武漢肺炎禍の国際情勢を語る際、グローバリズム(中国共産党政権)とナショナリズム(米国トランプ政権)の世界覇権を巡る政治イデオロギー対立との二元論で片付けてしまわれがち。が、果たしてそうだろうか。
我国の保守系論者は、トランプ大統領をとかく「保守派」と見做す向きが多い。ところが、保守主義にもいろいろありまして・・・。
1.近代主義を批判して伝統的共同体など伝統や文化を重視する「伝統保守主義」
2.近代の啓蒙主義より発生した「個人主義的自由主義」
3.近代のナショナリズムを背景とした国民国家など、国益を重視する「国家保守主義」
この分類なら、トランプ氏は明らかに「3」ですね。が、保守本流は飽くまで「1」である。けれども、自民党議員の大半は「2」と思われる。我国における「1」の国会議員は極少数派。かつ、財界・官界・マスコミの指導者層が圧倒的大多数のグローバリストというお寒い現状にある。
では、グローバリズムの旗頭、中国共産党を観てみよう。
*共産主義*
広義には共同体のための財産共有を意味し、
狭義には特にマルクス主義・ボリシェヴィズム・マルクス・レーニン主義などを指す
・今日の共産主義国-中国、ベトナム、ラオス、キューバ、北朝鮮
中国、ベトナム、ラオスには行ったことがあるが、政治体制に一党独裁という大きな違いがあるものの、経済システムは何ら変わらないのが実情である。
何が言いたいかというと、保守系論者の大半は挙って「戦後レジーム(体制)」を否定的にしか観ないが、自分は肯定的に観ることも可能だと思っている。つまり、日本古来のシラス思想に基づいて、共産主義(≒社会主義)の理想を実現せしめたのである。具体的には、企業を株主(投資家)の私有財産と捉える西洋式個人主義(ウシハク思想)とは一線を画し、企業を経営者、従業員、顧客の三者運命共同体(ゲマインシャフト)という考え方(シラス思想)の下、顧客第一主義を貫き、従業員を家族同然に尊重し、経営者が富(利益)を独占することもなかった。結果的に国民相互間の貧富格差是正に繋がり、〝一億総中流″意識(つまり、共産主義が理想とする富の公平分配)を実現するに至ったわけである。これを日本型社会主義(=共産主義)の精華と言わずして何と言おう。共産主義の理想が日本で実現しようとは、お釈迦様ならぬマルクスやレーニンも真っ青、といったところか。昔の為政者たる自民党執行部はみんな戦前の教育勅語世代であった、ゆゑに、シラス思想に基づき、社会党、共産党の主張をも採り込んだ最も日本的なる成果とも言えよう。
翻って現代中国を見るがいい。外見(見せかけ)こそ共産主義国家を装っているが、実態は共産党幹部どもの国家丸ごと私物化(富の独占=ウシハク思想)により、一般人民との貧富格差は無限に拡大するばかり。何のことはない、中国共産党幹部こそが我らプロレタリアの敵であるブルジョアそのものと化しているのだ。共産主義の成功者たる我国に対する底の浅いウソ八百「反日プロパガンダ」は、既に語るに落ちている(破綻している)のである。
*ご参考*
田中英道-疫病の世界史#3
偽情報に対する免疫力と抵抗力をつけよ
-日本から見たサピエンス全史・新型コロナウイルス特別編-
~林原チャンネル~2020年5月20日配信
*ご参考*
シラス=知らす=情報を共有しつつ、みんなで話し合って物事を決める
ウシハク=主人履く(うしはく)=主人だけが全てを所有(独占)する
-出典;古事記-
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