■ 第十二課 書物を借用する手紙
(口語文)
拝啓。 此の間は参上致し、御馳走になりまして、有り難う存じます。其の時拝見致しました農業書、只今御不用でございますならば、兩三日の間、拝借願ひたうございます。お差支がなければ、どうぞ此の者にお渡し下さい。 早々。
(候文)
拝啓。 此の間は参上致し、御馳走に相成り、有り難く存じ候。其の節拝見致し候農業書、只今御不用に御座候はば、兩三日の間、拝借願ひたく候。お差支これなく候はば、何卒、此の者に御渡し下されたく候。 早々。
同じく返事
(口語文)
拝啓。 御手紙拝見致しました。先達ては折角御出で下さいましたのに、一向御構ひ申しませんで、失禮致しました。御申し遣はしの農業書は、只今、自分方では不用でございますから、御使に持たせて差上げます。ゆるゆる御覽下さい。 早々。
(候文)
拝啓。 御手紙拝見致し候。先達ては折角御出で下され候處、一向御構ひ申さず、失禮致し候。御申し遣はしの農業書は、只今、自分方では不用に付、御使に持たせ差上げ候。ゆるゆる御覽下されたく候。 早々。
・ 練 習
左の候文を口語文に書き改めなさい。
(一)、次の日曜日に、御差支これなく候はば、健一君と私方へ御遊びに御出で下されたく候。
(二)、御手紙有り難く拝見致し候。次の日曜日には、差支これなく候に付、健一君と共に参上致したく存じ候。
小学生の段階で、今ではほとんど使われない「候文」の書き方まで、教授されていたようです。自分にはとても候文では書けません。練習が候文を口語文に書き改める問題で、ああ、よかった!!
なほ、その練習で「左の候文を・・・」との記述は、転載ミスでも何でもなく原本が縦書のため。
しかし、文末に「早々」とあるのは明らかに「草々」の変換ミスでしょう。いくらなんでも、教科書原本の誤植とは思えません。
まあ、こんな重箱の隅をつつくようなことを指摘するから人々に嫌われる、と自分自身、百も承知しているのですが、わかっちゃいるけどやめられないんですよね、これが。
ありがとうございました。
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