続いて第3話です。
《 第3話 》 「疑われた仮面」
【 あらすじ 】 月光仮面は風間を撃った黒覆面の男を追跡する。墓地に逃げ込んだ男を追った月光仮面をどくろ仮面一味が取り囲み、銃撃戦を繰り広げる。月光仮面は一味の一人を捕えるが、どくろ仮面が男を射殺。駆けつけた警官は月光仮面が殺人犯だと思い込む。
予めお断り申し上げますが、【 あらすじ 】は、正直言ってYahoo動画サイトからのパクリであります。何もDVDを買わなくてもネット配信(有料)されていたんですね。“慌て者の銭失い”というか、全然知りませんでした。他にgoo動画サイトでも配信されているようです。URLは敢えて貼りませんけど、興味のある方はどうぞ。
さて、最後の場面。口止めのためボス(どくろ仮面)に射殺された黒覆面の遺体とともに月光仮面が居るところへ、三人の警官が駆け、殺人犯と間違われる。その時の遣り取り。
警官「おっ、殺人犯だ。」
月光「いや、私ではない。」
警官「とにかく、本署まで御同行ください。」
月光「いずれ真相はわかる。では、失敬。」と去る。
警官「あっ、待ていっ、逃げると撃つぞ!」威嚇射撃。月光仮面消える。
昔は、「失礼」ではなく、「失敬」だったのですよね。
お得意の辞書検索してみました。
しっけい 【 失 敬 】
1.人に対して礼を失した振る舞いをすること。
2.先に席を立つこと。また、人と別れること。
3.他人のものを黙って自分のものにすること。盗むこと。
[感] 人と別れるときの挨拶や、失礼を詫びるときにいう語。
多くは男性が用いる
この場合、「別れの挨拶」としての用例ということになりましょうか。言われてみれば、女性は、昔から「お先に失礼します。」でしたね。あくまで自分本位の判断ですが、男でもどちらかと言えば同僚もしくは目下用という意識があり、目上に対してはなかなか遣い難かったです。
この頃、片岡千恵蔵主演『七つの顔の男だぜ』の多羅尾伴内シリーズでも、「失敬」がよく遣われています。今日、同語はほとんど聞けなくなりました。
またまた脇道の話です。多羅尾伴内は変装の名人ということになっていますが、観客にそれとわかってもらわなくては困るので、子供の目にも伴内探偵である事が見え見えでした。
それに比べると、この『月光仮面』は格段に素晴らしい。主題歌の「何処の誰だか知らないけれど、誰もがみんな知っている」という歌い出しそのもので、祝探偵ではないかとみんなが想像しているにも拘わらず、決してそれを明かさない。五郎八の口癖ではないが「それを言っちゃねえ。」なのです。そこで、一気に興が醒めてしまいますからね。
実は、月光仮面が黒眼鏡を外して誰であるかを明かす場面が、第一部、第二部の最後のほうで出てきます。しかし、テレビ視聴者には背を向けたまま、対手にだけ明かすのですよ。憎いではありませんか、この演出。対手の表情から、さらにこの「謎」を楽しめるわけです。
ありがとうございました。
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