■ 第九課 世界(三)
先生「センダツテカラ、世界ノコトニツイテ、イロイロ話シ
マシタガ、モウ少シ話シタイコトガアル。皆サンハ世界
中ニ、人間ガドレホド住ンデ居ルト思ヒマスカ。
コレハ誰モ知リマセンカ。世界ノ人口ハ凡ソ十六億アル。
實ニ澤山ナ數デセウ。ソレデハ我ガ日本ノ人口ハ、ドレ
ホドデスカ。」
生徒「凡ソ七千萬人デス。」
先生「サウダ。ミンナデ七千萬人ホドアル。サウスルト我ガ
日本ノ人口ハ、世界ノ人口ノ二十三分ノ一ニ當ルワケダ。
面積ニクラベルト、割合ニ人口ガ多イ。獨逸ノ人口ハ日本
ヨリ千萬人モ少ナク、佛蘭西ハ三千萬人モ少ナイ。」
生徒「今ハ世ノ中ガ大層進ミマシタガ、ソレデモマダ開ケナイ
人間モアリマスカ。」
先生「ソレハアルトモ。亞細亞ノ沙漠地方ニハ、天幕ヲ張ツテ
住ンデ居ル人間ガアルシ、太平洋ノ島ニハ、樹ノ上ニ家ヲ
造ツテ住ンデ居ル人間ガアル。又、北亞米利加洲ノゴク北
ノ方ニ居ル人間ハ、氷ノ家を造ツテ居ル。此ノ外、亞弗利
加洲ノ黑人ナドモ野蠻人デアル。」
生徒等ハ、今ノ世界ニモ、マダソンナ人間ガアルカト思ツテ驚キマシタ。
・ 練 習
一、世界ノ人口ハナニホドアリマスカ。
二、日本ノ人口ハナニホドアリマスカ。
三、世界ノ中ニハ、ドンナ開ケナイ人民ガ居マスカ。
四、第七課カラ第九課マデニ習ツタ日本ノコトヲマトメテ、口語文ニオ作リナサイ。
当時(大正四年)の世界人口は約十六億でしたか。百年近く経った今、67億人と言われますから、四倍強にも増殖(?)していますね。日本の場合、七千万が一億二千万で、伸びは約二倍弱。つまり、世界總人口の23分の一から56分の一へ転落。世界の趨勢(?)から大きく後れをとってます。大丈夫か、少子化対策。歴史は繰り返す、と申しますが、「産めよ、増やせよ。」と叫ぶ政治家が現れませんね。
「亞弗利加洲ノ黑人ナドモ野蠻人デアル。」
って、先生。いいんですかね、そんなことをあからさまに仰って。目を三角にした人権擁護派が大挙して抗議に押しかけますよ。
ありがとうございました。
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