チェンマイ市周辺の在留邦人は約8000名という。日本の中小企業がかなり進出しており、これに伴う駐在員も多い。彼らは、メイドを侍らせ、贅沢を極めた生活で、休日はゴルフ三昧に興じる。ここでは、普通のサラリーマンでさえ、こうした生活が可能である。なにぶんにも、使用人の月給は3000バーツ(約9000円)程度で済むからだ。家賃は、ホテル並みのコンドミニアムで、月15000バーツ(約45000円)ぐらい。月10万円もあれば、豪華な暮らしができる。ランパーン市に住む日本人(4人家族)に聞いたら、持ち家なので生活費は月3万円、とのことだった。因みに一戸建分譲住宅は、300万円ぐらい。
NGO団体の活動も盛んで、エイズ孤児やストリートチルドレンを保護する目的で、病院や養育施設を作り、日本の里親(パトロン)を募集したりしている。邦人企業・団体のほとんどが、「温泉の話」で紹介したサンカムペーン地区に集中しているのが興味深い。
その昔、チェンマイを訪れる日本人旅行客は、よからぬ企みを持つ(と思われる)おじさんばっかり、と決まっていた。日本料理店は、とびきりの美人嬢に着物を着せて、おじさんの呼び込みに懸命だった。ときたま、左前の着こなしに興ざめすることもあったが‥‥。
ところが、若者はプーケット、老人はチェンマイ、というタイ旅行者の流れが、バブル期に一変する。チェンマイにも若いOLなどが現れるようになった。これに呼応して、あまりなかったエステサロンやスパなどの美容・健康施設が、街に溢れだした。それまでの健康法は、古式タイマッサージ店に限られていたのに。ホテルも建設ラッシュが続く。やみくもに施設を作っても、供給過多ではないのか。事実、開業を待たずに潰れるところもあるらしい。街が近代化をはじめたのである。チェンマイは、奈良・京都と同じ、タイの古都だ。なまじ、景観を損ねるような近代化など、進めないでほしい。
写真は、チェンマイの生活用水、ピン川の流れ。どぶ色に濁っている。「生水飲むな」のガイドブックに納得。
2006年3月14日(火)の記事
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