1981年(昭和56年;民国暦70年)は、前年の初訪台で台湾旅行の要領がわかり、確か一人旅だったと思う。したがって、この年のヒット曲は結構知っている。何故なら一人旅では話し相手もなく、観光以外にはカセットウォークマンを聴くか、言葉(北京語)がわからなくともテレビを視ているしかなかったから。
好好愛我
by 鳳飛飛(ふぉん・ふぇいふぇい)
ずいぶん聴かされた曲だが、これが高中正義作曲で成ったということは、ずっと後年になるまで知らなかった。ありがちな日本曲の北京語カバー盤と違い、端から鳳飛飛のために書かれた曲らしい。作詞は台湾の林煌坤が担当している。歌詞があって作曲したか、或いは曲を聴いて歌詞を付けたか、どちらが先なのか判然としないが、メロディと歌詞との間に違和感はない。歌詞を観て作曲したのだとすると、高中正義の北京語読解力は大したものと認めざるを得ない。
你的凝望
by 阿倫(あるん)
曲名を訳すと『君の視線』という意味らしい。もとをただせば香港の譚詠麟(アラン・タム)のヒット曲。ただ、買った海賊版(?)カセットテープが「阿倫」表記だったので、こちらにした次第。更に調べてみたところ、「阿倫」とはアラン・タムの台湾での別名だとか。なぁ~んだ。
愛你在心口難開
by 甄妮(つぇん・に)
本来なら最もヒットしていた鳳飛飛盤にすべきところだが、所有するカセットテープが甄妮盤なので、こちらを採り上げた。在台時、この曲も至る所で耳にした。外来曲だろうという想像はしていたが、長らく原曲が何なのか知らなかった。
*ご参考*『愛你在心口難開』の原曲
More Than I Can Say
by Leo Sayer
送你一把泥土
by 費玉清(ふぇい・ゆぃちん)
この映像、視たことあるぞ。それにしても費玉清さん、若いですねぇ。当時、台湾における流行語でもあった「愛国歌曲」の一つ。妙な話、この頃の台湾は、「台湾」でなく「中華民国」という正式国号で呼ばれてましたよ。国際的孤立への危機感からか、“愛国心”が声高に叫ばれた時代だったわけ。
謝幕曲
by 蔡琴(つぁい・ちん)
これも「愛国歌曲」の一つだが、悲壮感が全面に漂う一連の曲とはやや趣を異にしている。そのせいか、いわゆる「愛国歌曲」のなかでは比較的好きな部類に属する。
鄉村路上
by 蔡幸娟(つぁい・しんちぇん)
偶々この曲のカセット・テープを持っているので採り上げたが、ヒットしなかったと思う。当時の蔡幸娟さんは、アイドル系ではなく校園民歌系に分類されてましたね。中学生にして、既に実力派(?)の評価を受けていたのだろうか。
以上、おしまひ。
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