公明正大であることが前提だ。李登輝によって民主化が成ったとはいえ、一方では中国国民党一党独裁時代を経て中国式賄賂政治が跋扈するのも厳然たる事実である。
最後に台湾を訪れて以来、もう三十年近く経つが、台湾の友人知人たちはみんな新興の民進党支持者だった。後に陳水扁が民進党初総統となる一方で、民進党議員らの収賄スキャンダルが露呈した。『台湾人と日本精神』を蔡焜燦が著し、李登輝がそれを実現させたわけだが、その〝日本精神″は何処へ行ってしまったのか。
主な内容
■台湾は日本の植民地ではなく内地の延長・領土であった。植民地という言葉は戦後に出てきたものである(文庫・P52)。
■戦前の日本の教育水準は非常に高く、教師達は情熱と愛情を持って台湾に教育を普及させていった(文庫・P80)。
■台湾では、いまでも「日本精神=リップンチェンシン」は、「勤勉で正直で約束を守る」事を意味する(文庫・P86)。
■日本統治時代、台湾籍児童が通う「公学校」と内地籍児童が通う「小学校」の違いは、差別ではなく日本語能力にハンディキャップがあったためであり、日本語が達者な子供は台湾籍であっても「小学校」に通うこともできた(文庫・P87)。
■台湾では創氏改名は許可制であった。また、日本名でなくてもなんの不自由もなかった(文庫・P118)。
■現在語られているような慰安婦の強制連行は無かった(文庫・P138)。
■戦後、台湾帰国直後に中華民国軍を見た時、その軍紀の悪さに驚いた(文庫・P149)。
■中華民国接収後、台湾社会は急速に腐敗した(文庫・P161)。
■中華民国統治後の地獄のような時代は、つい最近までの40年間続いた(文庫・P183)。
■小林よしのりの『台湾論』(新ゴーマニズム宣言スペシャル・台湾論)に対する台湾での批判は、主要マスコミを牛耳る外省人(台湾人と区別する意味での戦後大陸から渡来した中国人のこと)の情報操作である(文庫・P269)。
コメント