第六學年用第六課「四季の雨」
一、降(ふ)るとも見(み)えじ、春(はる)の雨(あめ)、
水(みづ)に輪(わ)をかく波(なみ)なくば、
けぶるとばかり思(おも)はせて。
降(ふ)るとも見(み)えじ、春(はる)の雨(あめ)。
二、俄(にはか)に過(す)ぐる夏(なつ)の雨(あめ)、
物(もの)ほし竿(ざを)に、白露(しらつゆ)を
なごりとしばし走(はし)らせて。
俄(にはか)に過(す)ぐる夏(なつ)の雨(あめ)。
三、をりをりそそぐ秋(あき)の雨(あめ)、
木(こ)の葉(は)・木(こ)の實(み)を野(の)に、山(やま)に、
色(いろ)さまざまにそめなして。
をりをりそそぐ秋(あき)の雨(あめ)。
四、聞(き)くだに寒(さむ)き冬(ふゆ)の雨(あめ)、
窓(まど)の小笹(をざさ)にさやさやと、
更行(ふけゆ)く夜半(よは)をおとづれて。
聞(き)くだに寒(さむ)き冬(ふゆ)の雨(あめ)。
しっとりとした佳い唱歌です。これといった具体的な描写はないにも関わらず、詩が情感を掻き立てて素晴らしいと思います。
同じ雨でも、日本人の感性では、四季折々に違った印象を持つのですね。南国のスコールにはこうした情緒など、まったくありません。土砂降りか、かんかん照りか。黒白がはっきりしています。
日本に生まれて、あぁ、よかった!!
ありがとうございました。
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