今朝は午前7時半にもう目が覚めてしまった。といっても、日本時間では午前9時半だから決して早起きとは言えない。いつもなら、隣接小中学校朝礼(午前8時)の喧噪で否応なく叩き起こされるのだが、とにかく想像以上に肌寒く感じる。昨年もこんなだったかなぁ。
昼餉はチェンマイランドにある「北門」へ。客は私奴一人だけ。50席ほどあるレストランを一手に借り切ったみたい。ここには讀賣新聞衛星版が置いてある。気を利かせた馴染みの店員嬢が頼みもしないのに、今朝付の最新紙を持ってきてくれる。
新聞の地元面によると、タイ東北地方ローイ県に寒冷警報が発令されたとあった。日本では聞き慣れない“警報”だが、最低気温15℃以下の日が三日以上続くと発令されるらしい。ローイより北に位置するチェンマイなら、寒く感じるのも道理である。
思い起こせば、1989年5月の初訪泰時、あまりの猛暑に辟易して『タイのベストシーズンはいつか』と尋ねたところ、即座に『12月なり』の回答が返ってきた。そこで会社の顰蹙をよそに同年12月、再びタイへやって来たものの、このときも寒かった。チェンライの野外レストランでは、ジャンパーを着込んで食事したほどであった。
もちろん、寒いと言っても日本の真冬並みというわけではない。朝夕ちょっと冷え込むだけで、日中は陽射しと共に30℃前後まで気温が上がる。今回長袖は、日泰間往復時に着用する一組だけしか持って来てない。まさか、よそ行きの一張羅を毎日着るわけにも行くまい。
さて、このチェンマイランド。1990年代まで営業許可を得た公式置屋を始め、いかがわしいカラオケ店やディスコクラブ等の風俗店が並ぶ一大歓楽街だったのだが、タクシン政権時代のクリーン化政策により廃業に追い込まれ、いまではすっかり寂れてしまった。かといって需要がある限り風俗業自体が消滅するはずもなく、裏稼業として地下に潜ってしまうから、問題は却ってやっかいである。
自分に経験があるわけではないが、何か事件が起きた場合、身元保証人でもある店長や旦那・女将さん衆に苦情を言えば簡単に解決したものを、今では置き引きに遭って逃げられたとしても、苦情の持って行き場がないので、泣き寝入りするしかない。実際、裏稼業というのは、そこが「付け目」なのですけどね。みなさん、気をつけましょう。
話が逸れた。件の「北門」はもともと焼肉が本業。料理人はタイ人。何処で修行したか知らないが、日本国内の一流店と変らないしっかりした味を提供してくれる。とりわけ《鯖ステーキセット(160฿)》がお薦め。脂の乗った焼き鯖に野菜炒めの添え物。副菜に何とミニとんかつ、茶碗蒸しまで付く。香の物は言わずと知れたキムチ。それにご飯と豆腐の味噌汁ってな具合。これで日本円に換算すると僅か¥581-なのだから笑いが止まらない。尤も、今年6月なら同じ160฿でも、¥521ーで済んだわけだけど。
残念ながら、こうしたちゃんとした味を出す和食レストランが次々と閉店している。かといって需要が減っているわけでなく、地元大資本の和食チェーン店に客層を奪われているのでしょうね。ただ、和食チェーン店と言っても、地元タイ人向けの味付けだから、旅行者としての日本人が食すには、『和食もどき』の感を否めないのが難点(決して不味いわけではないが)。
ところで、逗留先近くのチャンクラン(直訳すると【象歩き】)通りは、ナイトバザールを突き抜けるチェンマイでも有数のメインストリートだが、昨今は北西部に住宅が建ち並び、人の流れもそちらへ移りつつある。そんな折、またぞろ大規模フードセンターが出来ていた。どうもこちらの経営者は、市場動向に鈍感過ぎる気がする。ホテルにしても、供給過多により廃業して行くその傍で、新しいホテルが建つありさま。自分が心配する問題ではないが、何をか言わんや、である。
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