対ロシア非難決議案採択 141カ国が賛成 国連特別総会
3/3(木) 2:09配信/毎日新聞WEB版
国連総会(加盟193カ国)は2日、ウクライナ危機をめぐる緊急特別会合で、ロシア軍の完全撤退などを要求する決議案を141カ国の賛成多数で採択した。決議に法的拘束力はないが、侵攻に踏み切ったロシアを非難する国際社会の政治的意思を示した。
反対は5(ロシア、ベラルーシ、シリア、北朝鮮、エリトリア)、棄権は35。
国連総会は2014年、ロシアによるウクライナ南部クリミア半島の編入を認めない決議案を賛成100、反対11、棄権58で採択。これを大きく上回る賛成が集まったことで、ロシアの孤立ぶりが浮き彫りになった形だ。
日本も共同提案国に加わった。前回14年の採決では棄権に回ったが、今回は賛成に転じた国も相次いだ。
決議は「(侵攻は)欧州で何十年もなかった規模であり、戦争の惨劇から今の世代を救うために緊急の行動が必要だ」と訴えている。ロシア軍の即時無条件での完全撤退を要求。ウクライナ東部の親露派支配地域の「独立承認」を撤回することも求めた。
一方、支持を増やすためにウクライナ侵攻について「最も強い言葉で遺憾の意を示す」という表現にとどめた。【ニューヨーク隅俊之】
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平河エリ(政策著述家)
2014年、ロシアが「住民投票」を主張してクリミアを併合した際、国連では併合を認めない決議を採択しました。
その際の結果は「賛成100・反対11・棄権58」です。
今回は「賛成141・反対5・棄権35」と、賛成が大きく増え、反対が減りました。
特に、伝統的に反米国、かつ東側との繋がりも深いベネズエラやキューバは事前の段階では反対にまわるとの観測もありましたが、棄権。
反対は、ロシア・ベラルーシ・北朝鮮・シリア・エリトリアの5カ国のみで、中国やインドなどは棄権に回りました。
西側諸国のロビイングと、強い結束力が、予想以上の賛成数を生んだ格好です。
決議に拘束力はありませんが、国際社会の断固たる姿勢とロシアの孤立を明確に示した票数となったのではないでしょうか。
門倉貴史(経済評論家)
国連総会での対ロシア非難決議案の採択に法的な拘束力があるわけではないが、国際社会でロシアに対するネガティブなイメージが定着することを通じて、ロシア経済に一定のダメージを与える効果は期ある。グローバル企業は、世界中から非難を浴び、四面楚歌となったロシアでのビジネス展開に尻込みするようになり、対露直接投資額が大幅に減少するとみられる。すでにこうした動きは出始めており、英国の石油大手『シェル』は、ロシア・サハリン沖の石油・天然ガス開発事業から撤退する方針を決めた。
一、もしウクライナにロシアの傀儡政権ができる形で停戦・終戦したとしても、世界は強力な制裁を続けるべきだ。
決済システムからの排除など金融制裁、実物の流通を含む実効性ある経済封鎖が必要。
インテルやAMDのCPUやメモリー等の重要基幹部品が輸出停止されれば軍を含めロシア社会は機能しなくなる。
輸入面では石油天然ガスの輸入を止めればロシアは資金的に行き詰まる。
食料もロシアだけでは自給できないだろう。
かつてのcocomの様な包括的な禁輸措置が必要。
その上でクリミアを含むウクライナ全土の民主政権への復帰、EU、NATOへの加盟を実現させる。
武力による現状変更は、一切の果実を生まず、莫大な制裁を負わなければならないことを示さなければならない。
ロシアからエネルギーを買っているEU諸国はかなりの負担を負うことになるが、アメリカ、産油国、日本などが援助し、世界全体がコストを共有するべきだ。
二、国連憲章に違反していて、それが総会で認定されてもなお、P5とは言え、一国家の権利停止、または除名もできない今日の国連は、重大な制度欠陥にある。
それによって、国連は今回のことに限らず機能不全となっており、ウクライナで侵略戦争により無辜の市民が犠牲となっていることを止められない。
日本は機能不全である限り、国連中心主義はやめるべきだ。また、日米同盟は続けながらも、自衛隊だけで周辺国家からの侵略に耐えうる防衛力を十二分に構築せねばならない。
その周辺国家の陣容と武力から逆算して何が必要か冷静に把握すべきところから始めなければならない。遅すぎる。
そして、ロシアがこのまま勝てば、世界は「力による秩序」へと大きく変容する。そこでは丸腰平和論は決してありえず、持たざる者の領土を力によって侵略することは、容易に認められる世界へと変貌する。我々は祖国を守るために、今こそ、目を覚めなければならない。
三、国連総会として今回の対ロシア非難決議は国連として国際社会としても当選かつ最大のウクライナ侵攻に対する働きかけだと思う!
しかし、現在の国連の制度として総会決議だけでは法的強制力を持たず、更に強い措置を取るには安保理の決議が必要だが安保理構成国に力による現状変更を行おうとするロシア、中国があることが問題だと思う!
国際連盟でも加盟国全会一致が弊害となり結局は連盟としての役割が果たせなかった!
国連が本来の役割を果たすためには常任理事国の拒否権撤廃等の制度改革が必要だと思うが現状困難だが今回のロシアの暴挙を機に新しい制度下での国際的安全保障機関設立の声がとも思うが…
国際機関による安全保障体制の構築の難しさを痛感する!
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中国が日米欧の対ロ制裁に“違法”と反発「ロシアと貿易進める」
3/3(木) 13:52配信/テレ朝newsWEB版
ウクライナへの軍事侵攻を受けて各国がロシアへの経済制裁に乗り出す中、中国政府は「ロシアと正常な貿易協力を進める」と制裁に反対する姿勢を表明しました。
中国外務省は2日の会見で、欧米や日本などによる経済制裁について「あらゆる違法な制裁に断固反対する」とし、「制裁は問題を解決せず、争いをエスカレートさせるだけだ」と主張しました。
そのうえで「中国とロシアは引き続き正常な貿易協力を進めたい」と述べ、天然ガスなどの購入を続ける考えを強調しました。
また、金融監督当局のトップも2日の会見で、「金融制裁に賛成しない」と明言しました。
国際的な制裁の動きには参加せず「正常な金融取引を保つ」としています。
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イ、ウクライナ侵攻は事前に伝えているし、制裁へのフォローも取り決め通りといったところでしょう。この後どうなるかですね。ウクライナの奮戦とロシアの孤立は恐らく想定していなかったと思います。
個人的にはロシアをフォローする姿勢を維持し続けて、その後ロシアが内側からプーチン打倒し、中国は四面楚歌になってほしいですね。まあそんなにうまく話しは進まないでしょうが。
日本を含む自由主義陣営は、まずはウクライナのジェノサイドを止めるべく全力を注ぐべきです。即効性のある制裁をどんどん増やしていくしかない。核による恫喝で実際に舞台を動かすことができないならば、支援としてそれに全力を尽くしてください。
ロ、短期的には中国は得をするでしょうが、長期的には損をするでしょう。
中国は今回の国際的な経済制裁に参加しないので、売先を失った露の原油、ガス、小麦などを買いたたくことができます。しかもその際の決済はドルではなく、元決済ですので、露経済は益々中国に取り込まれることになるでしょう。
しかし、この漁夫の利的利益享受は中国の国際社会での信用をより一層失墜させ、米の対中包囲網の形成を助けることになるでしょう。
なにより、米が自分で欧州に派兵せず武器供与だけで露を止めることが証明されれば、米は対中戦略に集中できます。
そして、プーチン政権が倒れても露は白人キリスト教国家です。次の政権が中国に好意的であるとは限らず、親欧米という事になれば、中国は更に厳しい立場に立たされます。
ハ、どこかでロシアに見切りをつけて距離を置くのだろうと期待していましたが、中国はプーチンと心中する覚悟を決めたようですね。
国際社会に対して詭弁を弄し、自らの利益のためなら手段を選ばないロシアや中国の姿勢を許してはいけないと思います。
ウクライナの次は台湾、その次は尖閣、沖縄です。
無法者国家を隣国にもった時、戦争を未然に防ぐにはどうするべきか、学び議論するべき時だと思います。防衛費の増額や核共有の件も、聖域なく議論していくべきだと思います。
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モルドバもEU加盟申請
3/4(金) 6:23配信/JIJI.COM(時事通信社)
【キシニョフAFP時事】旧ソ連構成国モルドバのサンドゥ大統領は3日、欧州連合(EU)への加盟を正式に申請したと発表した。
記者団を前に声明を読み上げた。ポペスク外相は「欧州という海にモルドバがいかりを投じ退路を断った日として未来の世代は誇りを持って思い起こすだろう」と述べた。
ロシア軍に侵攻されたウクライナの加盟申請を欧州議会が歓迎したことに刺激され、同じ旧ソ連構成国のジョージア(グルジア)もこの日、EUに加盟申請した。
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①ロシアの軍事侵攻がこのような結果を生むこともある。これはあきらかにロシアの失策であろう。元衛星国と言えども今は主権を持つ独立国。そもそもEUに入りたいという希望をなぜロシアが止めることができるのだ。
プーチンは「今戦って負傷してしまったロシア兵士の犠牲を無駄には出来ない」とも言っている。なので「目的を果たすまで侵攻は止めない」とも。
彼の思考は異次元のレベルにあり理解できない。そして理解をしなくても良いとも思う。彼は他国の人間の苦痛など屁にも思っていないのだ。その程度の人間がロシアの大統領を今務めているのだ。
②モルドバは地理的にウクライナのおかげで助かっていた部分が大きいからな。
このままだとウクライナのついでに占領されてもおかしくない。
今やルーマニアのNATO軍も全く当てにならないし。
EUに加盟すればEU加盟国の軍隊も集団的自衛権という正当な理由で参戦できる。
③これだけ旧共産圏の国がEUに流れていっているのだから結局の所ロシア側につく魅力など何もないということ
今更プーチンがソ連の復活である大ロシアをいくら夢見たところで力に隷属されたがる国などいない
時代に逆らった幻想を追いかけた独裁者の末路といったところか
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ロシアのウクライナ侵略に関するニュースを三題転載した。コメント欄は、ウクライナ=善、ロシア=悪、といった印象だが、果たしてそんな単純な構図なのだろうか。影で戦争を煽っている〝死の商人″たる黒幕が居る。先の大戦では、彼らによって日(東條英機ら軍属)独(ヒトラーのナチ党)伊(ムソリーニのファシスト党)が悪玉にでっち上げられ、「悪い国」とされたのだ。いわゆる「戦後レジーム」は、「悪い国」を征伐したという〝捏造の物語″に基づいた国際秩序なのだ。戦後の国際連合(UN)をはじめとするあらゆる国際機関が、この「捏造史観」により創設された。戦後77年を経た今日、日独伊に代わる「悪い国」に仕立て上げられようとしているのがロシア(プーチン政権)であり、中国共産党(習近平政権)なのである。
無論、ロシアや中国を「良い国」と言うつもりはないが、両国非難の急先鋒米国バイデン政権が人格者集団だろうか。伝聞によると、米国の意を介した武装集団がウクライナに潜入し、対露戦争を煽っているとか。裏で〝汚い手″を使う点ではお互い様なのだ。要するに何でもあり、それが戦争というものなのだ。「善い人、悪い人」の分類は成り立つが、「良い国、悪い国」なんてこの世に存在しない。
『鬼平犯科帳'69』第三話〝谷中いろは茶屋″で木村忠吾(古今亭志ん朝)相手に鬼平(松本幸四郎)の決め台詞。
人間という奴は、遊びながら働く生き物だ。善いことを行いながら、知らぬうちに悪いこともやってのける。悪事を働きながら、知らず知らずに善いことを愉しむ。それが人間さ。
人間のウラとオモテの二面性が、この台詞に凝縮されている。問題は、善悪どちらの行動が当該人の素顔か、ということだ。
我国の〝弱きを救け強きを挫く″とシナ・チョーセンの〝溺れる狗を叩く(弱い者いじめ)″で分かるとおり、近隣にありながら精神文化的には正反対なのだ。後者が強い者(権力者)の論理であることは想像に難くない。だからといって、前者が弱い者(被支配層)の論理とも思えない。なぜなら、「強き(横暴な権力者)を挫く」ためには、それ相応の強い力が必要、と論理的にはこうなる。しかし、世の中は必ずしも論理的には出来ていないのである。権力者と言えども神仏でもない一人の人間である以上、人並に過ちや失敗を犯しもする。
我らが精神文化の根柢には、〝人間は不完全な生き物″という仏教的諦観と〝所詮、人間は一人では生きられない″という悟りがあるのではないか。これらを前提として独裁独善独占を許さない互助互恵・共存共栄型社会を構築して来たのだと思う。換言すれば、私(わたくし)よりも公(おほやけ)を優先し重視する世の中ということ。けれども、世界を動かしている黒幕連中は、これとは正反対の私利私欲の亡者どもである。
私(わたくし)する源泉が何かというと、西洋個人主義の終着点である究極の利己主義(エゴイズム)と言わざるを得ない。これと対比するなら、公意識の源泉は利他主義(アルトリズム)になる。
【利己主義】-egoism-
自分の利益や自分の立場だけを考え、他人や社会一般のことは考慮に入れず、
わがまま勝手にふるまう態度。身勝手。
【利他主義】-altruism-
利己主義に対して、他人の幸福や利益を図ることをまず第一とする考え方。
利己主義自体が西洋個人主義から派生しており、これと対比する意味で後に利他主義が生まれた。西洋的概念では、神仏でもない人間が自分より他人の幸福を優先するなど有り得ない、のだろう。だが、我らが先人は、神仏にも似た心根を具備していたのである。来日した西洋人は、この崇高な精神を有する一般庶民に接して挙って感嘆の文言を後世に遺している。少なくとも戦前までは。
東京オリパラで世界を感動させたのは、日本人選手の活躍も然ることながら、裏で支えた関係者やボランティアの利他心溢れる〝おもてなし″に対してである。今日の欧米を中心とした世界的なニッポンブームは、我国政府が観光に力を入れているからではない。そんな政策(人為)によって作り出された現象ではなく、一般国民(≒庶民)の利他的な精神が人心を惹き付けているのだ。
人間関係力学的にいうと、利己主義が他人を遠ざけるのに対し、利他主義は人々を引き寄せる。なぜなら神仏しか持ち得ないとされる精神だからだ。信仰心が厚い者なら、誰しも神仏に近づきたいと思うのが当然であろう。自分で言うのもおこがましいが、これぞまさしく「神国日本」たる所以なのである。
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