タイ国の学制は、日本と同じである。国立・県立・市立等の官営のほか、寺院併設の学校が多いし、カトリック系私学もいくつか存在する。日本の塾制度「公文(くもん)」が進出しており、結構、繁盛しているみたい。違うのは、小中学校併設がほとんど。
はじめてタイを訪れたのは、もう17年前になる。そのとき、プレー県の小学校へ立ち寄る機会があった。知人の姉がここの教師だったから。懐かしい自分が甦る光景だった。天真爛漫で、邪気が感じられない。子供というのは、本来こういうものなのだろう。
チェンマイ市内のある小中併設学校の朝礼を、観察してみた。
午前8時が始業時刻のようで、20分前に児童が校庭に集まってくる。整然とはいかず、凸凹ができるのが子供らしくてほほえましい。正面には、軍服姿のプミポン国王のご真影が鎮座する。最初に国旗掲揚と国歌斉唱の儀式があるが、すべて、児童たちの手で行われる。旗揚げ係が3人、鼓笛隊が15名ほどの選抜隊だ。それぞれ、誇らしげに見える。鼓笛隊の演奏下、、みんなが直立不動で国歌を歌い、上りゆく国旗を見上げる。実にすがすがしい場面だ。
続いて、校長(だと思う)より、有り難い訓辞をいただいて、風紀検査に進む。担当は、明らかに教師ではない。軍服姿の屈強な男だ。国軍から派遣されているのだろうか。ある男児が髪の毛を引っ張られ、バリカンで刈られた。長髪は、校則違反なのか。茶髪の子など、もちろんいない。女児のスカートは、足がすっぽり隠れている。ミニスカート姿は、夜商売女以外に見かけない。所持品検査もあったが、結局、バリカン男児のほかは、問題がなかった。
これが、当たり前の学校であろう。日の丸・君が代に反対する日教組の思想は、まったく理解に苦しむ。日本の子供を、無国籍の棄民にしてしまいたいのか。それを喜ぶ親など、いるはずがない。
写真はワチャルウィト小学校正面入口。
両脇とメインポールに3本の国旗が翻る。
タイ国では、嫌になるほど国旗で溢れている。
2006年3月13日(月)の記事
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