《 第66話 》 「決戦の前夜」
【 あらすじ 】 山本記者が捕まったと知って節子は動揺する。そこへ月光仮面が現われ、機密をどくろ仮面に渡すようにと書かれた手紙を残す。月光仮面を信じるあや子は、爆弾の機密がペンダントに隠されていることを祝と節子に明かし、機密を渡すことを決意する。
柳木博士邸。節子とあや子の前に月光仮面が現れ手紙を。
あや子 「『どくろに機密を渡せ。あとは引き受ける。月光仮面』」
節子 「まさか、今のは贋者?」
あや子 「(否定の)うううん。この字は、間違いなく月光仮面の書いたものだわ。」
節子 「じゃあ、あや子さんは・・。」
あや子 「ええ、覚悟したわ。お父様に知れると叱られるかもしれないけど、山本さんを殺すわけにはいかないし、それに月光仮面がついててくれるんですもの。わたし、言うとおりにしてみる。」
祝 「今、月光仮面が来ませんでしたか。」
あや子 「ええ、来たわ。これ。」 手紙を渡し 「十郎さん、どうしたらいいかしら。わたしは月光仮面の言うとおりにしようと思うの。今度こそ、きっと月光仮面は決戦をするつもりなんだわ。」
祝 「しかし・・。肝心な機密が・・。」
あや子 胸のロケットに触れ 「ここにあるわ。」
祝 「ん~ん、さすがの僕も、それには気づかなかった。」
節子 「じゃ、それを兄のために・・。」
あや子 「ええ、万一の時のため、中身を抜き取っとけば安心でしょ。この中には機密の隠し場所が書いてあるのよ。」
祝 「ちょっと見せてください。」 受け取ったロケットをすり替える。
あや子 ノック音に「どなた?」
松田 「どうも。」
祝 「どうでした?」
松田 「いやあ、あのババアのしぶとさには参りましたよ。」
祝 「で、ユリは?」
松田 「あ、あれは、だいぶ考え込んでますよ。祝さんに助けられてから、少しは良心に目覚め始めてるのかもしれませんですなあ。」
祝 「ん、じゃあ、明日にでも一度、タイガーと会わせてみますか。」
松田 「そうですな。きっと喜びますよ。何しろあの二人は、結婚の約束をしているそうですからねえ。(あや子に)あ、博士は?」
あや子 「あ、奥にいます。」
松田 「じゃあ、ちょっと。」
ここで、注目したいのはあや子さんです。父を尊敬し慕っているにも拘わらず、決して盲従することなく、父とは異なるしっかりとした己の意思を持っています。これが、本来の自立した個人の姿であろうと、わたくしは思うのであります。
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