2020年で日韓関係はさらに悪化?
朝日新聞前ソウル支局長が読み解く
1/10(金) 8:00配信 /AERA
1年3カ月ぶりの首脳会談で得られたこともある。
会談に先立ち、韓国政府関係者がひそかに日本政府に頼み事をした。
「我々は、日本政府が徴用工問題で一歩も退かない姿勢であることはわかっている。だが、この事態を文大統領が理解していないかもしれない。ぜひ、安倍首相から直接、文氏に日本の立場を説明してほしい」
そしてこの韓国政府関係者はこうも伝えた。
「文大統領は決して正しい判断ができない人ではない。正確な情報が本人の耳に届けば、何とかなるかもしれない」
これが何を意味するのか。絶対的な権力者である韓国大統領は日常、側近たちに囲まれて執務している。なかなか外部と直接やり取りする機会がない。日韓関係筋は「政権浮揚しか頭にない側近たちが、日韓関係でも楽観的なことばかり大統領に伝えている可能性があるからだ」と語る。
そして、安倍首相は前述した通り、徴用工問題で一歩も退かない姿勢を示し、「韓国側の責任で解決してほしい」と訴えた。
この訴えは文氏に届いたのだろうか。
別の関係筋によれば、文氏は首脳会談のなかで「徴用工判決問題は韓日関係にとって重大な問題である」と語った。文氏も、事態が深刻な状況にあるという点は理解しているわけだ。そして、韓国政府の望み通り、安倍首相は徴用工について厳しい立場を直接、文大統領に伝えた。
ただ、現金化は20年の前半にも行われる可能性がある。時間はそれほど残されていない。文氏は首脳会談で「徴用工判決の原告や被告ら関係者全員が納得する答えを見つけなければいけない」と語ったというが、具体策には言及しなかった。
日本側も、この状況について「ようやく韓国も目が覚めたか」と高笑いしている場合ではない。
事態がここまで深刻化したのは、韓国大統領府と同様、日本の首相官邸にも「外交よりも政権浮揚」「外務省は下働き」という意識が強すぎたからだ。19年7月の韓国向け輸出管理規制措置の強化は、官邸が主導した結果だったが、「外交の懸案を経済にまで広げた」という国際的な批判を招いた。
韓国を叩(たた)くだけ叩いて、仕事は全部外務省に丸投げしたため、首相官邸と韓国大統領府との間に信頼関係を築けなかった。ようやく、官邸は今回、文喜相(ムンヒサン)法案に期待をかける空気は作ったが、大統領府を動かすまでには至らなかった。
そして、2020年の日韓関係は更に厳しい環境に置かれることになる。
まず、「政権浮揚」という官邸と大統領府が一番関心のある問題に直面する。韓国は4月に総選挙を控える。安倍政権の支持率が落ち気味のなか、東京夏季五輪後には総選挙がある可能性もある。内政に気を取られ、外交で妥協する余地はさらに狭まるだろう。
北朝鮮情勢も不穏だ。北朝鮮が期限とした19年末までに、米朝関係は劇的な進展を見せなかった。20年には北朝鮮を巡る安全保障環境は確実に悪化する。米国が日韓それぞれに迫っている防衛費分担金の大幅増や中距離ミサイルの配備問題も控えている。日韓関係の悪化を利用しようとする中ロの動きも一層激しさを増すだろう。
日韓が争う時間を与えてくれるほど、世界は暇ではない。
朝日新聞編集委員・牧野愛博(AERA/2020年1月13日号より抜粋)
コメント総数;287
*1.2020年で日韓関係はさらに悪化?。関係改善の見込みは薄いですよね。それにしても両国間の関係悪化の火に油を注ぎ、更なる関係悪化に拍車をかけた新聞社の人間が今更何を言っているのでしょうか?。
*2.悪化したままでいいんじゃないだろうか。
日本からすれば妥協して甘く対応してきた結果が今…
北朝鮮の事は気がかりにはなるが…
*3.制裁は繰り返し襲って来ます。一回目の制裁より、二回目、三回目の制裁の方が大きくなる事があります。
「1」のコメントが、マッチポンプ記事の本質を衝いている。韓国や中国との歴史認識問題は、尽く朝日新聞の確信犯的「誤報」が発端となっている。この記事を読むと、思い込みを利用した老獪な手口が如何なるものかがよく分かる。要するに、最初から最後まで裏付けのない憶測に満ちた記事なのだ。これだから、誤報を連発するのも当たり前。鼻持ちならない内容に、読むのがイヤになる。ネトウヨが認める「反日新聞社」たる所以である。
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