昨9日午前11時半の飛行機でチェンマイを発ち、同日午後11時前に羽田に着いて帰国しました。自宅に辿り着いたのが午前零時半近くだったので、実際に戻ったのは本日(10日)ですけど・・・。
向こうにいる間、全く気にも留めなかったが、タイの政情が騒がしいみたい。反政府派(反タクシン元首相派)のデモで首都バンコクは大揺れだとか。しかしチェンマイは、当のタクシン元首相の出身地とあって、何事もなく平穏そのもの。
六・七年前は今回とは逆で、赤シャツ軍団(タクシン派)が開港したばかりのバンコク・スワンナプーム新空港を占拠したため、空港が閉鎖されたことがあった。その時は、占拠前日に帰国していたため、運良く難を逃れることができた。
以下はあくまで個人的な見解にすぎないが、タイ貢献党(タクシン派)とタイ民主党(内実は守旧派)の関係は、日本の政界とは逆で、革新政権に難癖つける守旧派といった構図になっている。観方を変えれば、地方農村部貧困層対大都市(バンコク)部富裕層の対立でもある。
タイの人口を所得別で観ると、貧困層が圧倒的大多数であり、富裕層は極く少数にすぎない。従ってまともな選挙を行えば、人口比率で勝る貧困層支持政党が圧勝するに決まっている。ところが今まで、軍事クーデター等で度々それを阻んできたのが、既得権益を有する富裕層なのである。タクシン派革新政権が守旧派富裕層から目の敵にされるのは、貧困層寄りの政策で既得権益が奪われかねないからである。
その証拠に、タクシン政権時代にはOTOP(村おこし)政策で地方都市が一定の活況を呈していたし、守旧派政権になった途端、50バーツだった日泰友好クンユアム戦争博物館の入場料が、外国人500バーツ(タイ人は今までどおり)という不当差別料金に値上げされた両方を経験している。
まぁ、まともな勝負では敵わない守旧派は、反王制だの汚職だのといったタクシン派のネガティブキャンペーンを張っている。しかし、それを信じる者は少ない。汚職なら守旧派のほうが酷いに違いないから、個人的にはあり得ない話ではないと思うが、反王制(王制打倒)というのは俄には信じ難い。公式に共和制移行を唱えているわけではないし、反王制的言動があるわけでもないからだ。日本に於ける天皇の政治利用ではないが、国民的支持を誇るタイ国王を利用した意図が見え隠れする。
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