異例続きの日米首脳会談
「対中国」で一致も問われる「日本の覚悟」
“ハンバーガー会談”同行後記
4/30(金) 12:01配信/FNNプライムオンライン(フジTV)
■両首脳はなぜハンバーガーに手を付けなかったのか
世界的なコロナ禍が続く中、2021年4月、菅首相はアメリカ訪問を断行した。一連の日程を終えた現地時間の16日夜、我々同行記者団と向き合った菅首相は、初めて対面で会談したバイデン大統領について興奮気味に語った。
「私自身も似ているような感じを受けていたんですけど、本人もそう思っているようでして、“たたき上げの政治家”ということで共通点がいっぱいある感じで、いろいろ下調べをしていて、一挙にこう打ち解けるというか緊張感が全くなくできたというふうに思っています。これからも付き合い続けていける。そう思いました」
会談を終えて間もない菅首相は、声はやや掠れ、表情も少し疲れているように見えたが、バイデン大統領の印象を聞かれると声のトーンが一段上がり、生き生きとした表情に変わった。共に「たたき上げの政治家」という共通点だけでなく、「これからも付き合い続けていける」という言葉が出たのは、まさに菅首相の本音、無事に初の対面会談を終えたという安堵の気持ちもあったのだろう。我々は、菅総理がバイデン大統領との一連の会談を直接は見ていないだけに、その光景を思い浮かべながら菅首相の話を聞いていた。
「ハンバーガーを食いながらやろうっちゅう話で、そのハンバーガー、全く手を付けないぐらい2人で話に入っちゃいまして」
菅首相はもともと何かを食べながら話す政治家ではない。「食事」と「話す」を綺麗に分けるタイプだが、そういう政治家が初めての首脳会談で供されたハンバーガーというのは、手を付けるにはそれなりにハードルの高いものだったのだろう。その後に提供された会談の写真を見た関係者の一人は、「あれ、本当は置物だったんじゃないですか?」と冗談交じりに語ったが、食べにくいハンバーガーだったからこそ互いの会話に集中できたということもあるのかもしれない。
■日米首脳による「幻の夕食会」
“ハンバーガー会談”などと例えられた首脳会談だったが、我々が注目していた日程の一つが、ディナー形式の会談が開催されるかどうかだった。実務的な会談はもちろん、首脳同士が互いの間合いを詰める場として食事を共にする場は外交の場で重要視されてきたし、菅首相もこうした場がセットされることを期待していたようだ。菅首相が訪米前に安倍前首相のもとを訪れた際にも、夕食会での“話題”についてやり取りがあったという。しかし、調整されていた「夕食会」は感染対策上の理由などにより見送られた。日本政府関係者は落胆の色を隠さなかったが、次のように頭を切り替えたようだった。
「日米首脳が楽しそうに食事をする姿が写真や映像で映し出されば、そんなことやっている場合なのかという批判も起きたかもしれない。完全クローズでやる案もあったが、(見送ったのは)結果オーライではないか」
■日米首脳会談、問われる「日本の覚悟」
今回の首脳会談は、開催に至るまで双方の調整が難航した。コロナ禍という制約、また、バイデン政権が発足して最初に迎える外国の首脳ということもあり、政府関係者がいら立ちを見せるほど、「段取りが決まるのが遅かった」という。ある意味では、無事に開催できたことが最大の成果とも言える。
たしかに首相官邸関係者は4月上旬、「外務省の幹部に『菅首相の訪米はどうなっているんだ?』と聞いたら『実ははっきりとした日程すら決まっていないんです』と答えたもんだから、『何が何でも日程は抑えろ!』とネジを巻いた」と懸念を口にするほどだった。果たして4月前半で調整されていた菅首相の訪米は一週間遅れで実現することになった。また、当初は前日の夕食会をはじめ、日米首脳が会する様々なイベントの可能性が双方で検討されたが、特にアメリカ側が感染リスクを懸念したことから、いずれも見送られた。「今回の首脳会談は極めて実務的なものになる」(政府関係者)という予告通りの会談になった。
「インド太平洋地域と、世界全体の平和と繁栄に対して、中国が及ぼす影響について真剣に議論を行いました」
共同声明に米中の間で緊張が高まる「台湾情勢」について盛り込まれたことも訪米の重要なポイントの一つだ。両首脳は、共同記者会見の冒頭発言で中国への対応に言及しつつ、台湾情勢については直接触れなかったが、菅首相は、記者の質問に答える形で次のように述べた。
「台湾海峡の平和と安全の重要性については、日米間で一致しており、今回あらためて、このことを確認いたしました」
今回、コロナ禍にも関わらず対面での首脳会談が実現した背景には、バイデン政権が「国際秩序に挑戦する唯一の競争相手」と位置づける中国に対し、同盟国という財産を最大限活用して対抗していきたいという基本戦略がある。その戦略には中国の隣国である日本の役割が極めて重要になる。それ故に、日米同盟の枠組みは、価値観を共有する国と個別に関係を築こうとするトランプ政権の手法とは似て非なる形で強化されることになる。多国間の枠組みを重視しつつ、日米同盟という“ツール”を最大限活用したいというバイデン政権の意図は明白だろう。政府関係者は会談の成果と課題についてこのように解説した。
「変な話、首脳会談が“成功すること”は政府専用機に乗る前にほとんど決まっているんだよ。『初めて会いました。失敗しました』なんてことは絶対ないわけで。良くも悪くも前のトランプ政権と違うのは、事前の調整をちゃんとやっているからね。問題は首脳会談が終わったあとでしょう。本当に台湾有事になった場合に日本は何をできるの?ということとかね、日米同盟のもとで具体的に何をするのかということが問われることになる」
共同声明には台湾情勢について「台湾海峡の平和と安定の重要性を強調するとともに、両岸問題の平和的解決を促す」と明記された。日米両国は、覇権主義的な動きを強める中国をけん制する強いメッセージを出すとともに、対話による解決の重要性も示した。また、首脳会談では、気候変動問題も大きなテーマになった。
■複数のテーマでカギになる中国への対応
両国は、2050年に温室効果ガスの排出を「実質ゼロ」にする目標に向け、世界の脱炭素化を支援する取り組みなどを柱にした「日米気候パートナーシップ協定」を立ち上げることで合意したが、この問題に関しても中国の協力が欠かせない。首脳会談を通じて鮮明になったのは、バイデン政権が日本との同盟関係を重視する姿勢と、アメリカの同盟国として、日本が極東アジアの平和と安定にどう具体的に寄与するかという行動姿勢だった。ポストコロナも見据えた日本と中国との向き合いは、トランプ政権時よりも、色濃いものになりそうだ。コロナとポストコロナ、覇権主義を強める中国とアメリカの対立、気候変動問題など、複雑化する国際政治の中で、菅首相に課される役割は大きい。
■同行記者団行も異例の対応続き…出発前の準備は
最後に、この訪米は、我々同行記者団にとっても異例の対応続きだった。菅首相や随行員、同行記者を含む訪米団は80人強。外務省によると「通常より2~3割少ない人数」とのことだが、ワシントンD.C.に向かう政府専用機の中の様子は、コロナ前の首相外遊とさほど変わりがなかった。ただ、訪米団全員が出発前に2回のワクチン接種とPCR検査を実施。専用機が現地に到着後もすぐPCR検査を行った。この間、コロナに感染すれば当然訪米ができなくなる。代わりの人員は用意されていない。我々記者団も、そうした緊張感をまといながら出発の日を待つ日々だった。ワシントン市内のワーキングルームが設置されたのは、ホワイトハウスの近くに位置するウィラードホテル。ここも以前、安倍首相のワシントン訪問の際に来た時と様子は変わらない。大きく異なったのは、外務省から現地特派員との接触を極力避けるよう要請されたことと、我々同行記者団の行動も、ウィラードホテルの敷地内から極力出ないようにしてほしいというものだ。普段なかなか会うことが叶わない特派員。コロナ禍で両国の往来が制限されているなかで積もる話があったが、面会は基本ホテル内のロビー内で行われた。日本のニュース番組の生放送に向けた記者中継の詳細、取材の段取りについての打合せも、基本的に電話やメールで行うほかなかった。「日本からウイルスを持ち込ませない」という大前提がこうした一連の制約に繋がったわけだが、こうした取材面での制約を通じても、対面での首脳会談がいかに困難な環境のなかで行われたかということを実感させた。ややドタバタのなかで取材を終えて専用機に乗りこんだとき、次このワシントンに来るのは一体いつになるのだろうなと、ふと思った。
(フジテレビ政治部・鹿嶋豪心)
良く言えば常識的、悪く言えば喰い足りない記事だ。はっきり言って、この首脳会談は「同床異夢」ではないのか。米国側が共産中国を明らかな「敵」と見做しているのに対し、我国政府に〝殺るか殺れるか″の緊張感は皆無に等しい。政経分離であわよくば金儲けしたい、との浅ましい下心が透けて見える。「二兎を追う者一兎も得ず」の俚諺どおり、最も危険な綱渡り外交である。米中双方に〝好い顔"見せたところで、両方から〝頼みの綱″を切られかねない。日和見では、誰からも信用されない。
何故こうなるのか。ひと言でいえば、今の我国政府に「国家観」などないに等しい。何処へ向かっているのか、さっぱり見えない。責任感とか使命感といった、「権利」の裏側にあるものが無限大に欠落している。何も政府機構に限った話ではない。政財官学マスコミ界が挙って〝事なかれ主義″に安閑として恥じないでいる。何より許せないのは、【弱きを救け強きを挫く】我国の正義を余所に、【溺れる狗を叩く(弱い者いじめ)】の権化中国共産党に無自覚にせよ屈服してしまっていることだ。
チェコ上院、台湾のWHO総会参加を全会一致で支持
外交部「歓迎と感謝」
2021/04/30 16:13配信/フォーカス台湾(中央通訊社)日本語版
(ロンドン、台北中央社)チェコ上院本会議で、台湾の世界保健機関(WHO)総会参加を支持する決議案が可決されたのを受け、外交部は30日、「心からの歓迎と感謝」を表明した。
同部の欧江安(おうこうあん)報道官によれば、チェコ上院本会議は現地時間28日、賛成58票、反対0票の全会一致で同決議案を可決した。チェコ上院では、昨年5月に外交・国防・安全保障委員会と衛生・社会政策委員会がそれぞれ、台湾の国際参加を支持する決議案を通過させているが、本会議で採決されたのは初めて。
台湾とチェコは昨年4月、新型コロナウイルスの防疫に関する共同声明を発表し、防疫テクノロジー、物資の整備、情報共有などで協力し合っているほか、ビストルチル上院議長が中国の反対を押し切って同8月に訪台するなど、双方の交流は深まっている。欧氏は、引き続きチェコやその他の友好国との関係強化を図り、より多くの国際機関への参加を目指していくと強調した。
一方、在チェコ中国大使館は、「中国の内政に干渉するもので、『一つの中国』原則を巡るチェコ政府の約束に著しく反している」とする声明を発表し、チェコ上院の決議に反発している。
第74回WHO総会は5月24日~6月1日の日程で、オンライン方式で開催される。
(戴雅真、鍾佑貞/編集:塚越西穂)
台湾に世界の耳目が集まるのは当然だろう。今日の国際情勢を米中対立の構図であるかのように語られることが多いが、そうではあるまい。昨年9月に訪台したチェコ上院議長が言った「自由+真実+正義」を護持するための戦いである。これを破壊せんと企んでいるのが中共である以上、その中共と対峙して防波堤となっている台湾に支持が集まるのは当然だ。
日本と台湾、この差は何なのか。いみじくも先稿で採り上げたことが現実になろうとしている。先人の遺産を食い潰してしまった今日、我国はもはや世界列強に伍するだけの国力はない。平成以降、〝貧国弱兵″紛いの愚策により、弱小国に落ちぶれてしまったのだ。何となれば、尊敬される国(=不義を正す正義の国)になるしかないのに、腰が引けて逃げまどうばかり。真に情けない。戦前、西洋列強に伍して、我国が東洋一の大強国としての地位を確保できたのは、取りも直さず西洋植民地政策に虐げられた亜細亜の民を救うため、西洋植民地支配からの亜細亜解放の大義名分の下、世界列強(西洋植民地支配国=不義)を向こうに回し、不利な大東亜戦争(太平洋戦争ではない)を敢えて断行したからに他ならない。
米英支蘇蘭を敵に回して無謀な戦争をした、とは戦後GHQのプロパガンダに過ぎない。戦闘に敗れたかもしれないが、結果として亜細亜諸国は尽く独立を果たしたではないか。戦争には負けたが、「正義」が勝ったのだ。
然るに、その西洋帝国主義・植民地主義を、二百年遅れで猿真似しているのが習近平中国共産党なのである。我国政府の正邪の判断は、あべこべ(狂ってる)としか言いようがない。人民・国民を欺く如何なる政府も、打倒すべき標的である。
【台湾応援】パイナップルを食べるだけじゃない.
..日本人ができる3つのこと
台湾ヴォイス;キャスター/林建良(元台湾同郷会会長)
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