みなさま、こんばんは。
大バッハの宗教楽曲については、「マタイ受難曲」が終わったところですが、もう一つの「ヨハネ受難曲」も曲調こそ違え、同趣の曲目ですので、ここでは触れずに失礼させていただきます。
ほかに、「クリスマスオラトリオ」「昇天祭オラトリオ」「復活祭オラトリオ」というのもあります。なかでも「クリスマスオラトリオ」は、ティンパニーが加わった華やかな雰囲気が好きです。
このティンパニー(timpani)は伊語らしいですね。知りませんでした。英語はkettledrums、つまり「薬罐太鼓」ってわけでしょうか。これが独語だとPaukenとなるようです。要するに太鼓でいいじゃないかと思うのですが。管弦楽中、とりわけティンパニーとホルンの音色に魅せられていて、有る無しで極端に好き嫌いが分かれます。
話は逸れますが、ブラームス第一番の出だし、赤穂浪士の討ち入りみたいでいい。まあ、山鹿流の陣太鼓とは打ち方が違いますが。ベートーヴェンのVn協奏曲(通称;ベトコン)の出だしも太鼓が入っていますね。ドスンドスンと響いて、これもいい。
ということで、カンタータに行きましょう。バッハの教会カンタータは、BWV(バッハ作品総目録番号)の1番から199番まで。200番以降は世俗カンタータになっています。ただし、BWVはジャンル別の作品番号で、時系列の整理番号ではない、とのこと。
以後、カール・リヒターのアルヒーフ・レーベル盤「バッハ・カンタータ集」のライナーノーツから拾いたいと思いますが、これは教会暦順になっています。故に、この選集の第1巻は、待降節第一日曜日用《いざ来ませ、異邦人の救い主よ。》BWV61から始まっています。同日用カンタータとしては、他にBWV62とBWV36があります。
わけても、この選集にはないものの、BWV36《Schwingt freudig euch empor》がいい。手許にあるのは、ギュンター・ラミン指揮によるベルリンクラッシックレーベルで、独語歌詞のみ。邦訳曲名すらわかりません。録音は昭和二七年十一月、於;聖トーマス教会とのこと。
全曲を通じて、救世主の誕生(クリスマス)を待つ希望と幸福感に満ちています。特に、第一部を締め括る第四曲のコラールが素晴らしい。純真無垢な聖トーマス教会少年聖歌隊の歌声は、真っクロけなお腹が洗われるようです。腹クロさは一向に消えませんが、何度聴いても飽きないですね。
そんなわけで、対訳はありませんけど、独語コラール歌詞を転載します。どなたか、独語得意の方がいらっしゃいましたら、邦訳していただければ助かります。
Zwingt die Saiten in Cythara
Und laßt die süße Musica
Ganz freudenreich erschallen,
Daß ich möge mit Jesulein,
Dem wunderschönen Bräutgam mein,
In steter Liebe wallen !
Singet, springet,
Jubilieret, triumphieret,
Dankt dem Herren !
Groß ist der König der Ehren.
ありがとうございました。
* 追 伸 *
ネットで探したら邦題が見つかりました。
《 喜び勇みて羽ばたき昇れ 》 BWV36
だそうです。
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