武漢肺炎禍に外出自粛要請もあって、乱世の到来を告げるかのような国際情勢の報道を見聞きするにつけ、我が【国體】とは何ぞや? という原点に関心が行く。
馬渕睦夫×ビル・トッテン よみがえる日本対談!#1
2020/06/03配信/林原チャンネル
馬渕睦夫×ビル・トッテン よみがえる日本対談!#2
2020/06/04配信/林原チャンネル
自分の考え方に適う番組だから採り上げたのは事実だが、本質を衝く対談だと思う。米国系日本人であるビル・トッテン氏が、グローバリズムの正体を見抜いて旧祖国の米国批判をしているところが面白い。同様のことは韓国系呉善花氏、中国系石平氏にも言える。但し、呉・石両氏が政治的理由で祖国を捨てざるをを得なかったのと違い、ビル氏は思想信条とは無関係に帰化している。
この対談を視ていて、想い出したことが二つある。一つは、故渡辺昇一氏がよく口にしていた【敗戦利得者】の存在。もう一つは、昭和45年に入社した我社(生保)の社風というか企業風土のこと。前者は、GHQが軍国主義(根拠のない言い掛かりに過ぎないが)に協力したとして公職(民間人を含む)追放された政・財・官・学・言論界の補充要員として採用された連中を指す。彼らの多くがそれまで非合法だった共産党員やそのシンパである。この中には戦勝国気取りで悪逆非道の狼藉に及んだ在日朝鮮人もいた。当然ながら在日台湾人もいたが、「敗戦利得者」どもとは一線を画していたようで、騒ぎを起こしたという話は寡聞にして聞いたことがない。やがて彼ら(=敗戦利得者)やその後輩が各界の指導的立場を占めるようになり、いわゆる【戦後レジーム(体制)】が確立されるに至ったのである。
もう一つの社風について、対談にある「君民一体」の表現が妥当かどうかは別として。本来、営利目的の利益体(ゲゼルシャフト)である会社組織であるにも拘わらず、あたかも同一家族のような共同体(ゲマインシャフト)的色彩が強かった。「会社は公共物(役職員+契約者)」であって経営者の私的財産ではない、が”企業理念”であった。
【われらの信條】
一、われらは顧客第一主義を旨とし、契約者奉仕に務めます。
一、われらは社会の一員であることを自覚し、社会に貢献します。
一、われらは聖業に従事するを誇りとし、職務に最善を尽くします。
営業室正面左右に社祖と会長の御真影、その中央にこの「信條」が掲げられてあり、毎朝礼で唱和していた。懐かしいなあ、あの頃。それが、平成に御代変わりした頃から、「信條」唱和は廃止され、社歌から部署名、役職名、果ては働き方まで西洋式(はっきり言ってアメリカナイズ)されていった。また同時期、一種のステータスであった女子事務員の制服も廃止された。そして、低金利時代という環境の変化もあったが、会社は次第にがおかしくなり、結局会社合併という形で100年以上の伝統を誇った我社は吸収され消滅してしまった。何でも西洋流がよいと信じて、吟味もせずに模倣するのは間違いである。我国は、西洋と歴史も違えば思想も異なる。一例として鋸を考えてみるがいい。西洋鋸は押して切るように出来ているが、我国は引いて切る。それを、一律に西洋鋸に切り替えたら、大工さんはどうなる。生理的に合わない仕事は苦痛でしかない。子供でも分かる道理ではないか。
なお、名誉のために付け加えておかねばなるまい。国旗・社旗掲揚と降納の儀式(?)だけは、会社合併後も毎朝夕の日課として引き継がれている。所轄部署にいたからウソではない。
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