はじめのうち、何だかどれも似かよった曲だなあ、としか感じなかったが、このアルバム(左画像)は面白い企画だと思う。つまり、曲名こそ違え、同じ旋律を用いた男女の連歌(応答歌)形式になっている。かといって、全てがそうでもなく、単なるデュエット曲や男或いは女同士という例もあるが、同じ曲(旋律)でも歌手や編曲によって別曲(悪い意味ではない)のようになってしまうことがよく判る。
つい先日、懐かしの1980年代で採り上げたように、日本の歌謡曲(しあわせの一番星)がタイへ輸入されると、曲名が《คนข้างเคียง(寄り添う人)》に改められ、歌詞も原詞のタイ語訳ではなく、タイ語による独自の歌詞が宛がわれる。その結果、原曲の乙女チックな片想い歌という曲想を離れ、รัก(ラック;愛する)を連発するタイ人気質の恋愛歌に変わってしまう。
良し悪しは別にして、歴史も文化も日本とは違うタイの人々にすれば、仮に原詞のタイ語訳で聴いたとしても、他者を思いやる日本人特有の感性を以てしない限り、歌詞の真意は理解できないと思う。おそらくタイのสาว(若い女の子)だったら、好きなら好きとはっきり言えばいいのに、としか映らず、日本の女の子(浅田美代子)ってもどかしいわね、ってな調子でしょう。いや、女性上位の昨今では、むしろ原詞を理解する日本人すら少ないかもしれませんね。
では、アルバムの第23・24曲からどうぞ。
間違った手紙+通わぬ心 2002年
自分がアップした動画で気が引けますが、もともとは別曲として独立したクリップを繋ぎ合わせたものです。邦訳歌詞がなくとも、コミカルな映像から何が起こったかは想像に難くない、と思量いたします。
さて、エーさんのデビュー曲にも何と応答歌らしきものがあるんですね。このアルバムの第9曲と第10曲です。
ติด ร. วิชาลืม(忘却学入門) - แอร์ สุชาวดี(エー・スチャワディ)
タイ語不案内の当方が、大胆にも邦訳歌詞を付けてみました。ただし、誤訳・珍訳の宝庫と化した可能性もありますので、コーヒータイムには決してご覧になりませぬよう。吹き出されても責任は負いかねます。
แก้ ร วิชาลืม(忘却学を解く) - ตุ้ม จ่านกร้อง (トゥム・チャンクロン)
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