前稿で鳳飛飛さんを採り上げたばかりなのに、何気なく中文版ウィキペディアを覗いたところ、今年1月にお亡くなりになったとのこと。まったく知りませんでした。
同い年のテレサ・テン(鄧麗君)さんとは、何かにつけて比較(といっても主に鳳飛飛ファン側からだが)されてきた。“あの世”では仲良くしているのだろうか。
こうして二人の経歴を見比べると、万人受けする甘い歌声で世界中の名声と富を得たテレサさんの私生活は、政治的な思惑に翻弄されて意外に孤独だったみたい。逆に寂寥感漂う声質の鳳飛飛さんは、華字圏限定のローカル歌手という小人物扱いが却って奏功し、政治的に利用されることもなく、家族にも恵まれて一庶民としての普通の暮らしが可能だったようです。声質とは裏腹な二人の人生に、新たな関心を誘われる。
では、自身の歌手生活を歌った曲とも言うべきこの歌をどうぞ。
☆ 掌聲響起(1986年) - 鳳飛飛
『掌聲響起』(拍手が鳴り響く) - 鳳飛飛
作詞:陳桂芬
作曲:陳進興
孤獨站在這舞台 聽到掌聲響起來
我的心中有無限感慨
多少青春不在 多少情懷已更改
我還擁有你的愛
好像初次的舞台 聽到第一聲喝采
我的眼淚忍不住掉下來
經過多少失敗 經過多少等待
告訴自己要忍耐
掌聲響起來我心更明白 你的愛將與我同在
掌聲響起來我心更明白 歌聲交會你我的愛
これより一昔ほど前に、『喝采』(ちあきなおみ)という曲があった。私的な内容の歌詞が同型であっても、『喝采』が歌手自身が泣いてしまう歌だとすれば、『掌聲響起』は聴衆を泣かせる歌と言えよう。
コメント