今となっては、昔あった『隣組』の歌がとても懐かしい。これが、本来の日本型社会を表しているのではないか。
『隣組』(岡本一平作詞、飯田信夫作曲;昭和15年)
一、とんとん、とんからりと、隣組。
格子を開ければ、顔なじみ。
回して頂戴、回覧板。
知らせられたり、知らせたり。
二、とんとん、とんからりと、隣組。
あれこれ面倒、味噌醤油。
ご飯の炊き方、垣根越し。
教えられたり、教えたり。
三、とんとん、とんからりと、隣組。
地震やかみなり、火事どろぼう。
互いに役立つ、用心棒。
助けられたり、助けたり。
四、とんとん、とんからりと、隣組。
何軒あろうと、一所帯。
こころは一つの、屋根の月。
纏められたり、纏めたり。
特に「四番」の歌詞が好きだ。まさに、『八紘一宇』の世界である。「おかげさまで」とか「お互い様ですよ」という会話が聞こえてきそうだ。『教育勅語』の結実を見るような、理想的社会だと思う。少なくとも、昭和30年代前半までの日本は、こうだった。
「相互監視」だと否定され始めたのは、いつごろだろう?
他人に干渉されない生活は、自由気ままでよいのだが、逆に、肝心なときでも一人ぼっちなのが現代社会である。
人間とは、勝手な生き物だ。
2006年8月2日(水)の記事
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