タイの洪水被害が深刻な状況らしい。台風みたいに暴風こそ伴わないものの、雨季には「バケツをひっくり返したような」という形容がピッタリするほど猛烈な豪雨に見舞われる。しかし、日本の梅雨のように一日中降り続くことは滅多になく、大抵は一時間もすると晴れ間が覗く。そんなことで油断もあるのだろう。治水対策がまるでなってない。
自分はチェンマイとかチェンライとかの北部地方しか知らないが、ひと雨来ると道路が一瞬にして大河(?)と化す。数年前、チェンマイ市内ピン川に面して誇らしげに建てられた超高級ホテルが、開業早々冠水のため営業休止の憂き目に遭っている。道路に沿っていちおう排水溝があるものの、道路自体が川になってしまうのだから屁の突っ張りにもならない。おまけに、沿道の住家が道路よりも一段低いところに建ってたりする。毎季、同じような苦い思いをしているだろうに、いったい何を考えているのだろう。
国民性なのか、カネの問題なのか。その点、日本は治水の最先進国と言えよう。その秘訣は、“(水の)逃げ道”を作ってやることだとか。対象を悉く征服せんと燃えたぎる西洋流思考からは導き出せない、如何にも日本ならではの発想ではありませんか。タイへはかつて日本から治水用経済援助金が贈られたと聞く。その現場を視てみたら、事業は中断されたまま放置してあった。結局、一部関係者のフトコロを潤しただけに終わったのだろうか。
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