海外旅行を東洋に限ると、一度でも訪れたことがあるのは、韓国、中国、台湾、香港、シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシア、ミャンマー、ラオス、ベトナム、カンボジアの各國。太平洋州を含めるとパラオへも行ったが、独自通貨を持たず米ドルをそのまま利用している。このうち韓国、台湾、香港、シンガポール、マレーシア、ミャンマーの紙幣は遣いきったためか、もはや手許にない。但し、コインなら家捜しすれば出て来るかも知れない。
☆ 東洋の紙幣 ☆
1980年代に5回ほど渡航した。当時、現地通貨に両替すると、一般人民が遣う人民幣(レンミンピー)でなく俗に[ワイウェイ(外滙)]と称する[外貨兌換券]が渡された。人民弊と額面同価で遣え、且つ外国人向け友誼商店にしかない高級輸入品などは兌換券でないと買えなかったため、喉から手を出して欲しがられたのは昔の話、制度廃止(1993年)により最早紙屑同然である。逆に大衆食堂などでは、幾ら高額兌換券を出そうとも[リャンピャオ(糧票)]と呼ばれる食糧券がなければオマンマにありつけない。まぁ、居合わせる現地客が、『困った外人さんよ』ってな顔で券を投げてくれるので、大抵何とかなりますけどね。
通貨単位は1元(圓・块)=10角(毛)=100分だが、兌換券に1角以下の補助貨幣がないため、釣り銭に人民弊が混じることがある。これがまるでおもちゃの紙幣みたいに小さく可愛かった。当時の為替レートで1元≒100円が、現在は15円程度に円高が進んでいる。
なお、2007年に軍政時代のミャンマー・シャン州モンラー(参考記事)という中国との国境地帯を訪れたことがある。ミャンマーの通貨は日本語で[チャット]。だが此所では、従業員こそ現地人(主にシャン族・タイ族)なるも、言語は北京語、通貨は人民弊。ホテルやカジノの客層も支那人ばかり。まるで植民地か租界のようで、19世紀末~20世紀初頭における支那を裏返したみたい。その時の一元札が手許にある。
1989年の初訪泰以来、毎年のように行くので遣い残しタイバーツは、再両替せずそのまま持ち帰っている。この間、タイでもインフレが進み、新貨幣が幾度か発行されている。最初の訪タイ時、未だ10฿札が少量ながら出回っていたが、今や硬貨に取って代わられ、まず見かけることはない。補助通貨はサタンで、1฿=100サタンになる。昔はスーパーなどで買い物すると、釣り銭に極小の50サタン、25サタン硬貨が混じることがあった。しかし、最近はほとんど見かけなくなったなぁ。
インドネシアも1990年代に幾度か訪れた。東南アジア各国と同じくこの国も超インフレのため、札束勘定に四苦八苦する。通貨単位は日本語で[ルピア]だが、現地発音を聴く限り[ルピー]と聞こえる。つまり、印度の通貨単位と同じ発音。当時のレートで1ルピア≒0.0786円程度だったが、円高が更に進んで今や1ルピア≒0.0086円である。つまり、保有する1000ルピア札を例に採ると、当時なら78円68銭の価値があったのに何時の間にかたったの8円60銭に目減りしてしまったことになる。100ルピア札も数枚在るが、もはや市場流通してないと思われる。当時でも1000ルピア未満は飴玉が釣り銭代わりだったほど。
今では10万ルピア札も出回っているようだが、当時の最高額紙幣は1万ルピア。肖像画が懐かしきカルティニさんだったなぁ。
ラオスへも3度ほど行った。タイの隣国とあって、言葉も文字も親戚同士みたいによく似ている。違うのが政治体制、今では数少なくなった社会(共産)主義国家の一つである。今はどうか知らないが、当時(1990年代)は近代化が遅れていて長閑な地方色が残っていた。首都ビエンチャンでさえほんの一部しか道路舗装されておらず、殆ど砂利道だったほど。通貨は日本語で[キープ]。しかし、非公式ながらタイバーツが市中でそのまま遣えた。1万キープ札が一枚だけ手許にある。現在のレートだと約128円28銭だそうな。
ベトナムへは1995年頃、1度しか行ったことがない。たまたまクラシック音楽を通じて知り合った友人(日本人)が、現在ホーチミン市で奥さん(現地人)や娘さん(二重国籍らしい)と暮らしているが、当時は未だ独身かつ日本国内在住だったのでご家族にはお会いしたことがない。
ベトナムはその昔、安南と呼ばれて支那(中国)の属国だったことから、文化的にはチャイナ圏である。したがって、漢字語源の言葉が結構残ってるらしい。通貨は日本語で[ドン]。社会主義国らしく、どの紙幣も肖像画はホーチミンばかり。2千ドン札を数枚持っている。現在のレートで一枚約9円30銭に相当する。当時、ホテルのビール、ジュース等飲料類が一律1万ドン(約100円)だったと記憶する。
アンコールワット観光目的で上記ベトナムとともにこのカンボジアも1度だけ行った。チャイナ圏のベトナムとは隣国なるも、文化的にはどちらかと言えばタイやラオスに近い。通貨は日本語で[リエル]。ボロボロになった500リエル札が一枚だけある。現在のレートで約12円79銭に相当する。拝借した画像は2002年発行新札のため、所有紙幣と図柄(アンコール遺跡)は同じでも構図がかなり異なる。
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