台湾総統選「野党統一候補」いまだ結論出ず異例の事態に
渦中の柯氏は「台湾は奇跡の島、まだ2日ある」
11/22(水) 18:51配信/TBS NEWS DIG 電子版
台湾総統選は、立候補の届け出があと2日で締め切られますが、候補者の一本化で合意した野党は、いまだ結論が出ない異例の事態となっています。
民衆党 柯文哲氏
「台湾は奇跡に満ちた島です。まだ2日あるから緊張しないで待ちましょう」
与党・民進党に挑むため、台湾総統選は統一候補の擁立で合意した最大野党国民党と第3勢力の民衆党。侯友宜氏と柯文哲氏のどちらを総統候補にするのか、世論調査をもとに協議しましたが、数字の解釈をめぐって見解が分かれ、合意自体が破綻する可能性も指摘されています。
きのう、国民党の侯氏は民衆党の柯氏に対し、きょうにも公開の協議に応じるよう求めましたが、柯氏側は「世論調査の結果は変わらない」と拒絶する姿勢を示しました。
立候補の受付は24日が締め切りで、届け出期間に入っても候補者が決まらないという異例の事態が続いています。
台湾メディアの世論調査では、侯氏と柯氏がペアとなった場合、与党・民進党の頼清徳氏らのペアを上回っていますが、個別の場合は頼氏が優勢となっています。
コメント総数;18件
一、
台湾民衆党は総統選よりも立法委員(国会議員に相当)選に力を入れている、と聞きます。であれば、柯文哲氏が「副総統候補では立法委員選にメリットなし」と判断しても不思議ではない。一方、国民党は政権への復帰を最大目標としているので、その実現のためには柯文哲氏を抱き込むことが必須。結局は国民党が「政権復帰の可能性を高めたいので、柯文哲氏に総統候補を譲る」と決断できるかどうか、ですね。
二、
これ難しいでしょう。
降りるのは、下手すると政治生命にかかわる。
単純な足し算どころか、引き算になるかもしれない。
棄権してくれればまだしも、反対側に動かないとも限らない。
無所属の人がでればそっちに動くかもしれない。
降りるのは、支援者への裏切りになるかもしれない。
支援者がどの意識か。
政党ではなく、その個人を支援しているなら最悪裏切りととらえらええ、政治生命をたたれかねない。
三、
柯文哲が副総統になっても彼にとって何のメリットも無いんだよ。
それにもしそうなったら柯文哲支持者の大半は国民党の総統ではなく、
民進党の頼清徳をほうに票を入れるだろう。
分からないのかね国民党は。
柯文哲を総統にして国民党がそれに乗っかるしか勝ち目なんてない。
あと民衆党の候補者がいる選挙区では、国民党は候補者を降ろす、もしくは公認を取り消すこと。
こうして初めて野党統一の勝ち目が見えてくる。
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総統選 野党共闘
民衆党、世論調査再分析に難色 国民党「極めて遺憾」
11/22(水) 20:23配信/フォーカス台湾(中央通訊社)日本語電子版
(台北中央社)来年1月に行われる総統選の立候補締め切りが24日に迫る中、最大野党・国民党と野党第2党・民衆党は候補の一本化についていまだ結論を出せていない。国民党の公認候補、侯友宜(こうゆうぎ)新北市長は世論調査の再分析を提案する一方、民衆党候補の柯文哲(かぶんてつ)前台北市長側は22日、共闘に向けての助けにはならないとの考えを示した。これを受けた侯氏側は「極めて遺憾」とコメントした。
両党の候補者一本化を巡っては、複数の世論調査の結果を基に総統候補と副総統候補を決めることで15日に合意。18日に結論を出すとしていたものの、対象となった9件の世論調査のうち3件に問題があると民衆党側が訴え、結論は先送りされた。侯氏は21日、9件の世論調査の結果を改めて見直し、その過程をライブ配信で公開することを柯氏側に提案していた。
柯氏の選挙対策総幹事を務める黄珊珊氏は22日、双方を代表する世論調査の専門家らは先週、5時間余りにわたり話し合いを行ったと説明した。仮に専門家に再度世論調査の分析を依頼したとしても、お互いの争点を拡大してメディアの前にさらすだけだと主張。黄氏は同日午後4時ごろ、立候補に必要な書類の受け取りのため中央選挙委員会を訪問。野党共闘が破局したのかという記者の質問には答えなかった。
侯氏の関係者は前回の協議で民衆党が問題があると主張した3件の世論調査について、同党が再度の分析をかたくなに拒んでいることを非難。「対面せずに火花を散らしている」とした上で、問題の解決にはならないと強調した。
(劉冠廷/編集:田中宏樹)
コメント;4件
イ、
保身優先で台湾住民の立場にはなれませんと野党自らが証明してくれたようです。
そんな野党とは対象的に与党側は副総統候補も決まり着々と動いているようで明暗を分けた印象です。
来年まで待たなくてもおおかた予想できました。
野党のみなさん、ご苦労さまでした。
ロ、
自社さ連立政権発足の際には、どうしても政権に復帰したかった自民党が衆院第一会派であるにもかかわらず、社会党・村山氏に首班(首相)の座を譲りました。ここまでの自民党と同様の覚悟は、国民党には無いようですね。
ハ、
國民黨と民眾黨
意見合わないのにどう考えても共闘は無理でしょ。
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台湾総統選、野党候補一本化実現せず
国民党と民衆党が独自に届け出
11/24(金) 13:32配信/Bloomberg(米国通信社)日本語電子版
(ブルームバーグ): 来年1月の台湾総統選で、最大野党・国民党候補の侯友宜氏と野党第2党、民衆党の柯文哲氏が24日、それぞれ立候補を届け出た。主要野党の候補一本化は実現せず、与党・民主進歩党に対抗できる可能性はその分低くなった。
国民党の侯氏は副総統候補としてテレビ司会者の趙少康氏を起用すると発表し、総統選への立候補を届け出た。また、同じく立候補を届け出た民衆党の柯氏は副総統候補に立法委員の呉欣盈氏を選んだ。中央選挙委員会への立候補の届け出期限は24日午後5時半(日本時間同6時半)。
また、フォックスコン・テクノロジー・グループ創業者の郭台銘氏は立候補を断念する見通しとなった。郭氏の決定に詳しい複数の関係者が明らかにした。
コメント総数;16件
♦野嶋剛(ジャーナリスト)
15日に国民党と民衆党が結んだ連立候補の擁立のための合意事項が履行できなかったため、一本化はならなかった。世論調査をもとに優勢な方が総統、もう一方が副総統の候補になる、という取り決めだったが、世論調査の「誤差」の解釈などをめぐって最終局面で意見が合わなくなり、23日に開かれた国民党の侯友宜氏、民衆党の柯文哲氏、無所属の郭台銘氏、前総統の馬英九氏、国民党主席の朱立倫氏による「5者会談」も失敗に終わった。5者会談はネットで中継されたが最後はかなり醜悪な言い争いになり、野党候補全員にとってイメージダウンとなりそうだ。一時は野党連立成立かで冷や汗をかいた与党民進党だが、結果として総統選のほうは自信を持てる状態となった。
♦川島真(東大教授)
台湾の総統選挙では、目下、与党・民進党の頼清徳(現・副総統)が圧倒的に優勢だが、第二人気の民衆党の柯文哲と第三人気の国民党の侯友宜とが協力し、それぞれ総統、副総統とすれば、頼候補に勝てる可能性があった。しかし、その調整に乗り出した馬英九前総統が提示した条件は、柯候補には不利だった。はじめ、(何故か)その不利な条件を受け入れるような動きを見せた柯も、おそらくはもし国民党と協力すれば若者など民衆党のコアな支持層が離れ、議会にあたる立法院の選挙でも不利になるだけでなく、民衆党の存立そのものに関わると判断し、拒絶に至ったのだろう。議会選挙では与党民進党が過半数割れを起こし、頼候補が総統選挙で勝っても「ねじれ」になる可能性もある。そのため、第三の政党である民衆党がキャスティングボードを握れる可能性がある。他方、民衆党の柯との総統候補統一に失敗し、議会協力も危ぶまれる国民党は一層窮地に追い込まれた。
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台湾・総統選、野党分裂で与党が優位
三つどもえで本格スタート
11/24(金) 20:33配信/産経新聞電子版
【台北=矢板明夫】来年1月13日投開票の台湾の総統選挙は24日、立候補届け出が締め切られ、選挙戦が本格的にスタートした。与党、民主進歩党からの政権交代に向けて最大野党、中国国民党と第2野党、台湾民衆党が目指した候補一本化の協議は決裂。野党の分裂により選挙戦は、民進党候補の頼清徳副総統(64)が優位に進めるとみられる。
頼氏のほか立候補を届け出たのは、国民党の侯友宜(こう・ゆうぎ)新北市長(66)と民衆党主席の柯文哲(か・ぶんてつ)前台北市長(64)。選挙戦は三つどもえの構図で、各種世論調査の支持率では頼氏が4割弱で首位を走り、侯氏と柯氏が2割前後で追う展開だ。
国民党と民衆党は10月以降、統一候補の擁立を目指して協議。23日も調整したが、物別れとなった。柯氏は24日午前、中央選挙委員会で立候補を届け出た後、「少子高齢化や労働者不足などを解決し、若者のために台湾の未来を取り戻す」と強調。その後届け出た侯氏は「厳しい戦いになるが、台湾を良くするために最後まで戦い抜く」と語った。
頼氏は21日に立候補手続きを済ませている。この際、「親中の道を歩まない。国際社会の一員としてしっかり責任を果たしたい」と語った。
副総統候補にはそれぞれ、頼氏が駐米台北経済文化代表処(大使館に相当)代表を務めた蕭美琴(しょう・びきん)氏、侯氏は国民党の元立法委員(国会議員)で著名なテレビキャスターの趙少康氏、柯氏は女性実業家でもある立法委員の呉欣盈(ご・きんえい)氏を選んだ。
選挙戦の主要な焦点の一つは中国政策。頼氏は日本や米国との関係を重視し、中国と距離を置く一方、野党2候補は中国との関係改善を訴えている。頼氏の21日の「親中の道を歩まない」との発言に対し、野党は「戦争をあおっている」と批判している。
無所属の出馬に必要な署名を集めた大手企業、鴻海精密工業の創業者、郭台銘氏は24日、不出馬を発表した。「政権交代実現」に向け野党票の分裂回避を理由にしているが、支持率低迷のほか、中国当局が鴻海の現地企業を税務調査し、圧力をかけたとされることも関係しているとみられる。今後は郭氏の支持層の動向も注目される。
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「大山鳴動して鼠一匹」とは真にこのことだ。総統選当初の頼清徳(民進党)対侯友宜(国民党)対柯文哲(民衆党)の三つ巴構図に戻っただけの話。途中で無所属出馬を表明した郭台銘はもともと国民党員であり、中共からは恫喝されたうえ、党から立候補辞退を強要されれば引っ込むしかあるまい。
仮に「藍(国民党)白(民衆党)合作」が中国共産党の意向を体現した工作とすれば、然もありなんと合点がゆく。独裁政治が陥り易い中国ならではの、威丈高に脅せば事足れりとする傲慢な遣り方だからである。中国国民党独裁政権時代の台湾ならいざ知らず、民主化した現在、主権者たる台湾国民輿論(「世論」ではない)を無視するわけにはいかないのだ。
【輿論】-よろん-Public opinion(≒民意)
世間一般の人の考え。ある社会的問題について、多数の人々の議論による意見。
[補説]当用漢字制定以前は「よろん」は「輿論」と書いた。「世論」は「せろん・せいろん」と読んだ。「輿論」は人々の議論または議論に基づいた意見、「世論 (せろん) 」は世間一般の感情または国民の感情から出た意見という意味合いの違いがある。
【世論】-せろん-popular sentiment(≒庶民感覚)
ある社会の問題について世間の人々の持っている意見。
[補説]「輿論 (よろん) 」の書き換えとして用いられ、「よろん」とも読まれる。
【世論調査】-よろんちょうさ-
社会的問題・政治的争点や政策などについての人々の意見・態度を把握するための統計的な調査。=せろんちょうさ。
今日では「輿(与)論」も「世論」もほぼ同義語として用ゐられているが、本を糺せば「輿論≒民意」「世論≒庶民感覚」程度の違いがあったはずだ。ここでは用語解説が本筋でないので深入りしない。野党一本化が不調に終わったことを受け、我国主要メディアは頼清徳(民進党)陣営の優勢揺るがず、と一斉に報じているが、現地最新世論調査は驚くべき結果を発表している。
即ち、総統選に関して国民党ペアが民進党ペアに肉薄しているのだ、民衆党ペアも支持を伸ばしている。政党支持率では30%前半台の国民党がトップを維持、20%後半台の民進党は2位に甘んじている。10%台後半の民衆党がこれに続くという状況である。
現地情勢に疎い自分には不可解極まりない結果としか思えない。野党一本化に無関係な民進党側の人気が急落し、一本化不調の責任を負うべき国民党と民衆党が人気を博す道理などないではないか。だからというわけではないが、自分は世論調査を信用していない、なぜなら、自分自身がホンネで答えることなどないからだ。それに、数字は幾らでも操作が可能であるのも理由の一つである。
つまり、回答者がホンネを隠しているか、調査会社が選挙戦を面白くするために数字を改竄したかの何れかを疑っている、ということだ。
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