前稿で書いたとおり、デジタルオーディオプレーヤーが出始めの頃、旅行には韓国製COWONのiAUDIOを携帯していた。ただ、マッチ箱より小さいので却って操作が難しいうえ、容量が1GではMP3に圧縮してもせいぜいCD5枚分くらいしか入らない。それでも、音質が良くてとても重宝していた。
今では動画も観られる大容量(64G)のiPod touchに買い換えたが、如何せん音質が悪すぎる。そこで、イヤホンへの拘りスパイラルが始まる。最初はオーディオテクニカのCKS70、断線により上位のCKS90に変更。ただし、高域が気に入らなくなってSHUREのSE215を買い増し。つひにはゼンハイザーのフラッグシップ機IE80まで買う羽目に。
ゼンハイザー製品は、折りたたみ式ヘッドホン型PX200と音量調節可能な後継機PX200ⅡをPC用に所有していて、ドイツのメーカーらしくクラシック向きの自己主張しない控えめな音が気に入っている。どうでもいいけど、後で買った後継機種のほうが先にイカレてしまった。
ところでイヤホン物色中、クチコミ情報に頻出する“ポタアン”なる用語に眼が留まった。どうやらポータブルヘッドホンアンプの略称らしい。横文字では“PHA”とも表記されるようだ。ウソか本当か知らないが、ポタアンで劇的に音質が変わることを聞きかじり、試しに手頃な価格のものを買ってみた。
繋げてみて驚いた。マッチ箱みたいな筺体からは想像できないほど豊かな音になった。貧弱なラジカセを高級オーディオ装置に替えた、といっても過言でないほど音が分厚くなり、解像度も格段に向上する。現有SE215とIE80はリケーブル(交換)も出来る。付属品が1.6mと1.2mで旅行には長すぎるので、0,8mと0.6mのものをそれぞれ買い足した。気のせいか、リケーブルでも音の傾向が変わるようだ。変な話、SHURE用に買ったSAECのケーブルは、本体より高価なんですよ。
今回思ったのは、多くの企業が多国籍化してしまった現在、もう【ブランド】で買う時代ではありませんね。ゼンハイザーはドイツ、SHUREはアメリカの会社に相違ないが、製品自体はともにMade in Chinaでした。下の写真中、SAECのケーブルが唯一の日本製という有り様。SONYにしろトヨタにしろ、国際的ブランド力があればあるほど、もはや厳密な意味での【日本製】とは言い難くなっている。
写真左から
国産たばこ(単なる大きさ比較のため)
iPod touch(デジタルオーディオプレーヤー)
iBasso A01(ポータブルヘッドホンアンプ)
IE80(ゼンハイザーイヤホン)-写真右上部
SE215(SHUREイヤホン)-写真右下部
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