高市氏が〝捨て身〟の告発!岸田内閣「中国スパイ」を野放しか
「セキュリティー・クリアランス」提出に圧力、政府内の親中派と暗闘を示唆
9/30(金) 17:00配信/夕刊フジ電子版
【有本香の以読制毒】
高市早苗経済安全保障担当相が28日、「捨て身の告発」に打って出た。先端技術の流出を防ぐため、重要情報を取り扱う研究者らの身分の信頼性を確認する「セキュリティー・クリアランス(適格性評価)」をめぐり、政府内の〝抵抗勢力の存在〟や〝親中派との闘争〟を示唆したのだ。「国葬(国葬儀)」で27日に見送られた安倍晋三元首相は生前、日本の国力を維持・発展させるため、欧米諸国では常識である「スパイ防止法」の制定にも意欲を持っていた。日本と中国は29日、国交正常化から50年を迎えた。岸田文雄政権の、国民と国家を守る気概が問われている。ジャーナリスト、有本香氏による緊急リポート。
現役閣僚による爆弾発言が飛び出した。
「大臣に就任した日に言われたのは、『中国』という言葉を出さないでくれというのと、来年の通常国会にセキュリティー・クリアランスを入れた経済安全保障推進法を提出するとは口が裂けても言わないでくれと言われました」
高市氏が28日夜、「BSフジLIVE プライムニュース」に出演した際の発言である。これに岸田首相がどう対処するか〝見もの〟だ。
経済安全保障については今年5月、経済安全保障推進法が成立したが、同法には最も重要な要素が欠落している。それがセキュリティー・クリアランス、「人の適格性の審査」だ。あえて簡単に言えば、外国のスパイを取り締まるルールである。
同法成立の前から、筆者はこの欠落を厳しく批判していた。「仏作って魂入れず」のような経済安保法にどれほどの意味があるのか、ということである。国会提出前の今年2月には、自民党の政調会長だった高市氏と『月刊Hanada』で対談し、次のようなやり取りをした。
高市氏「今年の大きな柱はやはり経済安全保障政策です。どのような事態になっても必要な物資を国内で調達できる環境、サイバー攻撃から国民の生命や財産を守り抜くこと、機微技術の国外流出を防ぐことなどを柱とする『経済安全保障推進法』の第1弾を今国会で必ず成立させたい」
筆者「かねてより高市さんがおっしゃっていた外国人研究者などのスクリーニング(選別)は、その第1弾には含まれるんですか?」
高市氏「外国人研究者のスクリーニングは第2弾でやります。これを入れると今国会では通りませんから」
正直に言うと、7カ月前、高市氏のこの答えにひどく失望したものだ。
対談での高市氏は、「岸田政権をサポートする」「7月の参院選に勝利することが大事」という表明に終始した印象だった。それは政調会長という立場からすると当然ではあるが、あまりにも型通り、多くの読者の失望を誘うものでもあった。
実は、筆者はこのときの失望を、安倍氏にもぶつけた。「人のスクリーニングを盛り込まないなら、意味のない法律です」と。
筆者の怒りに対し、安倍氏は「人のスクリーニングを盛り込んだ法律は必ずやるから。こちらもプッシュしていく。ただ、容易でないことは理解してほしい」と答えていた。
しかしいま、昨晩の高市氏の「告発」を聞き、生前の安倍氏の言葉を思い返すと、経済安保をめぐる自民党内の「闘争」、とりわけ「親中派との闘争」が実感を伴ってみえてくる。2月に筆者が抱いた強い失望は、こうした暗闘への筆者の不理解も少々手伝ったかと反省する。
今般、高市氏が「捨て身の告発」に打って出たのには、安倍氏の国葬儀が無事終わったことも関係しているかもしれない。国葬儀には筆者も参列したが、かけがえのないリーダーを喪った悲しみ、反省を改めて深くする一方で、国難のいまこそ、「闘う政治家」だった安倍氏の遺志を、皆で継ぐべきという思いにもさせられた。
高市氏は同じ28日、BS日テレの「深層NEWS」にも出演し、政府による国葬実施の決定過程について次のような苦言を呈している。
「決定する少し前に国会の議院運営委員会の理事会とか、衆参両院の議長とか、そういったところに話がちゃんとあってもよかったのではないか」
一連の高市発言を「岸田おろし」や「閣内不一致」というレベルの話題にして済ますべきではない。
「中国のスパイ」一つ取り締まれない日本に明日はない。安倍氏の志を真に継ぐのは誰なのか―。はっきりさせるときである。
■有本香(ありもと・かおり) ジャーナリスト。1962年、奈良市生まれ。東京外国語大学卒業。旅行雑誌の編集長や企業広報を経て独立。国際関係や、日本の政治をテーマに取材・執筆活動を行う。著書・共著に『中国の「日本買収」計画』(ワック)、『「小池劇場」の真実』(幻冬舎文庫)、『「日本国紀」の副読本 学校が教えない日本史』『「日本国紀」の天皇論』(ともに産経新聞出版)など多数。
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一、これらの発言が出て来る背景には、内閣支持率低下による岸田首相の求心力の低下だ。もちろん、彼女の言っていることは確かであり、人的なスクリーニングをしないと意味はない。もちろん、中共のスパイだけではなく、ロシア・北朝鮮のも当然少なくない。
ただ、いまの日本で中国を全く刺激をせず、広義の安全保障を確立することは可能なのだろうか…。いや、無理だろう。最低限は刺激しないと何も進まない。
二、これが本当ならば、かなり問題だと思います。
これこそ、岸田さんに詳しく説明していただきたいと思います。
また、スパイ防止法に反対している議員がだれなのかを、メディアはわかりやすく表に示してもらいたいと思います。
これは曖昧で済まされる問題ではないと思います。
三、政府内の親中派って誰なのか?
「日中国交正常化50周年記念レセプションで乾杯する中国の孔鉉佑駐日大使、十倉雅和経団連会長、福田康夫元首相、河野洋平元衆院議長、二階俊博自民党元幹事長、林芳正外相」(時事通信)とあるが。経済安保が大切か商売が大切かと言われれば経団連は持続可能な商売が大切だと答えるでしょう。日本に正式な手続きで特許料払ったりすればいいけど、大学や企業の研究室から研究成果を無断で許可なく持ち出すのは日本の国益を大きく損なう。せっかく品種改良したおいしい果物の苗を勝手に持って行って自国で大々的に儲けていたりするでしょ。交換留学生も人的交流で国交に貢献するから必要でしょうけど、経済安保にかかわる分野は考えた方がいいかも。
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夕刊フジをはじめとする数少ない右派系メディアは、ポスト安倍に高市早苗氏を推す声が高い。しかし、安倍元総理という強力な後ろ盾を亡くした今となっては、残念ながら実現の可能性はむしろ遠のいたと言えよう。戦前の国家主義的右傾化に対する反動からか、戦後は占領軍(GHQ)の〝日本弱体化方針″に則り、マスコミや学界を中心に倒錯した自虐史観(いわゆる「東京裁判史観」)が刷り込まれていった。
その大本が戦勝国(米英蘭豪加など)による「極東国際軍事裁判(東京裁判)」である。裁判という体裁は整えているものの、当時の国際法を無視して、禁じ手の事後法を用ゐた勝者(戦勝国)の敗者(敗戦国)に対する悍ましいリンチ(私刑)であった。当該裁判で堂々と「日本無罪論」を展開したパール判事(インド)は、靖国神社に記念碑が建立されたほど我らに馴染み深いが、戦勝国の間にも良心はあった。ベン・ブルース・ブレイクニー(Ben Bruce Blakeney)弁護士がその人である。
「歴史を振り返ってみても、戦争の計画、遂行が法廷において犯罪として裁かれた例はない。我々は、この裁判で新しい法律を打ち立てようとする検察側の抱負を承知している。しかし、そういう試みこそが新しくより高い法の実現を妨げるのではないか。“平和に対する罪”と名付けられた訴因は、故に当法廷より却下されねばならない」
「国家の行為である戦争の個人責任を問うことは、法律的に誤りである。何故ならば、国際法は国家に対して適用されるものであって、個人に対してではない。個人に依る戦争行為という新しい犯罪をこの法廷で裁くのは誤りである。戦争での殺人は罪にならない。それは殺人罪ではない。戦争が合法的だからである。つまり合法的人殺しである殺人行為の正当化である。たとえ嫌悪すべき行為でも、犯罪としてその責任は問われなかった。
キッド提督の死が真珠湾攻撃による殺人罪になるならば、我々は、広島に原爆を投下した者の名を挙げることができる。投下を計画した参謀長の名も承知している。その国の元首の名前も承知している。彼らは、殺人罪を意識していたか?してはいまい。我々もそう思う。それは彼らの戦闘行為が正義で、敵の行為が不正義だからではなく、戦争自体が犯罪ではないからである。何の罪科でいかなる証拠で戦争による殺人が違法なのか。原爆を投下した者がいる。この投下を計画し、その実行を命じ、これを黙認したものがいる。その者達が裁いているのだ。彼らも殺人者ではないか」
安倍元総理が唱えた『戦後レジームからの脱却』がどのようなものだったのか、承知していないが、おそらく欺瞞に満ちた東京裁判に基づく戦後国際秩序を糺すことであろうとは想像に難くない。つまり、自虐史観に毒された連中はお呼びでないわけだ。個人的には高市氏こそ最有力候補と観ているが、何分にも指導的な立場にある人物ほどオツムが汚染されており、我国の政(まつりごと)はお寒い状況だ。
歴史を〝物語(ドラマ)″として観るならば、必要な時に必要な人物が登場するものだ。そう期待するしかあるまい。
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