管理人の日記

往年の名選手 ＊トンボ＊

 

　トンボユニオンズは、嘗てプロ野球パ・リーグに存在したチームだが、実際の試合はおろかテレビ放映も観たことがなかった（と思う）。親会社はトンボ鉛筆である。昭和30年当時は小学二年生だったので鉛筆には馴染みがあり、球団名だけはよく憶えている。ただし、三菱、コーリン、トンボの鉛筆三社のなかで、愛称“ユニオンズ”は三菱商品名「ユニ」と混同しがちで何だかややこしい。なお、三菱鉛筆は旧三菱財閥系ではないのだそう。今日のコーリン鉛筆は倒産し、ロゴの向きを右から左に変えてタイ国で生産続行中とか。またトンボ鉛筆のロゴは、長らく創業者の謙虚な想いを反映して下向きトンボだったのに対し、今では上向きトンボに変わってしまったらしい。【十年ひと昔】とはよく謂ったものだ。「浦島太郎」ではないけれど、60年以上経つと世の中全体がまるで別世界になったみたい。

守備	野 手 名	背番	打率	打点	本塁打
左	栗木　孝幸	23	.241	18	6
遊	前川　忠男	1	.234	31	6
右	山田　利昭	7	.296	29	3
一	笠原　和夫	4	.274	31	1
捕	レッカ	62	.187	35	10
中	黒田　一博	25	.237	37	4
三	河内　卓司	8	.269	23	1
二	三瀬　雅康	37	.190	14	0
	萩原　　昭	6	.213	21	1
	加藤　一昭	9	.218	25	0
	ブッサン	32	.223	26	6
	東谷　夏樹	5	.204	9	1
	西倉　　実	54	.193	10	0
	石川　　進	33	.302	10	0
	兵頭　　冽	3	.191	7	0
	樋口　貞一	2	.129.	3	0
	青木　　惇	57	.111	0	0
	山岸　静馬	55	.391	5	1

投 手 名	背番	投球回	勝 敗	防御率	奪三振
スタルヒン	17	196.2	7-21	3.88	56
滝　　良彦	16	198.2	9-14	3.66	89
中野　隆夫	14	131.0	7- 7	2.82	67
野村　武史	18	115.2	6-12	4.42	57
吉岡　史郎	22	154.0	4-11	3.80	76
伊藤　四郎	11	64.2	1- 5	3.88	32
柴原　光三	51	65.2	0- 2	2.73	48
田中　照雄	28	87.2	3- 4	3.58	25
相沢　　進	20	142.1	4-10	4.41	38
中西　由行	19	30.2	1- 5	4.65	20
川田　幸雄	10	27.0	0- 2	5.00	15

　選手で憶えているのは、笠原とスタルヒンだけ。おっと、パラダイスキングのキュピーちゃんと同姓同名の誼で石川進も知ってるぞ。どうでもいいけど、当時の通算最多勝投手スタルヒンがまだ現役とは。最近知ったことだが、上記黒田一博選手は現広島東洋カープ黒田博樹投手の父君という。

＊ご参考＊
高橋（トンボ）ユニオンズ選手名鑑（昭和32年）

　後年、『プロ野球ニュース（フジテレビ系）』の司会者に転身する佐々木信也選手の名が見えますね。でも、現役時代などまったく知りませんな。

（完） 

往年の名選手 ＊東映＊

　プロ野球二リーグ創設当初（昭和25年）は、邦画大手五社のうち東宝、日活を除く三社（松竹、大映、東映）が球団経営に乗り出していた。まだテレビ放送開始前の頃だけに、映画と野球が大衆娯楽の双璧を成していた。東映フライヤーズもその一つだが、金満親会社による余技経営の域を出ず、頗る弱かった。この年（昭和30年）もパ・リーグ8球団中7位に低迷した。球団ピークは、巨人から水原監督を迎えて二年目、初の日本一になった昭和37年を待たねばらない。

守備	野 手 名	背番	打率	打点	本塁打
三	西江　一郎	2	.280	30	0
二	浜田　義雄	4	.237	25	2
中	毒島　章一	33	.298	50	6
右	箕原　　宏	7	.227	59	15
一	原田　　清	11	.232	31	2
左	増本　一郎	29	.228	26	4
捕	鈴木圭一郎	22	.216	12	1
遊	水上　静哉	8	.239	31	0
	土井垣　武	23	.255	21	1
	常見　　昇	3	.215	12	0
	浅原　直人	36	.194	25	3
	種田　訓久	5	.217	19	3
	高木　公男	1	.255	8	0
	神谷　定男	6	.167	8	0
	英　　謙次	32	.208	4	0
	野村　　浩	25	.091.	2	0

投 手 名	背番	投球回	勝 敗	防御率	奪三振
米川　泰夫	19	353.1	22-21	2.26	185
宮沢　澄也	15	171.2	8-10	3.14	45
海野　尚武	35	136.2	3-13	3.61	71
布施　勝巳	16	144.2	4-13	3.23	75
今西錬太郎	18	77.0	2-12	3.97	24
久保田　治	62	68.0	3- 4	3.97	26
寺川　昭二	24	108.0	4- 4	3.33	18
福島　郁夫	43	38.0	1- 0	2.84	16
樽井　清一	20	101.1	4- 6	3.18	41
原　　利忠	47	36.2	0- 2	1.72	22

　選手名で憶えているのは、毒島、土井垣、米川、久保田ぐらい。その毒島でさえ、はじめは正しく「ぶすじま」と読めず、「どくしま」と思い込んでいたほど。まだ、西園寺、吉田勝、張本、山本八、土橋、安藤元、尾崎らの名が見えず、“暴れん坊球団”の異名をとったチームとは思えないほど弱かったのですよ。

＊ご参考＊
東映フライヤーズ選手名鑑（昭和32年）

　映画会社を親とする球団らしく、球界引退後に俳優へ転身した「八名信夫」「寺島達夫」の名が見られるのが興味深い。

 

往年の名選手 ＊大洋＊

　またまた一ヶ月以上も更新間隔があいてしまった。脳梗塞後遺症による視覚障害ゆゑにみ書きが思うに任せぬこともあるが、生来のぐうたら癖が露見してしまった。

　大洋ホエールズは、初代セ･リーグ覇者の松竹ロビンスを吸収合併したにも拘わらず、昭30年代前半までは万年Bクラスと低迷した。初優勝（日本一）は、三原監督と明大から秋山･井のバッテリーを迎えた昭和35年（1960）を待たねばならない。この年（昭和30年）は、最下（6位）に終わっている。

守備	野 手 名	背番	打率	打点	本塁打
遊	引地　信之	22	.242	33	8
一	小林　章良	12	.220	21	4
中	青田　　昇	23	.268	54	17
捕	目時富士雄	11	.197	25	6
三	手塚　明治	5	.222	25	2
右	椙本　　勝	20	.245	26	3
左	新井　竜郎	28	.196	17	0
二	南　　温平	9	.172	8	1
	山村　幹弘	33	.215	7	0
	友川　賢次	43	.137	7	3
	藤井　　勇	30	.283	18	4
	高橋　眞輝	2	.200	2	0
	楠　　拡応	1	.190	5	0
	吉成　武雄	38	.200	3	0
	浜田　一男	7	.200	1	0
	中村　敏行	48	.139.	0	0
	宮崎　　剛	40	.667	1	0

投 手 名	背番	投球回	勝 敗	防御率	奪三振
江田　貢一	15	220.1	10-14	2.97	47
大石　正彦	14	204.1	8-16	3.51	99
服部　茂次	27	171.0	5-15	3.32	86
小林　経旺	10	125.0	2-14	4.10	38
杉川喜久雄	3	55.1	0- 8	5.63	15
神田　昌男	8	63.2	2- 4	2.81	30
権藤　正利	18	198.0	3-21	3.73	161
鈴木　　滋	32	40.1	1- 4	3.79	21
高野　裕良	16	25.2	0- 3	4.91	11

　自宅にテレビなどなかった当時（昭和30年）、セ･リーグ最下位チーム（大洋）のことなどまたく関心がなかった。けれども、こうして個人成績を眺めてみると、引地、青田、目時、大石権藤など、記憶に残っている名前もある。おそらく昭和35年の優勝時、日本シリーズのテレ中継などで後年知ったのだろう。それにしても、この年だけで21敗も喫した権藤の負けっぷが凄い。確か通算最多連敗（28）の不名誉な日本記録を保持しているはず。でも、綺麗な投フォームの左腕で三振奪取率も高く、悲運の投手として割かし好きでした。

＊ご参考＊
大洋ホエールズ選手名鑑（昭和32年）