掲題を思い立ったのは、通販で買った10枚組CD『甦える童謡歌手大全集』と『親子で読んで楽しむ日本の童謡』付録CDの影響が莫大である。後者は絶版のようだが、とりわけ付録とは思えぬCDが佳い。音源復刻の第一人者である郡修彦氏がSP盤から復刻してあり、他のどんな復刻盤より音質鮮明である。ただ、グウタラな性格ゆゑ、家捜ししても直ぐには見つからない。幸い、ワークシート化したファイルがあったので、後者の曲目リストを挙げておく。
『親子で読んで楽しむ日本の童謡』付録CD曲目リスト
01.靴が鳴る/東京府女子師範小学生連(昭和12年7月)
02.叱られて/川田孝子(昭和27年11月)
03.てるてる坊主/平井英子(昭和3年1月)
04.赤蜻蛉/飯田ふさ江(昭和12年5月)
05.青い目の人形/飯田ふさ江(昭和12年10月)
06.赤い靴/松永薗子(昭和24年1月)
07.背くらべ/杉田和子、椎橋睦子(昭和23年7月)
08.夕焼小焼/永岡志津子(昭和7年3月)
09.兎のダンス/平井英子(昭和4年9月)
10.証城寺の狸囃子/平井英子(昭和4年3月)
11.雨降りお月/平井英子(昭和8年11月)
12.アメフリ/平山美代子、中山梶子(昭和13年5月)
13.絵日傘/永岡志津子(昭和7年3月)
14.花かげ/永岡志津子(昭和7年3月)
15.嬉しい雛まつり/河村順子(昭和11年2月)
16.かもめの水兵さん/河村順子(昭和12年4月)
17.お猿のかごや/大道真弓(昭和23年3月)
18.リンゴのヒトリゴト/河村順子(昭和15年7月)
19.アノ子ハタアレ/秋田喜美子(昭和16年2月)
20.船頭さん/中根庸子(昭和22年7月)
21.汽車ポッポ/川田正子(昭和23年3月)
22.見てござる/川田正子(昭和22年6月)
23.里の秋/川田正子(昭和23年3月)
24.みかんの花咲く丘/井口小夜子(昭和22年7月)
いずれも佳曲ゆゑ、後稿でも採り上げるつもりだけれど、まず始めに聴くべきは誰が何と言おうと「24」ですね。
我が生誕の前年にレコードが発売(初演は昭和21年NHKラジオ)されている。これを聴くと戦災の傷跡が無数に残っていた昭和20年代の光景が甦えるのである。
CD収録は井口小夜子(1914-2003)さんだが、初演は川田正子(1934-2006)さんが行っている。そんなわけで、SPレコードはキング(井口盤)とコロムビア(川田盤)で競作となった。因みに、連合国(実質米国軍)占領下ゆゑ、GHQ検閲通過済の歌詞とのこと。
『みかんの花咲く丘』(昭和21年8月公開;NHKラジオ)
加藤省吾作詞/海沼実作曲
井口小夜子盤
川田正子盤
う~む、33歳対13歳の歌競べですね。童謡だから、どうしても成人歌手では分が悪い。このCDを手にするまで、井口さんが歌ってるなんて知らなかったほど。井口さんは戦前の童謡歌手というより、NHKラジオ連続放送劇『紅孔雀』(昭和29年)の主題歌を歌った小母さんのイメージだなぁ。
コメント