■ 第十三課 食 物
人は絶えず體を動かしたり、腦を使ったりしますから、自然と體力や腦力が減ります。それで之を補うために、食物が必要なのです。
食物には、たヾ一種だけで、人の體に入用な滋養分を適當に含んで居るものは、殆んどありません。それですから、色々な物を食べることが必要です。何處の國の人も、穀物・野菜・肉類などを食べますが、これは自然と道理にかなって居ることです。
植物質の食物というのは、穀物・野菜・果物などです。穀物には米・麥・粟・稗・黍・豆などがあり、野菜には大根・蕪菁(かぶら)・菜・瓜・茄子・甘藷・馬鈴薯などがありますが、これ等は多くの人々が、ふだん食べる大切な物です。
果物は桃・杏・梨・林檎・蜜柑・栗・柿・棗(なつめ)などで、これ等も人が多く好んで食べます。けれども、決して、熟さない物を食べてはなりません。
蕃椒(とうがらし)・蒜・韮などは多く用いると、體を害します。殊に幼年の者にはよくありません。
動物質の食物というのは、鳥獸魚介などの肉で、多くは滋養分に富んで居ます。
食物は消化し易いように、料理することが最も大切です。又、肉類でも、野菜でも、生で食べるにはよく氣を付けなければなりません。生の肉類や野菜には、蟲の卵や黴菌のついて居ることがありますから、それを食べると、體の害になります。又、腐った物を食べるのは、殊によくありません。
すべて食物はよくかんで食べ、決して食べ過してはなりません。
諺に「病は口より入る。」とあるのは、まことによい誡です。
・ 練 習
一、此の課に書いてあることを、まとめてお話しなさい。
ニ、食物にはどんな種類がありますか。
三、種々な物を食べることが必要なわけを、文にお作りなさい。
四、物を食べるに、注意すべきことをお話しなさい。
五、食物や動物の中で、人々がよく食べる物の名を、知って居るだけ、言ってごらんなさい。
蕃椒(唐辛子)を多く用ゐると、體を害するさうですよ。気をつけませう。
を は り 。
ありがとうございました。
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