AIDA世界大会、台湾選手が水中で国旗広げる
主催側の国旗削除受け
2021年10月5日 14時39分/大紀元時報日本語版
9月下旬にキプロスで開催されたフリーダイビング世界大会「AIDA世界選手権2021」では、試合の放送画面から台湾の国旗が突然削除された問題で、台湾の侯一明選手は同月30日の試合直後、水中で国旗を掲げて世界に台湾をアピールした。
大会の主催者であるアプネア国際振興協会(AIDA)は9月28日の試合で、予告なしに放送画面から台湾の国旗を削除した。台湾の侯一明選手は、30日の試合でダイビングした直後に、水中で放送カメラに向かって台湾の国旗を広げた。
侯選手は4日、米ラジオ・フリー・アジア(RFA)の取材を受け、「国旗は開幕式で使ったが、試合中に使おうとは全く考えていなかった」と述べた。
同氏は、主催者側による国旗の削除後、世界にもっと台湾をアピールしなければならないという「責任感と使命感を抱くようになった」「今やらないと、あとで後悔すると感じた」と話した。
フリーダイビングは、水中で呼吸するための装置を持たず、1回の呼吸で潜れる距離や深さを競う競技だ。
日本代表団は9月28日、主催者側の台湾代表団への対応を抗議して、日本の国旗も削除するよう要求した。
侯選手は「当初、日本代表団だけが私たちを支持してくれたと思った。米国や韓国など各国の代表団が自国国旗の削除を求めたことを知り、今は感謝しかない」と述べた。
RFAによると、AIDAは中国のスポンサー企業、ベストダイブ(BEST DIVE)からの圧力を受けて、台湾の国旗を消した。同企業は、大会にダイビング用ウェットスーツを提供している。
RFAは、香港人フリーダイビングのダイバーの話を引用し、「AIDAは出場した選手を裏切った」と批判した。AIDAがスポンサー企業の要求で試合の規定を変更したことは「賄賂」に当たるという。
中国当局が香港市民への統制を強める中、「台湾が次の『香港』にならないよう、私たちは台湾の自由を支援しなければならない」と香港人ダイバーは述べた。
日本、韓国、ロシア、米国、オランダ、オーストラリア、フランス、クロアチア、ドイツとスロバキアの各国の代表団はAIDAに抗議した。その後、AIDAは謝罪した。これを受けて、ロシアのオルガ・マーキナ(Olga Markina)選手はフェイスブックで、「選手の私たちには物事を変える力があると証明できた」と投稿し、各国代表団の結束を称えた。
台湾でダイビングのコーチを務める英国人、ドニー・マック(Donny Mac)氏はSNS上で、「AIDAは中国当局を恐れている。各国の選手は中国当局の考え方よりも、自由を大事にしているから、台湾を支持すると表明した次第だ」とRFAに語った。
台湾の蔡英文総統は1日にフェイスブック上で、各国代表団の声援について「非常に感動した」とした。また、大会で台湾の国旗を掲げた選手に対して「行動で世界に台湾を示した」「台湾人の強さと自信を見せた」として、感謝の言葉を述べた。
(翻訳編集・張哲)
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【ニュース・インサイト 】
ハト派の印象は本当か 岸田政権の対中共姿勢は
2021.10.06公開/大紀元時報TV日本語版
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上記二本のニュースは、何れも大紀元時報(WEB特化型ニュースサイト)が発信している。同サイトは、中国共産党の迫害を受けた中国人で構成される組織体で、世界各地に拠点を持ち、当然、中国国内にも情報提供者がいる。そういう意味で、中国国内事情には割と詳しいが、反中共色が鮮明なので希望的観測記事も多く、その分割り引いて見聞きする必要があろう。
AIDA(素潜り)世界大会のニュースを、我国オールドメディア(新聞雑誌・テレビラジオ)は何処も報じていない。唯一、J-cast(WEB特化型ニュースサイト)が台湾中央通訊社の記事を引用する形で報じただけだ。岸田政権に対する中国の反応も、中国各紙の報道をそのまま垂れ流しているに過ぎない。その点、大紀元時報は「反中共」の権化だから中共への配慮など微塵もなく、その弱点を暴いてくれるので実に小気味よく痛快極まりない。裏を返せば、我国の政財官学マスコミ界は、尽く中共の政治プロパガンダに屈してしまっているということだ。
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*ご参考*
素潜り世界大会
映像配信で中華民国の国旗削除
台湾の団体が抗議
2021/10/01 16:12 配信/フォーカス台湾(中央通訊社WEBサイト)日本語版
(台北中央社)フリーダイビング団体のアプネア国際振興協会(AIDA)は9月28日、世界選手権のインターネット配信映像から中華民国(台湾)の国旗を突如削除した。中国での配信に対する配慮だったとしていたが、台湾側からの抗議を受けて30日、ウェブサイトで正式に謝罪し、再発防止に取り組む考えを示した。
キプロスで開かれた世界選手権は9月20日から30日まで海洋個人戦が行われ、台湾からは5人が出場していた。AIDAは28日、ユーチューブ上でのライブ配信で同日の出場者一覧を映し出した際、台湾の選手のみ国旗を表示しなかった。
これを受け、AIDAタイワン(台湾フリーダイビング協会)は30日、フェイスブックで声明を発表。台湾選手の国旗の欄が空白にされたことについて、映像の中に中華民国の国旗が表示されていたことで、中国での配信に影響が出ていたのが原因だったと明らかにした。国旗の取り下げに関して台湾への事前通告はなかったという。
AIDAタイワンは「台湾選手の権益が著しく損なわれた」と批判。中華民国の国旗削除を決定したことは軽率であり、中国の検閲を通り抜けるためだとすれば、ほかの方法があったはずだなどとして協会側に抗議した。
これを受け、日本をはじめ、ロシアや米国、クロアチア、オランダ、オーストラリア、韓国、フランス、ドイツ、スロベニアなど少なくとも10カ国のAIDA支部も、自身のチームの国旗削除を求めるなどして台湾への支持を表明した。
AIDAジャパンはフェイスブック上に「台湾だけが不利益を負っている状況を看過できません。私たちは台湾と痛みを共有したいと思います」とのメッセージを投稿し、台湾にエールを送った。
AIDAインターナショナルは30日、公式サイトに「台湾への謝罪」と題した文章を掲載した。世界選手権のライブ配信における国旗の取り下げに謝罪した上で、再発防止のため、今後は別々のストリーミングサービスを設定する方針を明らかにした。
AIDAタイワンは1日、フェイスブックの投稿を更新し、AIDAインターナショナルとの間で共通認識と理解が得られたと説明。AIDAタイワンとAIDAインターナショナルは共に、全てのメンバーが平等の権利と義務を有していることや、AIDAが今後も引き続き公平なフリーダイビング大会の開催に尽力することを改めて確認したとつづった。
(黄巧雯、龍伯安/編集:齊藤啓介)
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ここで想い出すのが、幕末の志士久坂玄瑞が坂本龍馬に宛てた書簡だ。
(前略) 諸侯たのむに足らず、公卿たのむに足らず、草莽志士糾合義挙のほかにはとても策これ無き事と、私ども同志うち申し合いおり候事に御座候。失敬ながら、尊藩(土佐藩)も弊藩(長州藩)も滅亡しても大義なれば苦しからず。両藩共存し候とも、恐れ多くも皇統綿々、萬乗の君のご叡慮相貫き申さずしては、神州に衣食する甲斐はこれ無きかと、友人共申し居り候事に御座候。 (後略)
要するに、草莽崛起(名も無い民間人が大義のために結束して起ち上がること)を訴えたものだ。「独立不羈」とは、他人に頼らず、他人に影響されず、他から束縛されず、自らの意思で行動することを言う。
「天は自ら助ける者を助く」とは西洋の諺だが、我国には「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」がある。自らの命を犠牲にする(捨て身)覚悟があってこそ窮地を脱し活路が開ける(大願成就)という喩えだ。大抵は死にたくないから生殺与奪を握る者(権力者)に「命乞い」する(言いなりになる)しかない。ところが、死ぬ気になれば、殺されること自体への恐怖心が無効化される。つまり、結果として押しも押されぬ独立不羈の心境に達するわけだ。
利他行為こそが人々の尊敬を集めることは既に書いた。自己犠牲は究極の利他行為である。尊敬されまいでか。〝痛みの共有″という敵(中国共産党)の意図を逆手に取ったAIDAジャパンの捨て身の戦法は、日本ならではで天晴れと言うほかない。
大日本帝国陸海軍礼式歌『命を捨てて』というのがある。葬儀用礼式曲に反して、決然たる曲調が単なる鎮魂歌ではないことを窺わせる。
by 佐藤清吉指揮海軍軍楽隊(昭和6年発売日本ビクター盤)
作曲;古谷弘政(陸軍軍楽長)
命を捨ててますらをが 立てし勲功は天地の
あるべき限り語り継ぎ 言ひ継ぎ行かむ後の世に
絶えせず尽きじ 萬代も
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