■ 第十七課 尹淮鵝鳥をあわれむ
昔、尹淮という人がありまして、學問が博く、且つあわれもの心が深うございました。
或る時旅行して、日暮になったので、とある宿屋に行って、一夜の宿を頼みましたけれども斷わられました。多分、身なりがわるかったからでしょう。
そこで尹淮は、よんどころなく、宿屋の庭の隅で一夜をあかそうと思って、其處に坐って居ました。其の時、此の家の小さな子が、美しい珠を持って出て來ましたが、過ってそれを取落しました。
すると、ちょうど傍に鵝鳥が居て、直ぐそれを呑んでしまいました。
主人は其の子が珠を持って居ないのを見て、驚いてあちこちと探しました。けれどもどうしても見當りません。そこで、これは、きっと、あの人が盗んだにちがいないと思い込んで、官に訴えるつもりで、尹淮を縛りました。尹淮は少しも爭わないで、主人がする通りになって居ましたが、たゞ「どうか、其の鵞鳥を私の傍に繋いで置いて下さい。」と言いました。
ところが、翌朝になると、其の珠が鵞鳥の糞の中にまじって出て來ました。主人は驚いて直ぐに尹淮の繩を解いて、深く詫びました。そうして、「なぜ昨日は、あんなに默って居たのですか。」と聞きますと、「いや、、昨日それを言うと、お前があの鳥の腹を割いて、珠を探すであろうから、かわいそうだと思って、默って居たのだ。」と答えました。
・ 練 習
一、主人はなぜ尹淮を縛りましたか。
二、尹淮はなぜ默って縛られて居たのですか。
三、「よんどころなく」「ちがいない」「多分」ということばを用いて、三つの短文をお作りなさい。
四、此の文に書いてあることを、つゞめて言ってごらんなさい。
五、次の字に假名をおつけなさい。
淮。 唯。 博。 縛。 傳。
心温まるお話ですね。尹淮(いんわい)という名からして、朝鮮に伝わる民話か何かなのでしょうか。ネット検索したら、ハングルでは「ユンフェ」と読むようです。
そして、ここに行き当たりました。
ハングルとは当方にはチンプンカンプンかつ何やら反日サイトの臭いがしなくもなくちと怪しげですが、写真の下にそっくりこの『國語讀本巻七』と『國語讀本巻六』が掲載されてあります。
ハングルの得意な方がありましたら、大意だけでも教えてくださると助かります。
ありがとうございました。
P.S.
「韓国史」「韓国光復軍」などの一部は、判明いたしました。
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