BS/CS/地上波/ネット配信を問わず、古のTV番組(韓流やクラシック・バラエティ番組を除いて殆ど昭和期の作ばかり)放送録画を続けている。何かしてないと落ち着かない性分なので。けれども、録り貯めただけで大半がお蔵入りの有り様。日常の視聴に堪え得る番組はごく少数に過ぎない。それらを初放送年順に列挙してみよう。おのれの傾向が分かるかもしれない。
01.月光仮面(昭和33年;KR-TV=現TBS)
02.ブロンコ(昭和33年;米ABC)
03.まぼろし探偵(昭和34年;KR-TV)
04.七色仮面(昭和34年;NET=現テレ朝)
05.風小僧(昭和34年;NET)
06.豹の眼(昭和34年;KR-TV)
07.ララミー牧場(昭和34年;米NBC)
08.兼高かおる世界の旅(昭和35年;TBS)
09.琴姫七変化(昭和35年;読売テレ)
10.白馬童子(昭和35年;フジ)
11.三匹の侍(昭和38年;フジ)但し、保有しているのは昭和41年放送分以降
12.ザ・ガードマン(昭和40年;TBS)
13.新選組血風録(昭和40年;NET)
14.ウルトラQ(昭和41年;TBS)
15.0012捕虜収容所(昭和41年;米CBS)
16.アウターリミッツ(昭和41年;米ABC)
17.用心棒シリーズ(昭和42年;NET)
18.おやじ太鼓(昭和43年;TBS)
19.3人家族(昭和43年;TBS)
20.鬼平犯科帳(昭和44年;NET)
21.銭形平次(昭和44年;フジ)註;第一回放送は昭和41年
22.右門捕物帖(昭和44年;日テレ)
23.水戸黄門(昭和44年;TBS)
24.大岡越前(昭和45年;TBS)
25.必殺シリーズ(昭和47年;NET)
26.木枯し紋次郎(昭和42年;フジ)
27.剣客商売(昭和48年;フジ)
28.子連れ狼(昭和48年;日テレ)
29.伝七捕物帳(昭和48年;日テレ)
30.江戸の旋風(昭和50年;フジ)
「白馬童子」までは、内容そのものより子供時分に視た懐かしさが先行しての結果である。「三匹の侍」は、剣戟効果音の始祖として歴史的価値を保つが、スタジオビデオ撮り主体なので、今視るとどこかウソっぽいし舞台裏が透けて見える感じで興を削がれる。「ザ・ガードマン」は刑事物の亜流かもしれないが、今時のサスペンスドラマから失せてしまった適度な緊張感が堪らない。「新選組血風録」「用心棒シリーズ」をリアルタイムで視た記憶はない。後年の時代劇に比べると相当に男っぽい。両者のスタッフキャストには共通性があって、該当話しか登場しない人物が放送終了後、どんな人生を過ごしたか知りたくなるような仕掛けになっているところが憎い。
「ウルトラQ」は科学空想TV劇の先がけであろう。しかし、子供の頃観た映画「ゴジラ」(昭和29年)や「ラドン」(昭和31年)はまことに恐ろしかったが、もう大学生だったし劇場に比べて極小画面のテレビでは臨場感などまるでなく、ガラモンやラゴンなどの怪獣キャラクターが可愛く映ったものである。
「0012捕虜収容所」は開局間もない東京12チャンネル(現テレ東)で愉しみにしていた戦争コメディ番組。戸田皓久、愛川欽也、久野四郎、大木民夫、神山卓三らが吹替えしていた。なお、先述の「ブロンコ」「ララミー牧場」はともに字幕スーパー版である。自分が最初に視たのは日本語吹替版だから、ジェス(ロバート・フラー)が原語(英語)で喋るのには激しい違和感を否めない。やはり久松保夫の声でなければならぬ。
「おやじ太鼓」「3人家族」は家族団欒で視られる典型的なホームドラマ。核家族化、個人尊重、単身赴任などといった生活環境が激変して家族(家庭)をズタズタにされた結果、“家族団欒”など今や成立しなくなっている。この二本とも木下惠介が関わっている。今では「死語」同然の語が頻出するし、長幼・男女の区分も明確だ。悪人が登場しない特殊性にも因るが、何より言葉遣いが謙虚かつ丁寧である。
最後に「伝七捕物帳」「江戸の旋風」は、全話でないにせよ旧き伝統に戻った描き方である。つまり、捕物劇の本筋よりも浪花節的人情話が主になっている。この時代は、西部劇調のヤンキー(不良っぽい)な時代劇が主流であっただけに余計目立つ。
こうしてみるとおのれの傾向としては、単に面白可笑しいだけの娯楽一辺倒より、どちらかといえば適度な緊張感を伴うシリアス(真面目)な番組好みってとこかな。
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