第五學年用第二課「金剛石・水は器」(昭憲皇太后御歌/奥好義曲)
金剛石
金剛石(こんがうせき)もみがかずば、
珠(たま)のひかりはそはざらむ。
人(ひと)もまなびて後(のち)にこそ、
まことの德(とく)はあらはるれ。
時計(とけい)の針(はり)のたえまなく
めぐるが如(ごと)く、ときのまの
日(ひ)かげをしみて勵(はげ)みなば、
如何(いか)なる業(わざ)かならざらむ。
水は器
水(みづ)はうつはにしたがひて、
そのさまざまになりぬなり。
人(ひと)はまじはる友(とも)により、
よきにあしきにうつるなり。
おのれにまさるよき友(とも)を
えらびもとめて、もろ共(とも)に
こころの駒(こま)にむちうちて、
まなびの道(みち)にすすめかし。
昭憲皇太后陛下は、明治大帝の御妃様であらせられます。
復刻教科書「緒言」の第六項は、次のようにあります。
卷頭ノ「みがかずば」「金剛石」「水は器」ノ三首ハ、何レモ昭憲皇太后ノ御歌ニシテ、嘗テ尋常小學修身書卷五ニ奉掲シタルモノナリ。「みがかずば」ノ曲ハ本省ニ於テ特ニ撰定シタルモノ、「金剛石」及ビ「水は器」ノ曲ハ女子學習院撰定ノモノニ係ル。
* ご参考 *
第二課「皇后陛下」
皇后陛下は教育の事に深く御心を用いさせ給い、さきに東京女子師範学校に
みがかずば玉も鏡もなにかせん学びの道もかくこそありけれ
という御歌を賜い、また華族女学校を建てさせ給いて「金剛石」「水は器」の御歌を賜えり。
皇后陛下は我が国の産業にも御心をとどめさせ給い、かつて宮中にて蚕を養い給いしことあり。
また赤十字社事業の発達を思し召さるること深くして、日本赤十字社総会には常に行啓あらせらる。
明治三十七、八年戦役の時、皇后陛下は出征軍人の身の上を思いやり給いて御手づから包帯を造りて下し給い、また傷病者を病院に御慰問あらせられしなど、御仁徳の高きは国民の仰ぎ奉る所なり。
~ 尋常小學修身書卷五より ~
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