祖父母以前のご先祖様について、まったく聞かされてなかったし、考えてみたこともなかった。
父が亡くなったとき、埋葬の関係で「原戸籍」というのを取り寄せたところ、祖父は新潟県生まれになっていた。カナダに帰化して抹消されていたが、てっきり福岡県人だとばかり思い込んでいたので意外だった。遺品を整理していたら、我が家の「家系図」が出てきた。老後の父が作ったらしいので、どこまで正確かはわからない。しかし、急に先祖に対する興味がわいてきた。
母の話によると、父方の祖父は米問屋の息子で、祖母は大工の娘だったそうだ。なぜか、チョンマゲ姿の写真が我が家にあったが、これが祖母の父、つまり私の曽祖父だというのだ。「家系図」によると、さらに一代前は福岡秋月藩(黒田家)の側用人ということになる。秋月藩といえば、「秋月の乱」で、乃木将軍に鎮圧された歴史がある。叔父さんから、よくこの乃木将軍の話を聞かされたものだ。親戚筋の話として、幕末の頃、一家から勤皇の志士が出て、福岡志賀島で斬殺された事件もあったそうな。その石碑が当地にあるというので、機会を見て慰霊に行きたい。
そうそう、カナダに行ったとき、祖父母の墓参りをしてきた。トロントの中心部にあるメモリアルパークという所に眠っていた。祖父母を中心に叔父叔母も一緒に眠っている。みんな写真でしか見たことのない人ばかりだ。それでも、キャンディやチョコレートを送ってくれたおばあちゃんとは、一緒に暮らしていたかのような気がしたのは不思議だ。墓地とはいっても、その名のとおり公園風な作りである。日本に比べてカラッとした明るい印象をもった。土地柄によって慰霊の仕方が違うようだ。
先祖の行状を知ることで、一族の「誉れ」がわかる気がする。女が強く、男がおっとりしているのは、どうやら我が家の伝統かもしれない。
2006年8月22日(火)の記事
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